
現行プリウス(60型)が中古車市場で急激に増加中のようです。先代プリウス(50型)に比べて早期に手放すユーザーが多い理由とは。今後のリセールに影響を与えそうな傾向を解説します。
60プリウス中古車化のスピードがヤバイ
先代プリウスは、約8年間販売され、約4400台の中古車台数です。(2025/10時点)
現行プリウスは、たった2年半の経過時点で、約1850台も中古車として市場に流通しています。
プリウスの新車・中古車の傾向
| プリウス | 期間 | 国内販売台数 | 中古車流通台数 | 中古比率 | 
|---|---|---|---|---|
| 4代目(50型) | 2015/12~2023/1 | 80.0万台 | 4360台 | 0.545% | 
| 5代目(60型) | 2023/1~2025/6 | 22.5万台 | 1847台 | 0.820% | 
0.8%台と、新型プリウスの中古車が短期間で急速に増加している傾向から、新車オーナーが早々に手放すような、致命的な要因がある車と判断できます。
シエンタの新車・中古車の傾向
| シエンタ | 期間 | 国内販売台数 | 中古車流通台数 | 中古比率 | 
|---|---|---|---|---|
| 2代目 | 2015/9~2022/7 | 64.4万台 | 2653台 | 0.411% | 
| 3代目 | 2022/8~2025/6 | 34.3万台 | 1786台 | 0.520% | 
シエンタは、なんと0.4%から0.5%前半となっており、新車・中古車もプリウスより高く、リセールが良いことが読み取れます。
ノート・オーラの新車・中古車の傾向
| ノートオーラ | 期間 | 国内販売台数 | 中古車流通台数 | 中古比率 | 
|---|---|---|---|---|
| 2代目(E12) | 2012/9~2020/1 | 82.9万台 | 4360台 | 0.545% | 
| 3代目(E13) | 2020/1~2025/6 | 59.8万台 | 3395台 | 0.568% | 
0.5%台と新旧モデルでも一定割合であることから、新車・中古車ともに満足度が高い傾向が読み取れます。
CX-60の新車・中古車傾向
| CX-60 | 期間 | 国内販売台数 | 中古車流通台数 | 中古比率 | 
|---|---|---|---|---|
| 初代CX-60 | 2022/12~2025/6 | 4.4万台 | 921台 | 2.09% | 
おなじみ失敗車の典型例CX-60は、新車を早々に売却し、中古車の価格下落でも、中古車がダブついている状況が見て取れます。
C-HRの中古車傾向
| C-HR | 期間 | 国内販売台数 | 中古車流通台数 | 中古比率 | 
|---|---|---|---|---|
| 初代C-HR | 2016/12~2023/9 | 32.8万台 | 2156台 | 0.657% | 
過激なスタイリングで、当初の人気爆発したものの、後半は使い勝手の悪さが認知されて、人気低迷し、中古車もやや不人気傾向のようです。2代目は国内投入見送りとなっています。
60プリウスの中古車の比率が高いの理由
中古車人気のシエンタは0.4%台ですが、60プリウスは0.8%台となっており、明確に新車を早々に手放し、中古車流通台数が増えていると判断されます。
問題は、現行60プリウスの中古車比率が突出していることです。
なぜ、先代50プリウスに比べて、性能も向上し、デザインもカッコ良くなったとされる新型プリウスの中古車が急激に増加しているのでしょうか。
60プリウスの行き過ぎたスタイルが全ての要因か


- 旧プリウスユーザーが買い替えたが、日々の使い勝手の悪さから手放した。
- スポーツカースタイルに惚れたが、日々の使い勝手の悪さから手放した。
- ハイブリッド性能という車の本質に嫌気が指したのではなく、最悪な乗降性、メーターの視認性の悪さ、後席の狭さなどから手放した、と考えるのが妥当でしょう。
残クレの満期を迎えたのか?
発売から3年も経過していない時点で、この流通比率ですから、残クレ購入者の場合、満期になる前に手放している傾向です。
新古車処分なのか?
走行1000km未満の新古車は、186台と中古車流通量の約1/10の規模であり、新車の売れ残り処分車が大量に中古車に流れたわけではありません。
リセールが良い
新車オーナーが早々に手放すものの、まだ目新しいプリウスのリセールはPHEVを除き、2年目でも80%以上を維持しており、買取額もオーナー納得のようです。これも今のうちに売っておこうという心理が働くのかもしれません。
新車販売台数に比べて、中古車が他のモデルより多い理由とは
あるモデルの中古車がやけに多く見える――それは「人気がない」からではなく、むしろ多くの背景要因が積み重なった結果です。本記事では構造的に理由を整理し、購入者・販売者双方にとって役立つ視点を提示します。
1. 販売母数(母数効果)
最もシンプルな要因は「新車の販売台数が多い=中古が多くなる」という母数効果です。年間数万台〜十万台単位で売れる車は、数年後の下取りや買い替えでまとまった台数が市場に戻ってきます。大量販売されたモデルは、時間の経過とともに必然的に中古のストックが増えるのです。
2. 法人・リース・レンタカーの影響
レンタカーやリース、社用車として採用されるモデルは流通量が一気に増えます。法人系は使用期間が短め(2〜4年)で契約終了と同時に大量に市場へ放出されるため、同一モデルの中古が短期間で集中する特徴があります。これが「玉数が多く見える」一因です。
3. モデルライフと代替サイクル
フルモデルチェンジが少ない長期モデルは、同一世代が多く流通します。長期間にわたり同じ型が売れ続けると、その世代全体の中古台数が累積して増加します。逆に短命モデルや販売数が少ないニッチ車は中古流通が少なめです。
4. ユーザー特性と買い替え傾向
ファミリー層や実用車の主要ユーザーはライフイベントに合わせて車を入れ替える傾向が強く、3〜7年程度で買い替えが発生します。こうした「乗り換えサイクルの短さ」も中古台数を押し上げます。一方で趣味性の高い車は所有年数が長く、市場に出にくいです。
5. 価格帯と需要のバランス
中古市場で流通しやすい価格帯(例:100万〜300万円)に落ち着くモデルは需要が高く、結果的に玉数が増えます。新車時に高額でも中古で手が届く価格に下がることで、買い手が増え、市場の在庫が回転しやすくなるのです。
6. 輸出事情と国内滞留
日本車は海外に多数輸出されますが、ハイブリッド車や高度電動車は現地で整備や電池交換が難しいことから輸出対象になりにくく、国内に滞留しやすい傾向があります。輸出されない車種は国内中古が相対的に多く見える原因の一つです。
7. ブランド流通と再販構造
大手メーカーや販売網が広いブランドは、下取りや業者による再販が活発です。残価設定ローンや認定中古車プログラムでリセールが安定しているため業者が積極的に仕入れ、オークションやネット販売を通じて流通台数が増えます。
8. スポーツカーはスタートダッシュ、後半は急降下
デザインに尖ったモデルなどは、販売的にスタートダッシュを決めるものの、使い勝手の悪さから早々に手放す事例が多いようです。
- オープンカー:寒い時期は乗らなくなる
- スポーツカー:衝動買いしたものの使い勝手が悪く乗らなくなる
- デザイン優先:初代C-HRや、60プリウスなど、ファミリーユースを取り込んだものの、使い勝手の悪さから早々に手放すことになる
中古車流通量が多いモデル
- トヨタ プリウス・アクア:販売台数が多く、レンタカー/リース需要も高い
- ホンダ フィット:若年層・ファミリーに人気で買い替えサイクルが短い
- 日産 ノート(e-POWER含む):実用性が高く法人導入も一定数ある
上記は、AIによる一般的な傾向分析ですが、60プリウスに当てはまらないことが理解できるでしょう。
中古が多いことのポジティブな意味(一般論)
中古車が多いことは必ずしもネガティブではありません。むしろ「売れた実績がある」「整備ノウハウや部品供給が豊富」「選択肢が多く相場が透明化する」といった利点があります。中古で購入する消費者から見れば、玉数が多いモデルは比較しやすく、良質な個体を探しやすい市場といえます。
| 要因 | 影響の要点 | 
|---|---|
| 販売母数の多さ | 時間経過で中古台数が累積する | 
| 法人・リース需要 | 短期間で大量放出される | 
| モデルライフの長さ | 同世代の在庫が膨らむ | 
| 買い替えサイクル | 実用ユーザーは短めで流通が早い | 
| 輸出可否 | 輸出されないと国内在庫が増える | 
60プリウス中古車が余っている状況とは:まとめ
- 50プリウスの中古車比率に比べて、60プリウスの比率が高い
- 使い勝手の悪さが早期に手放す要因と分析
- ただし、まだ新しいせいか、リセール率が高い
- ハンマーヘッドなスタイリングに慣れて新車効果が薄れれば、不人気になる可能性も高い
現時点では、上記のまとめになります。リセールが良い今が売り時なのではないでしょうか。

 
  
  
  
  