マツダCX-60の早期失速に続き、CX-80は失敗、ダサイ、売れないとの声があるようです。
CX-80はCX-8の後継役に足りるのか、ラージ戦略に陰りが見える今後を解説します。
マツダCX-80の概要
日本と欧州のマツダフラッグシップSUVモデルとなるCX-80です。
3列シートを装備し、ボディサイズも拡大され、CX-60の兄貴分に相当します。
ラージのプラットフォームを用いたFR後輪駆動ベースの縦置きエンジンを搭載。
- 2.5L直4ガソリン+プラグインハイブリッド
- 3.3L直6ディーゼル+48Vマイルドハイブリッド
モデル別の市場分割戦略
- CX-60、CX-80:日本、欧州向け
- CX-50、CX-70、CX-90:北米向け
装備のポイント
- リヤシートベンチレーション装備
- トリプルゾーンエアコン装備
- 2列と3列目のシートがフルフラットなり、先代CX-8を踏襲
- 後席居住性は、先代CX-8比で向上していない
マツダCX-80の販売価格
ドイツ販売価格:2024/4時点
- CX-80 2.5PHEV:55350ユーロ、約913万円から
- CX-60 2.5PHEV:47390ユーロ、約782万円から
日本販売価格
- CX-80 2.5PHEV:約712万円から(予想価格)
- CX-60 2.5PHEV:約610万円から
CX-80の3.3Lディーゼルは、日本向け専用の価格設定が実施され、約400万後半スタートを予想します。
豪州向けの3.3Lガソリンターボを日本にも導入し、直6エンジンの存在感を示すべきなのです。
スカイアクティブXやガソリンターボ嫌い派の影響がマツダを低迷させた影響は計り知れません。
マツダCX-80のラインナップ
- 3.3リッター直列6気筒ディーゼルエンジン+マイルドハイブリッド(254ps)
- 2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン+プラグインハイブリッド(328psシステム出力)
マツダCX-80のボディサイズ
- 全長:4995mm
- 全幅:1890mm
- 全高:1710mm
- ホイールベース:3120mm
3列シートとはいえ、ギリギリ5メートルに収めるよう、「全長ありき」が優先されたデザインが、CX-60に対して、変わり映えがしない絶壁感を踏襲しているという声あり。
マツダCX-80がダサイ、売れない原因
基本設計はラージプラットフォームであり、CX-60/80は姉妹関係であるため、CX-60で指摘された数々の失敗原因をそのまま踏襲した形になります。
1890mmの車幅は、ダメなのか
CX-8は、2015年基準のサイズ1845mmとなっており、車庫に入ったかもしれませんが、50mmアップで入らないケースも出てくるでしょう。
ただし、1900mmの車幅は、ラージクラスSUVでは、世界基準を満たす一般的なサイズであり、メーカー側の問題ではないでしょう。
CX-60と変わり映えしない内外装
部品やディテールで、CX-60と共通化しており、センターモニターのサイズであったり、CX-60のワンランクアップ上を求めるユーザーにとって、物足りない方が多いでしょう。
CX-60が売れない原因が外観デザインであった場合、CX-80も同様に敬遠される可能性があります。
エンジンとユーザーニーズが噛み合わない
日本のユーザーは、直6ガソリンのハイパワーフィールを求めているのであり、直6ディーゼルではありません。3.3リッターという大排気量のトルク感も不足しており、ユーザーが求めているのではなく、2.5L/2.0Lターボで十分なのです。
CX-60では、3.3Lディーゼルがマツダファンに行き渡り、売れ行き低迷となったのは当たり前の流れです。
8ATのシフトショックが気になる
高級車に求められるのは、ダイレクトなシフトフィールではなく、滑らかなトルクコンバーターATです。その点で、時代遅れの旧式6速AT(CX-8)から8速ATに進化したところまでは良かったのです。
しかし、開発責任者が何を間違ったのか、トルクコンバーターレス方式を採用してしまいました。
CX-60では、高級車としては相応しくないギクシャク感を伴うATとなっています。
リヤサスの乗り心地の悪さが気になる
高級車に求められた基準に達していないというレベルではなく、もはや設計に問題があるのではないか、とも噂される乗り心地の悪さです。(音、振動、ゴツゴツ感、等いろいろ)
3列シートのCX-80では、加重が異なり、設計を変更している可能性もあり、CX-60から大きく改善されたことを願うしかないでしょう。
CX-8ユーザーが離脱する価格設定
CX-8では、3列シート必須のユーザー層は少なく、マツダトップモデルとしてのSUV購入層が多かったと思います。さらに価格設定やエンジン設定においては、人気のCX-5ベースである点でも購入動機として十分でした。
CX-8生産中止の判断は失敗だった
2022年の小変更実施により、月販平均で1000台を余裕で超えていました。
CX-8を下回る月もあったCX-60の低迷っぷりを見れば、CX-80の早期失速は確定したようなものでしょう。CX-3/CX-5同様に併売すべきであったのです。
CX-8は生産中止の判断は、販売サイドから、ため息が漏れていることでしょう。
CX-8と異なり、CX-60ベースモデルが、売れ行き低迷であるため、CX-80も初期予約台数を消化した後は、確実に低空飛行となるでしょう。
CX-80は失敗するのか、ダサいのか:まとめ
欧州向けとしては、円安効果がありますが、いかんせん価格が高すぎます。PHEV車は戦略的な価格設定とされているものの、CAFE罰金規制に寄与する販売台数は厳しいでしょう。
日本では、CX-8モデル末期でも相応の売れ行きを見せていたのは、デザインや価格などベースモデルのCX-5の出来が良かった点が全てでしょう。CX-5の兄貴分としての満足感も得られます。
CX-60の出来の悪さで、CX-80も道連れ
CX-80になり、大きな変化はリヤサスの改善ぐらいです。ここに変化が見られなければ、ラージも末期と言えます。これも前任の開発計画が全ての足を引っ張っていると言えます。
今のマツダを支えているのは円安効果のみ
- 前任者の開発計画がスカイアクティブ15年低迷の要因
- マツダを復活させたのは金太郎飴の内外デザインのみ
- ラージは、その良い点を継承出来ていない感
- CX-60/80はマツダに貢献していない予感
- 今のマツダは、商品力の低迷や電動化の遅れをも全てカバーする棚ボタ的な「円安効果」
- 円安効果が持続しているうちに、膿を出し切ることがポイント