EV(電気自動車)推進の罠 「脱炭素」政策の嘘は本当なのか

査定君
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これは、本当でしょうか。この考え方で日本は幸せになれるのでしょうか。
2050年に日本は生き残れるのでしょうか。政策の嘘と決めつける内容は、現実を正しく見ていないと感じました。その内容を解説します。

EV推進の罠の概要

書籍名:EV(電気自動車)推進の罠―「脱炭素」政策の嘘

  • 著者名:加藤 康子/池田 直渡/岡崎 五朗【著】
  • ワニブックス:価格 \1,650(本体\1,500)

主な概要

  • EVは環境に優しいの嘘
  • ガソリン車廃止でCO2削減の嘘
  • 燃えるEVバッテリーの本当
  • 中国製リチウムイオン電池が危ない!
  • EVは何故高いのか?(EVの価格の真実)
  • テスラとイーロン・マスクの嘘
  • トヨタとVWの世界戦争勃発
  • そもそも日本には電気が無い!(原発再稼働の真実)
  • EV化で失われる日本の雇用550万人の本当

概要を知りたければ書籍購入をお勧めします。
以降、各章タイトルに対する反論の感想文であり、内容を解説しているものではありません。

第1章 ガソリン車からEVへのシフトに乗り遅れてはならないの嘘

  • トヨタ自身がEV出遅れを認めている事は、紛れもない事実です。
  • 世界に出遅れること2022年、トヨタ・スバルの新型車登場
  • 日産アリアも発売、日産・三菱の軽自動車EVも登場

嘘なら、国産メーカーは発売しません。実際、EVメーカーとしては日産リーフは老舗メーカーです。
海外メーカーに比べて、価格性能ともに突出した性能でなく、平凡なスペックであり、割高感すら感じされる乗り遅れ感、満載の内容です。

第2章 EVは環境に優しいの嘘“燃えるEV”―リチウムイオン電池の革新なしに、本格的なEVの普及はない

欧州、中国、韓国、米国メーカーは、電池工場を続々と自国に建設しています。
ホンダが電池工場について、韓国LGと組んだことに大ショックを受けた日本人も多いでしょう。
「燃えるEV」など、論点ずらしもいいところです。
リチウムイオンバッテリーが製造過程でCo2を排出しようが、そこも論点ではありません。
EV化に向けて、いかにローコストなリチウムイオンバッテリーを確保するのか、生産するのか?。その工場すら持たない、サプライチェーンに牛耳られる日本メーカーに未来はありません。
すでに、海外メーカーに主要資源と工場を押さられてしまっています。

第3章 EV推進は株価のため?テスラ&イーロン・マスクの功罪―EVが増えてもCO2は減らない

再生可能エネルギーで発電する場合は、トータルコストとして、Co2排出量は、内燃エンジン車より確実に減ります。
そこで、HVガラパゴス理論派は、必ず電力不足で化石燃料を持ち出します。
ウクライナの戦争による、電力不足で化石燃料理論派は、活気付いているようです。
しかし、これからも再生可能エネルギーの比率は増えていく状況に変化はありません。
一時的に発電インフラによるCo2排出量が増える可能性もありますが、トータルとして減る方向性に変化はありません。

第4章 中国EV最新事情!「中国製造2025」を読み解く

半導体を中心とし「新エネルギー車」も重点施策に含まれます。
EV車への補助金施策や安価なEVコンパクトカー、乗用車やバスなどは、日本車ラインナップを完全に凌駕しています。
もはや、日本車どうしちゃったのという状況の2020年代前半です。
日本の14倍という巨大な中国市場では、新興メーカーだけでなく大手メーカーの成功と失敗車両を飲み込むだけの貪欲な市場があります。
モラルの無さと法規制の緩さから、技術と情報を奪われ放題の日本メーカーにとって、米国の規制と脱中国化が、間に合ったのか、手遅れなのか、すでに答えは出ているように思います。
巨大な中国市場でビジネスを継続する日本メーカーにとっては、やられ放題になるだけでしょう。

第5章 テスラの何が凄くて何が駄目なのか?EVと自動運転の真実

テスラの凄い点を正しく冷静に分析し、認めているようには思えません。
テスラ自動運転事故をディすることで、テスラを全否定しているようです。
しかし、テスラが全車両から蓄積するコネクティッドなデータは、欧州や日本車の比ではないでしょう。
事故への責任追及と対応が問われている点で、他メーカーよりも莫大な予算で対応していることは容易に想像できますし、それだけの資本力があるのです。
テスラをディスるだけでなく、テスラが従来の自動車メーカーと何が違うのか、全く分析できなていない薄い内容となっています。
ツイッターを買収したテスラにとって、SMSすらテスラIT/AI技術の延長線上で吸収されるプロダクトに過ぎないようです。
巨大な資本力は、研究開発するベースノウハウすら不要なのです。
特に池田氏は、シャーシは自動車メーカーにしかノウハウが無いような言い方をしますが、テスラは丸ごと買収すれば良いだけです。
今後、自動運転に優れたメーカーが登場すれば、買収すれば良いのです。単に時間を金で買うだけのことです。

第6章 欧州が仕掛けるゲームチェンジの罠―迫るLCA規制の実態

引用元:www.pwc.com/jp/ja/knowledge/journal/next-generation-mobility/next-generation-mobility22-03.html

LCAの取り組みで先行する欧州では、製品LCA視点での規制化の動きが活発になっており、BEVの主要部品であるバッテリーを規制する「電池規則」導入検討が進められている。本規則案では、まずカーボンフットプリントの記載義務が規定され、将来的にはライフサイクル全体での上限値の導入が予定されている。また、バッテリーのリサイクル率や製造時のリサイクル材料の含有義務規定も検討されているが、ここには欧州地域としての調達戦略が背景にあると考察される。バッテリー資源はアジアに多く存在するため、資源に乏しい欧州が、大量に電池資源をEU域内に流入させ、留めることで資源競争に勝ち抜くという戦略的な狙いが読み取れる。

  • 水力発電の豊富な北欧にバッテリー工場を建設
  • バッテリー製造時、大量の電力を再生可能エネルギーを利用することで、炭素排出を減らす仕組み
  • 欧州に資源は少なく、バッテリー資源をどこから輸入するのかは、課題が残る。

すでに、この仕組みで世界に取り残された資源の無い日本。
罠ではなく、戦略に負けているだけと言えます。

第7章 トヨタという企業の真実 フォルクスワーゲンとEUのトヨタ潰し

それが、欧州(EU)共同体による数の力というものです。
すでに、オリンピックなど、大昔からある事実であり、今に始まった事ではないでしょう。
モータースポーツの世界でもF1ルールや耐久レースによる日産GT-Rの締め出しなど、自動車業界にとって、今更感のある指摘内容です。
むしろ、現時点ではハイブリッド車にアドバンテージがあるおかげで、潰されずに済んでいるのが、現状です。
ディーゼル車やスカイアクティブXの見通し失敗で潰されかかっているのはマツダだけです。

第8章 パリ協定の嘘!実現不可能なCO2削減目標を掲げるのはなぜか?

SDGsとは

SDGsは持続可能な社会を実現するために17の目標が設定されており、全ての人が平等に生活できるようにさまざまな内容が記載されています。持続可能な社会を実現するためには地球環境を守ることが必要不可欠であり、カーボンニュートラル実現による地球温暖化の進行を防ぐことが重要です。

パリ協定とは

パリ協定は2020年以降の温室効果ガスの排出削減などを採択しており、すべての国が参加している協定になっています。パリ協定では世界共通で目標が設定されていることから、すべての国が協力することが求められるだけでなく、定期的に報告などをすることも必要です。

削減目標の取り組み

削減することにより、利益を受ける企業や国があるからです。
勿論、温暖化により直接被害を受けている災害を抑制するためですが、科学的根拠が明確でない点も指摘されています。

矛盾点

  • 火力発電の代替がない
  • 人口増加を抑制できない
  • 再生可能エネルギーを用いる過程で排出される炭素
  • 完全にゼロにすることは不可能
  • 結局、相殺する理論に落ち着く

第9章 日本の経済安全保障に問題あり―日本にEV成長戦略はあるのか?

「日本の経済安全保障に問題あり」としていますが、有効的な策があるとは思えません。
エネルギー資源を海外に頼る日本は、ドイツとさほど変わりません。ただし、取り組むスピードが段違いです。他国と協業出来るドイツとは環境が異なり、日本の出遅れ感は、明確になってきていると言えるでしょう。
さらにトヨタの施策、日本の戦略を正当化しているようでは、未来はありません。

第10章 クルマに乗る豊かさと人間らしさ

トヨタ社長が以前語っていた、国内の電力施策の状況や国内の雇用を守るという正論を語るだけでは、日本は自滅するだけです。
欧州では、流血を恐れない脱炭素化と電動化を進める勢いがあります。
日本のように内燃城下町を温存させるような施策は誤りです。

マルチソリューションこそ「お花畑」

マルチソリューションという名の水素やバイオ燃料も時間のムダでしょう。
もう、豊かさや人間らしさなどの正論を語っている時間は残されていないと言えるでしょう。
縮小する国内市場だけで、自動車メーカーは食べていけず、海外で生き残るための施策として、政策を批判し、国内に特化した鎖国政策に意味はありません。
日本と日本メーカーにとって厳しい環境下で生き乗る施策を提言するのが専門家の役目でしょう。

日本が世界に向けて、ハイブリッド車の有用性を唱えることに意味があった2015年以前は過去のものとなり、2020年以降、欧米と中国陣営が自分たちに有利な状況を作り上げました。
もはや、切り崩す余地など一切ありません。一方で、「ハイブリッド世界一と自画自賛のガラパゴス理論」が世界に取り残されたトヨタを自ら作り上げ、評論家が提灯した結果が今なのです。

池田直渡氏
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