アウディの大喜多社長の談話
要旨は以下の通りである。
- レクサスは、アウディとそれほど競合していない。
- 輸入車のシェアは以前並みに戻っている。
- 輸入車プレミアムブランドとレクサス購入者の共通点は、かなり少ない。
- トヨタ・ユーザーのステップアップとしてレクサスに流れている。
- レクサスからアウディへの乗り換えは少ない。
- レクサスは8割がハイブリッドで、ガソリンやディーゼルの走る楽しさは、ドイツ車が有利。
談話で妥当な部分
レクサスからアウディへの乗り換えは少ないのか?
上記は、アウディからの申告内容であるため、レクサスユーザーからアウディに乗り換える方は少ないという結果なのでしょう。
談話に違和感を覚える部分
レクサスのHV比率に誤り
レクサスのハイブリッド販売は3割でエンジンのラインナップ数と実販売台数は、大きく異なります。8割と言う比率は誤りですね。
走る楽しみでアウディは選ばない
走る楽しさという点で、ドイツ車を選ぶのはポルシェとBMWぐらいでしょう。フロントヘビー4WD車のアウディにハンドリングの走りを求める自動車好きは少ないです。過去のクワトロイメージでSUVが選ばれる背景はありますが、スポーツ用途としてS4やTT選ぶケースは少ないでしょう。
アウディやメルセデスを走る楽しさで選ぶ方は、極端に少ないと思われる。
特にアウディで言えば、4WDであり楽しさよりも走行安定性を求めるニーズが多いだろうし、
エンジンスペック以外でのフィーリングをアウディに求めている方も少なそうである。
トヨタのステップアップでレクサスが選ばれなくなっている
クラウンやマーク2、カムリの乗換車種として、レクサスを選ぶケースは少なくなっているようです。理由としては、レクサスセダンのラインナップが少なくなり、購入対象としての魅力が大きく減少していることが挙げられます。RXやNXなどのSUVにシフトしている傾向です。
結果、欧州セダンやワゴンに流れる現象となっています。
談話のまとめ
経営者のトップの発言内容としては、現実と大きな乖離(ギャップ)があるように感じられます。
アウディA4(B8)型の成功から一転、売れ行き不振のアウディです。経営者の方針を誤ると市場からは、ソッポを向かれます。
それは、マツダCX-5(2015)の成功からの株価下落を示すマツダ社とソックリに見えるのは私だけでしょうか。
大喜多 寛(オオキタ ヒロシ)経歴
アウディ ジャパン 株式会社 代表取締役社長 大喜多 寛(オオキタ ヒロシ)氏の経歴です。
- 1983年4月:東洋工業株式会社(現マツダ株式会社) 入社
- 1993年1月~1997年3月:企画本部 経営企画部 主任
- 1997年4月~1999年9月:国内営業本部 販売支援部 課長
- 1999年10月~2001年12月:マツダアンフィニ仙台(現東北マツダ)代表取締役社長 出向
- 2002年1月~2005年12月:ビーエムダブリュー 株式会社 入社:MINI ブランド ダイレクター
- 2006年1月:アウディ ジャパン 株式会社 入社:取締役 就任(営業担当)
- 2007年2月:執行役員 就任(営業担当)
- 2010年9月:代表取締役社長 就任
- 2015年10月:VW排ガス不正問題を受けて「信頼回復に向けてすべての懸念事項に対応する」
- 2015年11月:2016年1月1日付けで同社代表取締役社長に斎藤徹氏が就任する人事発表。
- 2016年4月:前社長の大喜多寛氏が4月25日に逝去したことを発表した。享年56歳。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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