
日産とホンダの提携破談を経て、日産e-Powerの第三世代登場のニュースが流れましたので、第二世代から第三世代への違いを詳細に解説します。
第三世代e-Powerの概要
日産ニュースルームより引用:2025/2/13
第三世代e-POWERは、初代e-POWER比で燃費は20%向上し、コストは20%削減するなど、大きく性能が向上します。特に高速走行時の燃費については、第二世代e-POWER比で15%改善し、欧州においてトップクラスの燃費を実現し、米国では大幅な燃費改善を実現します。第三世代e-POWERを搭載したモデルも、日産の収益と持続的な成長に貢献します。
第三世代e-POWER要旨
- 初代e-POWER比で燃費は20%向上
- 初代e-POWER比でコストは20%削減
- 高速走行時の燃費については、第二世代e-POWER比で15%改善
直結方式ハイブリッドの今後の未来は暗い
このニュース発表で、直結HEV方式支持の某評論家が活気づいています。
燃費効率ではトヨタ製THS方式がベスト
トヨタのTHSは、エンジン駆動、モーター駆動、モーター発電の協調制御を行うベストな仕組みです。ガソリン燃費の効率・数値面では、ライバルは存在しません。
結果、ヤリスの燃費数値が現時点での絶対王者になっています。
PHEV登場でTHSの優位性が崩壊
純粋なバッテリーによるモーター駆動距離が長いため、近距離用途が多い使い方によっては、全くガソリン補給しない使い方もPHEVでは可能となります。
これが、CAFE規制を主とする世界的なCO2削減の算出・算定ルールです。PHEV化を経て、純BEVとなります。
この考え方により、内燃エンジンとモーターの協調制御によりトータル燃費を減少させるストロングハイブリッドの絶対的優位性が崩壊してしまいました。
欧州向けプリウスがPHEV版だけになっている理由が理解できると思います。
世界はBEV一択の流れ(日本はトヨタHEV一強)
日産は、V6-3.5LのISG方式ハイブリッドを過去に販売していました。
(エンジン駆動+モーター駆動・発電)。
時期を同じく、世界的なBEVの流れが進み、日産はリーフを主体としたBEVをいち早く販売。
一方、日本のトヨタとホンダは、ストロングハイブリッドに執着しました。
ホンダ製ハイブリッド(i-DCD)のリコール連発は、まだ記憶に新しいところでしょう。
日本国内では、ハイブリッド優先、FCEV優先の政府ロードマップが優先され、世界でも先進的な日産BEVが軽視され、世界的なBEV出遅れは、明らかになりました。
モーター駆動のe-Power選択の判断は正しい流れ
ガソリン燃費という観点で見れば、トヨタ製HEVが有利になります。
しかし、世界のCAFE規制をベースとした地域別規制は、HEVを排除する流れです。
よって、直結方式のパラレルハイブリッドに回帰しなかったのは、正しい判断です。
エンジン駆動直結方式のメリットが残存理由になるのか
あくまで、日本製ストロングハイブリッド起点で物事を考えている某自動車評論家が多いのですが、今後の世界基準のベースはBEVとなっています。もう、BEV化が避けられないのに今さらHEVは有り得ません。
直結方式の高速域燃費でトヨタ・ホンダ方式が有利な点は、否定できませんが、間もなく淘汰される運命なのです。
BEV低迷からのトヨタ勝利ニュースは日本だけ
世界最大の自動車市場である中国だけでなく、欧州もCO2規制強化が進んでおり、BEV低迷のニュースをもって、CO2規制強化の「ルールちゃぶ台返し」は一向に進んでいません。
日本のメディアは、国内世論を「BEV負けHEV勝利」に導いたところで、日本メーカーの延命措置を行ったに過ぎないのです。
第2世代から第3世代へのe-Power変遷
第2世代e-Powerの特徴
ユニットを以下の3つで構成
- インバーター
- 減速機
- モーター(走行&発電)
第3世代e-Powerの特徴
ユニットを以下の5つで構成(発電処理が並列稼働できる)
- インバーター
- 減速機
- モーター(走行)
- ジェネレーター
- 発電機モーター+増速器
走行用と発電用を別々のモーターが受け持つ
他社のパラレルHEVでは当たり前の走行用と発電用にモーター駆動処理を分けることにより、効率的な発電が行えるようになります。
- アクセルオンで走行用モーター駆動中
- 下り坂やブレーキ、惰性走行中は、発電用モーターが平行稼働が可能になる
ド素人でも上記の仕組みが理解できると思います。
よって、高速走行15%の燃費向上について、あながち嘘ではないと理解できるしょう。
(某評論家は全否定していましたが)
日産が生き残る道:まとめ
評論家のネガキャンに屈するべきでない
直結内燃エンジンに比べれば、超高速域での燃費では不利な面はあるものの、トータルバランスでは、その部分しか欠点はありません。(この点が北米・欧州市場のデメリットにはならない)
欧州でもHEV淘汰が進んでいる現在、直結方式HEVにこだわる必然性はゼロ。
e-Powerの魅力をもっとアピールすべき
- e-Powerの加速・トルク感、静粛性のメリットを全面に押し出す
- エンジンの音が、騒がしくないメリットだけでもCMを作ってアピールすべき
- 特に低中速域でのフィールは、トヨタ・ホンダ製のHEVには負けない
- 内燃エンジンと変わらない価格でe-Powerのコストメリットに繋げる(第三世代)
この点こそが、トヨタ・ホンダに無い個性や強みに繋がります。
(e-Power方式では、ダイハツ製シリーズハイブリッドがありますが)
ノート・セレナが売れていることからも「e-Power」の魅力をユーザーに伝えていくことが重要であるとの「まとめ」になります。
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