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ダウンサイジングターボ失敗、時代遅れは、誤りだった

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ダウンサイジングターボはWLTPでも燃費が良い

WLTP規格時にダウンサイジングターボは主力

WLTP燃費は、欧州発案規格です。欧州車に都合の良いように規格立案を進めるEUの事ですから、自国域内向けとして、将来的にデメリットとなる規格を作るハズはありません。

大排気量エンジンの排気量を削減し、ターボを追加してトルクを高める点で、従来のNAエンジンの排気量より、低速域も高速域も燃費削減効果があるのです。

  • ターボ追加による悪化 < 大排気量
  • 燃料消費(小) < (大)

高速走行時にターボは不利なのか?

ターボ自体は、過給することで燃費は悪化するというイメージだけの決め付けのようです。

最新ダウンサイジングターボは、1500回転程度で最大トルクを発生させます。マツダスカイアクティブXのように4500回転で最大トルクを発生させるエンジンや、回転数でトルクを稼ぐ従来型のNAエンジンとは全く違うのです。

そもそも多段ATと低速域のトルク厚い最新ターボ車は、従来型NAエンジンと比べて、回さずに高速の流れに乗れることは、最新ターボ車にお乗りの方であれば、体感済の事でしょう。

多段AT化が燃費向上に貢献

マツダの6ATと異なり、国産、海外メーカーはATもDCTもCVTもレシオカバレッジのワイド化を進めています。ワイド化だけが主目的ではなく、多段化によるシフトアップ時の回転数の落ち込みを極力避けて、スムーズな加速、無駄な加速の軽減が目的です。

  • 多段ATにより、無駄に回さない
  • ターボの定速トルクにより、無駄に回さない。
  • 結果、早期に加速が完了する。

多段ATのメリットは、シフトアップを滑らかに行い、より低回転で無駄のないシフトアップが燃費にも貢献するのです。マツダ6ATのように旧態化したATでは、シフトアップ時に無駄な回転上昇を招き、燃費が悪化します。

高トルクと多段ATが定速回転での高速巡行を可能とする

直噴ダウンサイジングターボは、従来のターボの価値観を一新し、最大トルク発生回転数が、1200~2000回転程度です。多段ATのシフトアップにより、エンジン回転数を少ない状態に保ったまま、加速を完了させ、高トルクより、低回転域のまま、高速巡行を可能とします。

ダウンサイジングターボと多段ATの組み合わせが高燃費をマーク

従来のエンジンとATの組み合わせ

  • 3000cc・6気筒・4~6AT

ダウンサイジング化の流れ

  • 2000cc・4気筒・7~9AT (排気量削減、気筒数削減、多段AT化)
  • ターボ追加で低速域のトルクアップ
  • エンジンを回さずに済む多段AT

単純にターボだけをピックアップして、WLTP燃費が不利だとするのは矛盾しています。

ライトサイジングというスカイアクティブX賛美の苦肉の策

欧州だけでなく、国産エンジンも直噴ダウンサイジングターボが浸透する中で、マツダ一社が「ライトサイジングターボ」という意味不明のキーワードを掲げています。

マツダは、ターボは非効率と決め付け、スカイアクティブGを賛美し、高性能モデルとしてスカイアクティブXを掲げています。スカイアクティブXよりもハイパワーな2.5ターボの存在は、目の上のたんこぶなのです。性能が陳腐すぎるため「スカイアクティブX」の扱いに苦慮しているのです。

マツダとしては、スカイアクティブGという10年前のエンジンを止めて、1.3/1.5/2.0ターボとCVTを組み合わせれば、ライバル車並みの売れ行きを確保出来たでしょう。

ガラパゴスな日本の実情

ハイパワー車なダウンサイジングターボを例上げます。ハイパワーモデルですが、高速燃費は、従来のNA2000ccよりも圧倒的な低燃費をマークします。その理由は前述の通りです。

  • プジョーRCZ-R:1600cc、270馬力
  • メルセデスベンツA45AMG:2000cc、360馬力

国産ターボ勢は影も形もありません。ハイブリッド傾注の結果、世界から取り残され、スカイラインはメルセデスのエンジンを載せ、レクサスに至っては、未だにV8のNAエンジンを市販する始末。

ハイブリッド開発だけに傾注した結果、内燃エンジンの開発が後手に回り、トヨタEV出遅れ同様に、直噴ターボも遅れを取っているのです。

海外では、高速域でパワー不足のハイブリッドなど不要

国内だけハイブリッドが売れている事実。マツダ施策やトヨタ施策とは相反する流れです。

マツダ賛美は、マツダのためにならない

マツダ経営の施策ですから、ラージ戦略もスカイアクティブXも継続するのでしょうが、「ライトサイジングターボ」を賛美するための「ダウンサイジングターボ」下げは、マツダのためにならないという事です。

マツダ「ライトサイジング」がマツダ低迷の決定打

WLTP規格はJC08規格に対して実燃費に近く、そのようなことはありません。実際マツダは、3.6L-V6エンジンを廃止し、2.5Lターボ車を発売しています。これは3.0LのV6エンジンに対するダウンサイジングを指すものです。
ダウンサイジングは2L未満を指しているようですが完全な誤りです。
アウディも2Lのダウンサイジングターボ(3L・NAのダウンサイジング)など昔から先々代から登場させており、完全な間違い記事です。

マツダ賛美記事であり、2.0L以下のターボ車を市販できない焦りが見られます。

マツダの低迷はガソリンターボ軽視の戦略が致命的

スカイアクティブ戦略は、高圧縮比による高出力と低燃費の両立のようです。ターボという過給機を使わない仕組みでは、NAエンジン(スカイアクティブG)で勝てるはずもありません。ライトサイジングと発言しつつ、2.5Lターボを発売する本末転倒の施策。おまけに2.5Lターボは2000回転を最大トルク発生回転数とするなど、フラットトルク化すら出来ていない状況です。

内燃エンジン主体とマツダが宣言しつつ、欧州で先行する内燃エンジンの1.0/1.2/1.5/2.0ターボのラインナップが無く、エンジン屋として魅力が全くないラインナップになっています。これが販売低迷の理由です。

マツダ株価下落推移がやばい!スカイアクティブ失敗の理由

ハイブリッド車はアップサイジングの本末転倒

本来、ダウンサイジングターボとハイブリッドを合わせることで相乗効果が生まれます。欧州車では、PHV車でそれを早期に市販化しています。

一方、日本車ではHVにこだわるあまり、HV車とNAエンジンを組み合わせる時代遅れな組み合わせが見られます。その筆頭がNAエンジンと組み合わせるトヨタです。
高速域ではHVのモーターが生かせず、エンジンに頼るためにどうしても排気量を大きくする必要が出てきてしまっています。

まとめ

  • ウェブ上には、1.4リッター以下の小さな排気量ターボだけをダウンサイジングとするような誤った記事が溢れています。
  • そもそもダウンサイジングターボが生まれた欧州では実燃費に近いWLTP規格であり、実燃費との乖離があるとの記事は誤りです。
  • 従来のドッカンターボをイメージする記事など論外もいいところです。

デメリットとしてはターボや直噴化によるコスト増、機械的な故障リスクですが、排気量削減や気筒数削減により、エンジンそのものがコンパクトに収まり、エンジン熱量の減少、エンジン重量の減少など、得られるメリットが大きいから世界的なトレンドになったのです。
日本では、HV車世界一とするガラパゴス理論が先行し、ダウンサイジングターボの採用が出遅れましたが、日本車でも採用車が激増している状況を見れば、それが正しい本線であることは明白なのです。