副社長が退任した理由は満期退任かクーデターか

査定君
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2022/6/24のマツダ株主総会で藤原副社長の退任となりました。
公式発表の「満期退任」は事実か、退任の理由の真相に迫ります。

日本経済新聞「社内外に驚きが広がっていた」

マツダは24日、本社(広島県府中町)で定時株主総会を開いた。同日副社長を退任した藤原清志氏が株主からの質問を受けてあいさつし「この2年で後輩が力強く育ったので、この機会に第二の人生を歩む」と退任理由を説明した。藤原氏は2022年発売の上級多目的スポーツ車(SUV)「ラージ商品群」の開発も主導しており、5月に退任を発表すると社内外に驚きが広がっていた。

これからラージ商品の登場が続々予定されている中で、確かに驚いたニュースです。

週刊エコノミストオンライン「マツダ副社長が突然退任 協業先とトラブルか」

 マツダの藤原清志副社長=写真=が6月末の株主総会で突然、退任することになり、関係者の臆測を呼んでいる。藤原氏は商品開発の責任者で、「スカイアクティブ」などの新技術で、ブランド強化に貢献、昨年6月に最高執行責任者(COO)に就任したばかりだ。

協業先とトラブルとありますが、トヨタ嫌いはネット上でも有名な話であり、今さら感が漂います。

FACTAオンライン「マツダ暴走機関車副社長が失脚 EV時代にエンジンに拘り、提携先のトヨタを毛嫌いしたことがアダ」

経営上層部で人事を巡ってもめていたようで、複数の役員が結託して藤原氏の追い出しに成功した。そのクーデターを首謀したのが広報、渉外、管理領域統括の毛籠(もろ)勝弘取締役専務執行役員と見られ ………

具体名も書かれ、より信憑性がありそうです。

Business Journal 「トヨタの介入も取り沙汰…マツダ、次期社長候補が退任で社内に激震」

  • 説1:丸本氏が社長を続投するため、次期社長との声のある藤原氏を早めに排除したとの見方がある。
  • 説2:技術的なアライアンスを中心に、要望通り動かないマツダに対してトヨタ側が納得がいかない感情を持っているとの指摘がある。それは、トヨタグループのアライアンスの活動でも明白だ。

マツダ社内での反藤原勢力が、一斉に動いたという流れなのかもしれません。

中国新聞デジタル「マツダ副社長の急な退任、取引先に驚き広がる 日本カー・オブ・ザ・イヤー連続受賞の立役者」

 マツダにとっては、1999年12月~2002年3月以来の副社長不在となった。同社は副社長を置かない理由を「各領域を統括する役員全員が、フラットで迅速に意思決定、実行するため」と説明する。

論説の最後の文章を上記で締めくくっており、副社長のポストを無くしたことで、社長のポストは安泰という見方かもしれません。

自動車評論家・国沢氏の説

自動車評論家 国沢光宏:マツダ藤原元副社長を辞めさせたのはトヨタというウワサが流れている

3つの説と推測

上記ブログより、引用・要約させていただくと、下記の5点になります。

  • 説1:丸本社長の陰謀説。社長の座を狙っているから排除した、というもの。
  • 説2:毛籠さんの暗躍説。毛籠さん、アメリカ担当の時、藤原さんの言うことを全く聴かなかった(だからCX-50のようなヒット車を作れた)。毛籠さんが画策して藤原さんを追い込んだと報じるメディアもある。
  • 説3:トヨタの怒りを買った、というもの。この場合、トヨタ=豊田章男さんを示す。
  • 推測1:アップルカーが頓挫した
  • 推測2:総務担当の発言(理由不明)

マツダは果たして生き残ることができるのか?  役員人事改選とラージ戦略で岐路に立つマツダの命運やいかに!?

ベストカー:役員人事改選とラージ戦略で岐路に立つマツダの命運やいかに!?

SKYACTIVのパワーユニットを担当していた人見光夫さん(シニアフェローイノベーション)は電動化車両を極端に嫌っており、それを藤原副社長が強く支持したため完全に出遅れてしまった。

他のマスコミ紙面では一切触れていません。ダウンサイジングターボや電動化に出遅れは、エンジンラインナップの魅力の無さに繋がっていることは、明らかでしょう。根本原因の決定的な理由として、核心をついた文章を入れているあたりが、評論家国沢氏の意見です。

マツダ売り上げ増の功績は全てデザインによるもの!

最近のマツダ車人気、売上を支えてきた、購入理由は「デザインが全て」です。
金太郎飴デザインと揶揄されますが、街中での存在感は抜群です。購入動機として、まずはデザインと言って良いでしょう。世界市場で一定の売り上げを維持している点では、ライバル車に対して、デザイン的な存在感を示せていることになります。

10年前のスカイアクティブ推進が敗因

10年前、欧州メーカーでは、NAエンジンからダウンサイジングターボへ、ほぼ移行が終わりました。日本メーカーでは、ハイブリッド化を強力に推進していたため、ターボ化は遅れています。
海外のターボトレンドにも乗らず、日本のハイブリッド、中国・米国のEVトレンドにも乗らず、マツダは前述の根本原因によって、外部有識者が見れば、異様な流れが進みます。
そして、マツダでは、トヨタHV(THS2)を悪者としてマツダから排除し、トヨタTHS2よりもスカイアクティブG/D/Xが神であるという、マツダ理論がスタートした10年前が敗因になります。

時代遅れNAエンジン・スカイアクティブGを神に据えて、スカイアクティブX開発を推進します。プラグ無し点火のHCCIは目標達成できず、SPCCIというプラグ点火に話を擦りかえ、ターボ嫌いなのでスーパーチャージャーを追加するなど、本末転倒とスペックに、市場でも見向きもされません。「電動化の代替となるぐらいの勢いだった、スカイアクティブX」は完全に失敗の烙印を押されました。

今のマツダにとって、エンジンに全く魅力が無いにも関わらず、今のマツダをけん引し、一定の販売成績が残せたのは「鼓動デザイン」が全てであると言えます。
しかし、社内ではスカイアクティブ・エンジンこそが低迷を救った救世主であるかのように、神格化されていきます。
「電動化車両を極端に嫌っており」・・・これを象徴する流れが、内燃エンジンを正当化する提灯記事の連発など、マツダファン以外から見れば、お馴染み10年の歴史です。結果、10年後の現在では「完全に出遅れた」結果を招きました。

マツダの失われた10年(大失敗スカイアクティブ)

一方でエンジンは、いまどきNAエンジン主力の15年遅れスカイアクティブGを筆頭に、ただ高いだけの貧弱性能スカイアクティブX、が足を引っ張っていました。
MX-30EVやマイルドハイブリッドなど、独自電動化技術も登場していますが、市場では見向きもされていません。
「ライトサイジングターボ」を提唱するなど、マツダ提灯記事に市場もユーザーもドン引きな状態に、社内でも堪忍袋が切れたのでしょう。

トヨタ製HVユニットの軽視、トヨタとの協業軽視、マツダ製内燃技術の自画自賛と提灯記事による神格化。そのツケでしょう。

ラージが失敗要因ではない

6気筒モデル、ラージプラットフォームなどの高級化路線に伴う、莫大な開発投資を主導したことが失敗ではありません。
「内燃重視とターボを全否定」の施策がマツダ凋落の根本原因です。それを支持した暴走機関車。この体制が温存され社内の発言力を増してしまった体制に問題があるのです。

マツダがダメになった理由はスカイアクティブにある

  • 「2012-2013」日本カー・オブ・ザ・イヤー:CX-5、(二番手はトヨタ86)
  • 「2014-2015」日本カー・オブ・ザ・イヤー:デミオ、(二番手はCクラス)

ポイント獲得数を見ると、ややライバルのパンチ力不足といえます。マツダとして勢いがあった過去の栄光とも言え、株価もピークを迎えます。この功績がスカイアクティブ神格化、社内発言力強化の暴走に繋がったと推察されます。
このあと、ディーゼルのリコール多発の顛末、電動化の出遅れなど、株価500円台への下降などの落ちぶれ度合いは、皆さんご存じの通りです。
カーオブザイヤー受賞当時の販売成績はデザインの功績が全てであって、エンジンではありません。しかし、パワーエンジン部門の功績としたことで、異様な流れが進みます。スカイアクティブXを神に祭り上げるために、トヨタ製THS2の排除し、さらに2.0L以下のターボ搭載車が一台も無いという世界的な内燃エンジントレンドからみれば、時代遅れの施策を推進しました。電動化軽視、独自EV、小排気量ターボ無し、という誰が見ても誤った暴走に繋がり、日本国内メーカーでも、トレンドから外れた異端児の様相となりました。
結果、ターボ嫌いにも関わらず、2.5Lターボが、北米の主力となり今のマツダを支えているという、外部有識者からすれば、分かりきった結末を迎えたのでした。

マツダの人見さん
マツダのエンジン親方である人見さんは素晴らしい技術者だと思うが、クルマ好きじゃないし、クルマを知らない。先日行…

当時から、マツダを支えているのは、もはやデザイン一択のみ。そのエンジンは、NAが主力となる15年前水準なのです。CX-60のデザインに対しては、大きく評価も分かれており、デザイントレンドを誤るとエンジンが時代遅れなだけに、もう未来はありません。

根本原因の発端から退任までの歴史

  1. スカイアクティブG(ただのNAエンジン)の時代遅れは、ターボ&電動化嫌いが招いた
  2. 鼓動デザイン・CX-5のヒット、カーオブザイヤー受賞が、暴走のキッカケ
  3. リコール多発でスカイアクティブ失敗じゃね?と内外で、気づき始めた2016年
  4. ヒット理由は、鼓動デザインが全てなのに、エンジン部門が全権掌握
  5. スカイアクティブXという高コスト低性能エンジンの開発開始
  6. このころから、目に余る提灯記事連発で、マツダ乗り以外は全員呆れ顔
  7. ターボ嫌いなのに北米向け2.5ターボが、今のマツダを支える主力エンジンに。
    「ライトサイジングターボ」のワードにネット上でも呆れ顔、ドン引き
  8. トヨタHVを切捨て、スカイアクティブXを神に据えたものの、大失敗に
  9. 内燃エンジン施策が全て失敗し、欧州市場で目標未達。ヤリスをOEMする羽目に
  10. ラージ発売発表と合わせて副社長退任
  11. CX-60は、同時期発表の日産エクストレイルに予約台数で大差が付く

副社長の関連事項

自動車評論家の国沢光宏氏のブログ上では「ブラックサタン」と形容されていることをご存じの方も多いでしょう。社外からもそのような名前で呼ばれるという事は、社内的な不満が背景にあり、メディアを突き動かす原動力となっていることは、容易に想像できますね。
一方で、評論家の池田直渡氏は「ブラックサタン」に影響されてか「ブラック魔王」なる記事を書いている点で、提灯記事として対照的な事例になります。

欧州のEV戦略は「ブラック魔王」で読み解けるへの反論
国沢光宏氏が掲載した「ブラックサタン」への対抗キーワードの記事でしょうか。 マツダの支援でしょうか、安易なタイトルすぎますね。ブラック魔王は英語で「ブラックデビル」となります。 アメリカのアニメ「チキチキマシン猛レース」で、本国では「W...

退任理由のまとめ

退任理由のネットの意見をかき集めた結果、「トヨタからの圧力による退任説」が有力視されています。しかし、トヨタとマツダ両社の提携額から、トヨタ側の影響力は微々たるものと考えます。欧州Cafe規制におけるトヨタプール加入の条件とも関係ありません。
やはり、従来からのマツダ社内に溜まった鬱憤・危機感がもたらした結果ではないでしょうか。

よって、退任理由は「社内のクーデターがもたらした結果」を「まとめ」としました。

ここ10年、売り上げの大半はデザインの手柄にも関わらず、パワー部門が自身の手柄とした最強タッグコンビが、マツダの敗因となっていました。
売り上げは北米、2.5ターボが主力。「ライトサイジングターボ」という意味不明な名称を掲げ、毛嫌いしていたターボが売り上げの根幹なのです。国内ディーゼルなど、どうでもよいのです。

電動化とターボ軽視により、欧州戦略の崩壊

どこにも書かれていませんが、欧州Cafe規制を「スカイアクティブD/X」で乗り切れるとした当時のシナリオを描いた推進責任者、これが欧州の急速な電動化ルールに追従できず、「スカイアクティブ内燃は神」の暴走コンビによるシナリオが完全崩壊しました。
デザインの大成功によるカーオブザイヤー受賞にも関わらず、大失敗エンジン施策を分厚いベールに包み込み、賞と提灯記事で神格化してしまい、2020年代まで引っ張った当然の結果とも言えます。社内ではイエスマンと化し、暴走機関車を止められなかった経営陣にも問題があるとのネット意見もありました。しかし
スカイアクティブ搭載車にカーオブザイヤーを与えた評論家にも責任があると思います。
トヨタヤリスOEM(マツダ2)という苦肉の策は、「欧州全滅・失敗の烙印を押す決定打」として十分なネタでしょう。

スカイアクティブ黒歴史の排除による、新しい流れに期待

電動化遅れ、ターボ嫌いによる、世界の潮流から取り残されたガラパゴス施策。マツダは、スカイアクティブを、マツダの黒歴史として排除し、過去に葬り去るべきでしょう。
スカイアクティブG/D/Xを全廃。これが、マツダ・スモールとラージ復活のカギです。
NAエンジンを全廃止し、4気筒ガソリンの1.3~2.0Lは全てダウンサイジングターボ化。たった、これだけで、マツダ製エンジンのイメージはガラリと変わります。
さらに、48Vマイルドハイブリッド、PHVを別に用意します。
ラージ6気筒エンジンは、ハイパワーターボのイメージリーダーモデルだけとし、それ以外は、4気筒2.5Lターボで十分でしょう。ディーゼルは、欧州と日本の弱小マーケットに過ぎません。
EVは、トヨタ製シャーシにマツダデザインのボディに全てシフトするのが良いでしょう。

デザインさえ失敗しなければ、ラージも成功に導ける

ここ10年のマツダを支えてきたのは、鼓動デザインのみです。金太郎飴の全車展開は成功を収めたと言えます。一方でエンジンに全く魅力はありません。この「スカイアクティブ・ダメ理論」に従って、全車ダウンサイジングターボ化と電動化強化を推進し、スモールとラージのブランド構築コンセプトに邁進するだけです。それは、マツダが内燃でも存在感を示せる鍵になります。

ただ、CX-60のFRラージのデザインには消化不良が目立ち、今後のデザイントレンドに暗雲が立ち込めています。

マツダ
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