新プリウスにおいて、ネット上では不満の声が聞かれます。ユーザーの求める理想形プリウスとは何か、イメージを作成してみましたのでご覧ください。(トップ画像は加工CG)
乗降性と居住性優先が、旧プリウスユーザーの総意
旧プリウスユーザーが育てたブランドイメージ
初代プリウス、2代目、3代目とユーザーからの絶大な支持を受けて、販売台数を伸ばした理由は、燃費や先進性能だけでなく、居住性や使い勝手、サイズ感が主な高齢者層にもマッチしていたからではないでしょう。
4代目は奇抜なデザイン歌舞伎顔にも関わらず、高齢者層から一定の乗り換えたことからも絶大な支持と安心があった背景が理解できるでしょう。
ユーザーの求める理想形のスタイルが初代プリウスの原点です。
AピラーとCピラーの角度が最高ですね。「Cd値0.30」ですが、これで十分でしょう。
ハイブリッド性能は、空力で稼ぐのは本末転倒です。もう燃費数値はユーザーが求める優先事項ではありません。
開発担当者が切り捨てたブランドイメージ
新プリウスでは、Aピラーを極端に下げ、車高を下げ、着座位置を下げたことで、ほぼ旧プリウスユーザーが求めている理想像からは、完全に乖離しています。
これでは、旧プリウスユーザーの主たる高齢者やファミリー層が離れていく可能性が高いでしょう。
Cd値0.27って、それ先代以下の意味あるの?
最新プリウスのCd値は0.27と先代よりも0.3も悪化するというお粗末ぶり。
タイヤ幅を195の細身にしたり、車高を4センチも下げてようやく、CdA値を先代並みにした本末転倒ぶり。ちなみに先代プリウスのCd値は、0.24です。
誰も望んでいないAピラー角度。不便極まりないAピラー角度です。
スペシャリティカーを求める高齢者は少数派
NSXやGT-Rに乗っている高齢者富裕層もいるでしょう。
しかし、旧プリウスをメインカーとして利用しているユーザーとは明らかに志向が異なります。
一定数の旧プリウスユーザーが乗り換えすることが想定されますが、熱しやすく冷めやすいスペシャリティクーペと同じ流れが予想されます。
旧プリウスユーザーの理解に苦しむ開発担当者の発言
新型プリウスは「カローラクーペ」だった? 乗り降りしにくくなっても手に入れたかった新境地 | ドライバーWeb
「今でもコモディティにすべきだと思っている」とも
新プリウスが「スペシャリティーカー」だとすれば、それは、コモディティではありません。
意味不明ですね。
立ち位置はBMWの偶数番
BMWの偶数番号は、スペシャリティーなシリーズに属し、コモディティではありません。
意味不明ですね。
欧州のCセグメント群でいうと、トヨタにはカローラのセダン、カローラ スポーツ、カローラ クロスの王道がいて、クーペライクな方向にプリウスとC-HRが構えています。後者はBMWさんで言うところの “偶数番” のようなラインアップ。これからそんな見せ方をしようとしています。
トヨタ車のヒエラルキー、序列では、カローラよりもプリウスは格上の存在でしょう。
4600mmの全長により、Dセグメントのカテゴリとなり、ボディサイズもカローラのワンランク上の格付けサイズとなります。
よって、当然のことながら、旧ユーザーはカローラと同じ同格とは見做していません。
ですので、カローラはBMWの奇数(セダンファミリー)に相当しないことになります。
「クーペライクな方向にプリウス」とは理解に苦しみます。
カローラの格上の存在として認知度も確立しており、先進的なセダンとしてのプリウスです。
それが、旧プリウスの存在意義、存在価値、ブランドイメージです。
「今後はどうする?」というステージに移っている。現在(プリウスは)年輩の方にも多く乗っていただいていて、もしかしたら新型は先代よりも乗りづらいクルマになっているかもしれません。
「乗りづらい」と認めてしまった車です。
2023/1/18掲載のコラムですが、発売したばかりの時点で、その事実を認識していたのでしょう。
また元に戻る可能性もなくはないですけど。でも、今の答えはこれです。
新プリウスの方向性に不安を感じており、それが言葉に出てしまっています。
コモディティから大きく舵を切り替えたものの、予想外の声に対して、本音が出てしまったのかもしれません。
メーカー公式サイトのインテリア画像
公式サイトより新プリウスのインテリア画像を引用しています。インテリアのページにおいて、カローラを含む他車種では、運転席からの視点写真を掲載しています。しかし、プリウスでは、そのカットが一枚もありません。
特にこの角度は、ハンドルにも掛からない象徴的なアングルとして、皆さんの記憶に留めるべきカットです。
ユーザーが望む理想的なメーター画像
2022年カローラ後期にて採用された、12.3インチメーターと新プリウスインテリアを合体させた「加工CG画像」です。まさにユーザーの望む理想形の姿がコチラになります。
- ハンドルの内側からも非常に見やすいメーター
- ウインドウにはみ出さないメーター
- メーターや前方視界を確保するため、無駄なシート調整やハンドル調整を強いることのないメーター位置
- 新プリウスの7インチというチープで見づらいサイズから12.3インチの大型大画面メーターで視認性もアップ
後期60プリウスにて、マイナーチェンジが実施される際には、上記の様なメーターパネルとなる改定が実施されることが、購入検討ユーザー、そして販売店サイドの総意でしょうか。
ユーザーが望む理想的なプリウスは初代イメージ
上記の加工デフォルメ画像では、たぶん1600mmを超える超ハイトセダンの縮尺になっていると思います。ここまで上げるとやり過ぎの感もありますが、プロがデザインすれば、居住性とカッコ良さは普通に両立できるでしょう。
以下は、居住性と乗降性をさらに向上させつつ、ホンダCR-Z風にしてみました。
乗り降りも頭上スペースもシート着座位置も30プリウスを超えるレベル感を実現させたイメージです。
フロントとリヤのデザインを踏襲しつつ、Aピラーを寝かせたり、車高を下げる必要性は、全くなかったと言えます。
なぜなら、ユーザー層は一定の燃費数字さえあれば良いのですから。
高速走行時の燃費など、どうでも良いのですから。
ハイブリッド車の栄光を取り戻すのは、コモディティ
AピラーとCピラーを徹底的に乗降性と居住性優先のデザインに修正してみました。
かなりデフォルメな感じですが、一見2代目、3代目プリウスを近未来化したクルマにも見えるでしょう。燃費悪化にどの程度影響するのか不明ですが、市街地メインのユーザーにとってどうでも良いレベルでしょうか。世界では、ハイブリッド車が過去の車とされ、EV車がモーターショーの主役となってしまいました。
そのような情勢の中で、ハイブリッド車の栄光を取り戻すのは、コモディティ車の典型例でもあるタクシーなのです。
4代目50型プリウスでは、空力優先で後席の居住性を悪化させたため、タクシー用途が激減してしまったのです。
世界では、ハイブリッド車のコスト、利便性、燃費、使い勝手の良さなど、そのイメージリーダーであるプリウスが、世界を席巻する近未来デザインとブランドイメージを持った車なのです。
開発担当者はプリウスのブランドを何も理解していない(まとめ)
そんな、プリウスが築いたハイブリッド車の歴史を完全崩壊させ、ユーザーの誰もが望まない「4ドアクーペ」、BMW偶数などという意味不明なコンセプトです。
ハイブリッド車の持つ利便性やコストパフォーマンスを世界的に再度認知させるには、タクシーとして、ファミリーカーとして、プリウスブランドを浸透させることが、ハイブリッド車のイメージを確固たるものとするのです。
ハイブリッドシステム自体の全車展開が終わり、プリウスの役目は終わった。
プリウスのブランドイメージ再構築なとどいう、メーカーの判断は、正解なのでしょうか。
プリウスのブランドイメージを利用した再構築が、「ハイブリッドを輝かせる希望の星」だったのですが、もう手遅れのようです。
コメント
>トヨタ車のヒエラルキー、序列では、カローラよりもプリウスは格上の存在でしょう。
4600mmの全長により、Dセグメントのカテゴリとなり、ボディサイズもカローラのワンランク上の格付けサイズとなります。
現行カローラと新型プリウスはプラットフォームを共有しサイズも近い兄弟車です。共にCセグとなります。
今までなら(国内)カローラより上、カムリより下で昔のカムリやマークIIの2000ccグレード位の立場にいたわけですが、カローラがグローバルモデルに近づいたお陰で今回立ち位置が完全に被りました。
盛大な被りを受けて手堅いセダンのポジションはカローラに譲り、プリウスは廃止も含めたゼロベースで検討した結果、スペシャリティ路線に舵を切った流れです。
コモディティ化はゼロベースの検討の際に出た方向性案の一つでジャパンタクシーやラウムみたいなものが考えられ、最終的に没になった案の話ですね。
なので自作CGみたいな屋根の高いプリウスに乗りたい人はカローラセダンを検討すべきと考えます。
また、以前暴走事故を取り上げた記事においてトヨタ広報から
・プリウスは現在(確か2020年頃)トヨタ車の中で最もオーナー平均年齢が高い
・偏りすぎているのは良くない
という話が出ていましたので、20系30系でついてしまった「老人のハッピーアクセルによるプリウスミサイル」のイメージを払拭するためにもワザと車高の低いスペシャリティカーにしているかもしれませんね。
>カムリより下で昔のカムリやマークIIの2000ccグレード位の立場にいたわけですが
その比喩はやや無理がありそうです。
クラウン、マークⅡ、カムリ、コロナ、カローラの序列・ヒエラルキーは、中高年世代の価値観として焼き付いてる強烈なイメージです。
プリウスはカローラより上の立ち位置であることは、初代より不変です。
メーカーが位置付けを変えようが、ユーザー側の意識に変化はありません。
ミサイルイメージからの脱却が狙いだとしてもプリウスという名前を変えない点では、一定の乗り換えを見込む棚ボタ戦略が垣間見えます。
ですので、ミサイル削減効果に繋がらない可能性もあります。
プリウスの本来の姿が大人4人が快適に乗れる車であるべきで、新プリウスは乗降性、居住性、運転席からの視認性の点で酷い車で、あるべきプリウスではありません。
その点では査定君の意見に100%同意します。
ランボルギー二ルックなスタイルを好きな人には相性バッチリと思います。
個人的にはスタイルは素晴らしいと思い一目惚れしましたが、ドア開けて座った時点で購入対象から完全になくなりました。
プリウスのモデルチェンジではなく、まったく別の○○4ドアクーペとするべきだったと思います。
元WRXオーナーさん、ご意見ありがとうございます。
C-HRのような新ブランドなら、全く違和感はありませんでした。
新プリウスのブランド改悪事例は、最近の日本車では珍しいレベルです。この居住性は海外でも、NGでしょう。
今回は「先代社長からカッコ悪い」と言われた・・・「ここまでやれば文句ないでしょ」が目的になっている気もします。
それだけ、旧顧客や販売店が育て上げたブランド神話を簡単に切り捨てた車であると思います。