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2030年に350万台というトヨタEV販売台数は実現可能なのか

査定君
査定君

2026年に150万台、2030年に350万台というトヨタEV販売台数の目標が掲げられました。高みに到達できる包括的な技術開発の基盤は本当でしょうか。解説します。

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トヨタのEV販売台数(目標と実績)

現時点、壮大なトヨタのEV(BEV)販売台数の目標が掲げられいます。

  • 2022年:約2万4000台の販売台数実績。
    全販売台数である1048万3024台(同社グループ全体)に対して0.23%と極めて少ない。
  • 2023年(第二四半期):世界販売台数が前年同期比約7倍の2万9千台
  • 2026年:150万台の目標(10車種投入)
  • 2030年:350万台の目標

トヨタbZ4X販売台数

日本市場

  • 2023年7月:bZ4X 280台
  • 発売直後のリコール問題は、HV車の実績があるのだから、EV製造も簡単だとしたHV神話が崩壊するインパクトがありました。

欧州市場

  • 2023年1Qの実績:bZ4X 3,700台以上
  • 最多売国のノルウェー:約584万円
  • 1日あたりの急速充電2回制限の問題が発覚。仕様変更を実施

中国市場

  • 2023年3月:bZ4Xを1,007台
  • 大幅ディスカウント価格の約383万円で販売されていることが危険な状況

レクサスRZ販売台数

bZ4XベースのRZですが、見難いメーターを踏襲しなかったことが救いです。

日本市場

  • 2023年7月:RZ 211台

トヨタのBEVプラットフォーム

このような壮大な販売目標が掲げられています。現時点の販売台数から達成は難しいのではないかとの声も聞かれます。

  • 2022年:e-TNGA = 2.2万台
  • 2026年:マルチパスウェイ + e-TNGA = 150万台
  • 2030年:次世代プラットフォーム + マルチパスウェイ + e-TNGA =350万台

e-TNGA

bZ4Xのベースとなる現行EV専用プラットフォーム(P/F)です。
発売直後のリコールなど、基本設計にやや問題があるのでは、ささやかれたシャーシです。
斬新なスタイリングなど、近未来を感じさせる仕上がりですが、トップマウントメーターなどプリウスとの共用化も見られ、BEV差別化としては商品力的な魅力に欠けているようです。

マルチパスウェイ・プラットフォーム

カムリやクラウンの基盤である「GA-K」ベースのEV群になります。
マルチパスウェイという名のごとく、BEV、FCV、HEV、PHEVなどの大柄なボディサイズを活かした「何でもありプラットフォーム」です。
使いまわしという点では、マルチな用途が見込めるものの、テスラやBYDなどのBEV専用設計シャーシに比べて、コストの点で劣ることは明確です。

次世代EV専用プラットフォーム

テスラやBYDなどのギガプレス式を採用し、トヨタの次世代EV専用プラットフォームでもフロントとリアの2つのボディ構造のプラットフォームです
統合度を高める戦略はテスラの後追いになっています。
それも登場は、2030年に近い時期とされています。
この次世代シャーシは、部品点数が大幅に削減され、コストも低減します。これを実現し、市販化しているテスラ社との比較では出遅れ感が隠せません。

新型電池開発

  • 廉価なリン酸鉄を正極材に用いるLFP系電池
  • 全固体電池

LFP電池については、完全に中国BYD社に依存している部分であり、この電池をトヨタ社内で開発製造できるのか、中国製一択になるのかが、コストの分かれ目になるでしょう。
新開発電池を2026年から2028年に開発する意気込みを示していますが、出遅れ感が漂います。

全固体電池の失敗で実用化できないデメリットとは
全固体電池は失敗・オワコンでしょうか。全固体電池は実用化できないのでしょうか。 デメリットや実用化の時期とは。独自の分析と洞察した深層に迫ります。

車載コンピュータの付加価値提供

近年の自動車デジタル化の状況

  • 自動車においても電動化やデジタル化の進展に伴い、ハードウエア自体の付加価値は低くなり、従来のハードウエア中心の売り切りビジネスだけでは限界が近づいている。サービス領域が拡大しており、販売台数から総稼働台数ビジネスの時代に移りつつある。
  • 自動車領域では、OSとアプリのビジネスモデル、OTA(Online Travel Agent)などによるハードウエア販売後のサービス収益のビジネスモデルが登場している。自動車業界では、各社OSの開発に注力しているが、Googleが開発した車載OSを導入するOEMも多い。モバイルのビジネスモデルと同様、Googleは自動車領域においてもサービス展開を目指す。また、OTAビジネスでは、Google、Microsoftは、OSおよび開発ツールを無料あるいは安価で広く提供、他力で資産を築き上げ参入障壁を構築するビジネスモデルによりデファクトスタンダードを確立して、高い収益を実現している。
  • 今後、製造業は、付加価値や競争環境の点から、ハードウエアを起点にソフトウエアを活用した顧客への継続的付加価値ビジネスへの転換が重要となる。製品(ハードウエア)、サービス、ソリューションの3つの観点から、顧客との関係性を高めていく必要がある。

上海モーターショーで浦島太郎な日本メーカー幹部

2023年に開催された上海モータショーでは、日本メーカー幹部が驚きの声を上げた中国製BEVの状況です。すでに、ソフトウエアやハードウエアの統合機能については、日本メーカーが得意としていたのは過去のものとなりました。ナビ、自動運転、エンターテイメント要素の付加価値としては、中国製IT企業ベースの中国車が遥か先を進んでいる状況です。
ここでも出遅れ感が感じられる状況にあります。

まとめ

厳しい米国規制強化

米国では、抜本的なEV強化が2026年から始まります。

  • 2026年から2028年に向けて著しく強化される米国のGHG(温室効果ガス)規制
  • カリフォルニア州が主導するZEV(ゼロエミッションビークル)規制

など、2030年を待たずして、規制強化が目白押しです。北米市場が大きなウェイトを占めるトヨタにとって、死活問題となる規制が待ち受けています。

欧州CAFE規制強化

欧州では「Fit for 55」という重要法案を正式採択されています。
【EU】乗用車等のCO2排出基準に関する規則が合意され、各国のカーボンニュートラル実現に向けた政策により、 乗用車・小型商用車からのCO2排出基準規則の見直しについて、欧州委員会は、引き上げを実施します。

  • 2025年:-15%削減
  • 2030年:-55%削減
  • 2035年:-100%削減

トヨタを含む日本メーカーは、かなり難しいかじ取りが必要となりそうです。

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