フォルクスワーゲンのソリューションズローン(残価設定ローン)の賢い利用方法、メリット・デメリットを整理しました。新車・認定中古車購入時のソリューションズローン利用テクニックを解説します。
VWソリューションズローンの概要
VWのソリューションズローンは、残価設定ローンの種別になります。
ソリューションズローンとは、フォルクスワーゲン購入時の残価据置設定(ざんかすえおき)が出来るローンです。通称では「残クレ」と呼ぶようです。
最長5年(60回払い)の設定が可能で、最初に数年後の愛車の下取り額を設定(据置価格)します。
購入時の金額から、据置価格を引いて、残った残高を毎月の支払いローンとして返済していくシステムです。新車、認定中古車のどちらも利用可能です。
VWソリューションズローンの内容
イメージ
新車購入価格 - 数年後の下取り価格(据置価格) = 残高(毎月支払うローン)
ローン最終回の選択
ローンの最終支払いの回目に、据置価格に対して、下記の方法が選択可能です。
- 据置価格を再ローン・・・愛車を乗り続ける。
- 現金一括支払い・・・愛車を乗り続ける。
- ディーラーへ車を返却。
新車の場合は、数年後(最大5年)でも下取り額がゼロになる事はありませんが、中古車の場合は、価値がゼロの可能性もあります。
VW認定中古車の場合は、車両の程度も良く商品価値が維持する為、ソリューションズローンも選択が可能となっている。フォルクスワーゲン認定中古車「Das WeltAuto」を身近にするプラン。
それが「Das WeltAuto 据置設定ローン」です。
車両本体価格の一部(最大で40%)を、あらかじめ最終回のお支払額として据え置くことで月々のお支払額を軽減。Das WeltAutoがより一層お求め易くなります。
支払い例
4,450,000円の新車を購入のケース。
新車4,450.000 - 頭金800,000 = 残3,550,000(ローンで払う金額)
支払い回 | 支払額 | 支払い回数 | 支払い額計 |
---|---|---|---|
頭金 | 800,000 | 1 | 800,000 |
初回 | 26,854 | 1 | 26,854 |
毎月(58回) | 21,000 | 58 | 1,218,000 |
ボーナス(年2回) | 150,000 | 10 | 1,500,000 |
最終回支払額 | 1,440,952 | 1 | 1,440,952 |
総支払い合計 | 4,985,806 |
VWソリューションズローンのメリット
- ローンの支払い総額を軽減出来る。
- 支払い額が少なくなる事で、購入対象のグレードや装備をアップ出来る
- 収入が少ない若年層でも負担が減る。
VW ソリューションズローンのデメリット
- ローン完済時に、愛車の査定額が下がった場合に差額(追徴)が発生する
例えば、愛車の価値が下がるような大きな事故、ボディに手を加えるような改造はマイナスです。多走行車も減点になります。 - 通常のローン VS 残価設定ローン(+残価決済)では、前者の方が総支払い総額は少ない。
- そういった意味では、ローン期間中だけリースしているイメージであり、決して自分の車ではない。
- 下取り額は、ディーラーの言い値である事。買取専門店などは、この下取り額を大きく上回る可能性が高い為、支払い総額では損をしていることになる。
査定額が下がる要因とは
ローン完済時に、愛車の査定額が下がった場合に差額(追徴)が発生します。
例えば、愛車の価値が下がるような大きな事故、ボディに手を加えるような改造はマイナスです。多走行車も減点。
ソリューションズローン特有のデメリットというよりは、各自動車メーカーの残価設定型クレジット(残クレ)共通のデメリットといった方が良いかもしれません。
支払い総額を軽減できない
もともとの車両本体価格が高いので、一見毎月の支払い額が少ないようですが、トータルで見れば、かなりのローンを払うことになります。毎月の負担額は、残価設定ローン(残クレ)の毎月の平均利用額は40,000円超というデータもあるようです。
車両名義はディーラーが所有者
一時的にリースしているイメージですから、ローン完済時に残金を一括返済し、買取を行わない限り、所有者名はディーラーになります。車を気に入っていても、ローン最終回までのレンタル利用者として、返却まで大切に利用しないといけません。
残価設定は保証額でない
予めローン完済時の下取り予想額を決めていますが、100%保証額ではありません。
- 新車価格:400万
- 残価設定:200万(3年後の下取り額は仮の例ですが、保証された額ではありません)
市場の変化や車のコンディションにより下取り価格が変動
フルモデルチェンジで新型人気で、旧型が不人気だった場合は、市場価格が大きく下落の可能性があります。メルセデスの場合は、致命的な不人気車はありませんので影響は軽微ですが。
キズや事故などのリスク
ローンの支払期間も長いので、いくら大切に扱っていても利用中にキズや事故に合う可能性は否定できないでしょう。修理履歴が確実に残りますし、完全な補修が行われていても減点対象にされる可能性があります。
修理するような大きなキズでなくても、細かいキズが予想外の減点対象となる場合もあります。
ローンの実態
通常のローン VS 残価設定ローン(+残価決済)では、前者の方が総支払い総額は少ない。
そういった意味では、ローン期間中だけリースしているイメージであり、決して自分の車ではない。
下取り額は、ディーラーの言い値である事。買取専門店などは、この下取り額を大きく上回る可能性が高い為、支払い総額では損をしていることになります。
ローン返済中の売却リスク
何らかの理由により買換えたくなった場合・・・。車を売却したい場合
- ローン返済期間中、経済的事情や他に良い車が発売されて買換えたくなる場合など、色々なケースにより、返済期間中に車を売却したくなることが考えられます。
- 車を購入する際は、「ローン返済中は、買換えない事」を前提に考えましょう。
- 割安なローン設定にて支払中ですから、「一括返済」することになり、かなり割高な支払いが待っています。
- ディーラーでの買い取りは、買い叩かれる可能性が高いですから、買取店で売って、一括返済に充当しましょう。
支払い例(5年ローン)
・A:購入価格:600万
・B:支払いローン総額:500万(金利を含む)
・C:下取り:200万
・D:借金:B + C = 700万
例えば、3年後に、買換えを行った場合。
・E:ローン払済分:300万
・F:ローン残高:B - E = 200万
・G:買取店での買取額:250万
・H:不足分:700万 - (E + G) = 150万
この不足分の150万を現金で用意して、一括返済する必要がありますし、新しい車の購入資金も必要となりますので、非常に厳しい状況となります。
※ソリューションズローンを利用する際は、今後の愛車ライフと返済計画を十分に練って利用しましょう。
VWソリューションズプラス・ローンの内容
概要
購入時、車両本体価格の一部を残価(据置価格)として設定。
3年後まで据え置きます。
お支払いは購入時と最終回の2回だけ。
現金を手元に残せる新しい買い方です。
メリット
- お支払いはご購入時と3年後だけ。月々のお支払いはありません。
- 現金で全額支払うのと比べて、ご購入時のお支払額を大幅に軽減できます。
- 買取保証がついているので、次のお車へスムーズに乗り換えられます。
VWソリューションズプラス・ローンのデメリット
通常のソリューションズローンと同様です。
- ローン完済時に、愛車の査定額が下がった場合に差額(追徴)が発生します。
例えば、愛車の価値が下がる事故、キズ、改造、多走行などは減点になります。 - 通常のローン VS 残価設定ローン(+残価決済)では、前者の方が総支払い総額は少ないのです。
- そういった意味では、ローン期間中だけリースしているイメージであり、決して自分の車ではない点に注意が必要です。
- 下取り額は、ディーラーの言い値である事です。買取専門店などは、人気度に応じて下取り額を大きく上回る可能性が高いです。結果的に支払い総額では損をしていることになります。
フォルクスワーゲン 残価設定ローンのまとめ
VW人気に陰り、輸入車ランキングに変動あり
2010年代初頭、VW車は絶大な人気で輸入車のワンツーをゴルフとポロで占めていました。
2022年実績では、3位に転落しています。従来ほどの人気が無くなったという事は、数年後の残価設定価格に下落方向の力が働くということです。
この点は、VW車ご購入の際のブランド選定も含めたリスクとして考慮しておきましょう。
ローン完済の返済計画をしっかり立てる事が重要
法人の方で必要経費軽減の目的により、3~5年のサイクルで車を買い換える場合は、VWソリューションズローンの利用を手軽です。
しかし、個人が、目先だけの支出費用を抑えることを目的として、安易に残価据置ローンに飛びつくのは避けましょう。個人で利用する場合は、購入前に「ローン支払い中は、乗り続ける固い意思」を自身に確認する事です。
VWディーラーも残価設定ローンで車を売り、残価を償却(買い取ってもらう)することを意図しているのではなく、ローン終了後に、また新車を購入(ローンで)を狙っているのである。ディーラーとしては、新車を一定期間で買換えてもらうメリットがある。ユーザーは、一定期間で新車に乗り換えるメリットがありますが、毎回ローンからは抜けられない負のスパイラルに陥ります。
今の愛車を高く買い取り、頭金を多く確保して、ローンから抜ける試みもありでしょう。
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