マツダが高級化路線は失敗なのか?プレミアム戦略を推進するための隠し玉である、「FRと直6エンジンのラージモデル群」です。メインは直4NAエンジンのスカイアクティブGです。「NAエンジンベースの直6は売れない」の声が多く聞かれます。具体的な理由を解説しましょう。
マツダ直6中止が妥当か
上級モデルのプラットフォームをFFからFRベースへ
欧州FRベースモデルと同様に、中型車や大型車はFRベースのシャーシを用いる戦略です。この点では、FRベースとしたラージ戦略は、誤っていないと言えます。ただし、世界市場でFR駆動のセダンやクーペを指名買いするユーザーは、メルセデスやBMW、レクサスなどの高級車ブランドに限られます。
ただし、FRベースの4WD(AWD駆動)のモデル(CX-xx)が主力となりますので、この点ではブランドイメージの向上に寄与するでしょう。
また、マツダ6以上のモデルがFFからFRになることで、直4ベースモデルの価格アップが無い場合は、走行性能のフィーリング向上にも寄与します。
FRを求めているのはロータリーファン層のみ
RX-7/8(FR)と共にロータリーエンジンが完全に市場から消えた今、マツダにFRを求めているのは一部のマニアです。日産のフェアレディZやトヨタスープラなど、世界的にも知名度や歴史がある車ならともかく、大衆車マツダが参入すべき領域ではないのです。まだ、マツダには直4の2.5Lターボが存在し、スカイアクティブXの低スペックからすると、コストパフォーマンス的にも売れ線が直4ターボとなることは明白です。特にFF主体のマツダに対して、FRを求めているのはロードスターのみの限られたスポーツカーのジャンルです。高級車のニッチマーケットにマツダが入り込む余地は全く無く、無謀な戦略なのです。
市場要求は直6不要を望む声が圧倒的だが
「直6不要」「失敗」「中止が妥当」の声は経営陣には全く届かず、投資家向けの資料通りに市販という流れが予想されます。30万機とも予想されるエンジン生産台数を売るだけのマツダ製6気筒市場が全世界にあるとは考えられず、スモール用の直4の2.5ターボで十分という結果は見えています。2015年からの株価下落傾向に拍車が掛かる事が予想されます。
直6エンジンのスペック
現在のマツダには、スモール用の2.5リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力250hp、最大トルク44.2kgmのエンジンがあります。国内外のトレンドとして、直6やV6の3.0L・NAのダウンサイジングとして、直4ターボにダウンサイズする流れとなっています。他社では1.5Lや2.0Lターボですが、マツダは2.5Lターボですから、パワー・トルクで競合する6気筒や3.0Lの排気量は不要なのです。
4気筒モデル(CX-30)を6気筒化した想定スペックは下記の通り
Skyactiv | 6気筒3.0Lスペック |
---|---|
3.0 G | 234ps/30.5kgm |
3.0 D | 195ps/41.3kgm |
3.0 X | 285ps/36.8kgm |
上記はSpilit1.1の190ps版の2リッター4気筒エンジンを3リッター換算したものです。
2.5Lターボ並みの馬力と2.5ターボに劣るXのトルクです。エンジンが滑らかになろうが、北米ユーザーの望むものはビッグトルクです。8AT搭載ですから、従来のようにエンジンを回して加速する必要性はなく、6気筒の滑らかさなど、日常用途では宝の持ち腐れとなり、メーカーの自己満足とも言える6気筒をマツダユーザーが求めておらず、売れる気が全くしない内容となります。
高級化の失敗と戦略の失敗
新型CX-60~90やMAZDA6に6気筒という高級化、プレミアム化が売り上げに貢献する声や望む声も少なからずあるでしょう。しかし、これらの販売台数がニッチマーケットとして限られ、マツダ利益に貢献しないことは、誰の目にも明らかです。世界的に高級FR車が縮小傾向な事は言うまでもありません。新型
MAZDA3/CX-30/MX-30の販売的苦戦が報じられています。経営資源の限られたマツダは、売れない原因を正すことが先なのです。
直列6気筒エンジンを世界が求めているのか?
米国市場を見れば、従来のアメリカンV8に加えて、従来のNAエンジンの排気量を小型化したダウンサイジングターボ化が進んでいます。よって、米国市場が望んでいるのは小排気量ターボエンジンと言えます。
マツダの愚策はスカイアクティブGというNAエンジンが、未だに主役である点に尽きます。
欧州車の直列エンジンの設計思想は合理的であり、3気筒、4気筒、6気筒と気筒数の増加が容易であり、マツダの設計思想もこの流れに沿っています。
4気筒エンジンがメインとなり、6気筒はオマケで開発できることになり、ネット上にあるように「今時、直6エンジンのみを開発した」という発想は誤りです。メインはあくまで直列4気筒です。
ただし、スカイアクティブGがベースエンジンとなれば、「今時、NAエンジンを開発するのか」という点で、「世界的に6気筒NAエンジンを求めていない」という結論になります。
価格は、マツダブランドですから、同じ6気筒といえども欧州車より安価な設定となる事は言うまでも無く、現在の2.5Tに上乗せした価格帯であれば、欧州高級車のワンランク下の価格帯となります。
評論家の池田氏やマツダ首脳陣の発言として、「北米では、6気筒」という文言が目に付きますが、実態としてユーザーは、BMWやメルセデスの上位モデルとしての(直6ターボ)を除き、指名買いユーザーなど過去の話です。まして、スカイアクティブGのような、低パワーNAエンジンは全くお呼びでない状態です。多段ATと2リッター以下のダウンサイジングターボの流れです。マツダは「ライトサイジングターボ」と呼ばれ、低速域のフラットトルク化が未達であり、一般的な直噴ガソリンターボレベルに達していないことも問題です。メルセデスのEクラスまでもが1.5リッター直4をラインナップしている時点で、2リッター以下のターボ車すらない時点で、経営陣の時代遅れもいい所です。
スカイアクティブGの直6版を出す愚策
すでに欧州では、NAエンジンは、ほぼ駆逐されました。今回、ラージのスカイアクティブGエンジンを市販すること自体、世界から10年遅れていると言えます。
縦置直列6気筒エンジンは、縦置4気筒の延長線上の産物であり、スカイアクティブXも量を売るもモデルでもありません。この点を非難しても無意味です。
今回、直6版での失敗点は、いまだにスカイアクティブGを最新エンジンに乗せてしまうことに尽きます。4気筒も6気筒も量販モデルは、スカイアクティブGとなるでしょう。
もはや、NAエンジンのスカイアクティブGが、巷の失敗認定Xを作る母体になったと言えるのです。各社ダウンサイジングのエンジンに向かう中で、今さらNAエンジンを主役に据える戦略に未来はありません。
ベストカー:役員人事改選とラージ戦略で岐路に立つマツダの命運やいかに!?
SKYACTIVのパワーユニットを担当していた人見光夫さん(シニアフェローイノベーション)は電動化車両を極端に嫌っており、それを藤原副社長が強く支持したため完全に出遅れてしまった。
パワーユニットで、マツダは市場から10年遅れ、欧州Cafe規制を超えられず、ダウンサイジングターボを否定し、ストロングハイブリッドを否定し、電動化よりも内燃エンジンで出遅れたと言えます。スカイG/D/X技術を神格化した担当と支持者による暴走は、マツダ社内のあるべき流れにより、終わりを告げようとしています。これにより、命運は切り開かれると期待しています。
国沢光宏氏のブログにこんな記事が
http://kunisawa.net/…/国沢はマツダ嫌いかとなれば、全く違う。見識あ/
http://kunisawa.net/…/マツダのブラックサタン、カローラを「30万円値上/
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00105/00068/?P=5
ダウンサイジングターボと逆行する大排気量化
ジャーナリストの池田直渡氏は、ダウンサイジングターボは小排気量の4気筒以下であるとし、6気筒は3リッターのNAエンジンと定義しているようですが、完全な誤りです。現在、NAエンジンは淘汰され、ダウンサイジングターボは、エンジンの気筒数と排気量に関係なく削減し、直噴ターボで低速トルクを補う方式です。すでに、メルセデス、BMWのプレミアムブランドでも気筒数、排気量に関係なく、ダウンサイジングターボ化が進んでいます。
プレミアムブランドでは、直4ターボや直6ターボで300ps超、V8ターボで350ps超のダウンサイジングターボもラインナップしています。いまさら、直6エンジンのアクティブXを搭載しても、スペック的にも価格的にも市場の要求を満たさないことは一目瞭然なのです。
直6ディーゼルの市場は衰退の一途
モアパワーを求めるユーザーに対しては、3.0Lの6気筒ディーゼルが、その要求に応えるものとなるでしょう。しかし、6気筒ディーゼルを求める高級市場のパイは非常に小さいです。振動面で多気筒化が有効であるものの、ディーゼルエンジン音は改善しません。世界市場には、すでに高性能な6気筒ディーゼルの欧州ブランドが存在し、マツダ車が入り込む余地はありません。
ディーゼルユーザーの求めるものは、経済性と圧倒的なトルク感であり、6気筒エンジンではないのです。プレミアムなディーゼル車が欲しければ欧州車を購入します。
欧州車のモノマネ・プレミアム戦略の失敗
マツダ経営陣のセリフとして、「プレミアム」「BMW、アウディ」が良く登場するようです。そのブランドイメージとして、FRや直6がありますが、すでにBMWもエントリーモデルではFF化を推進しています。
欧州事情を見れば、ディーゼルも縮小傾向なのは言うまでもありません。
ダウンサイジングターボ化も完全に完了し、V8ーNAエンジンは、直6ターボや直4ターボが代役となっています。すでにSクラスや7シリーズでも直4エンジンを搭載する現状をふまえ、今更、直6モデルを出すことに何の意味があるのでしょうか。
8速AT化もDSG採用は痛恨のミス
FRと6気筒モデルには、プレミアムな8速ATの搭載が必須です。マツダには現時点、6ATのみであるため、その分のコストアップが避けられません。池田直渡氏は、多段ATは日本に不要論を展開していますが、滑らかな加速フィールに8ATは欠かせません。多段ATはレシオカバレッジが目的ではなく、滑らかな変速にあります。
DSGは、安価なモデル用であり、メルセデスもBMWも大型車はトルコンATを採用しています。大型車向けにDSGを採用するメーカーはVWグループだけであり、世界の流れ(特に北米市場)を無視したマーケティングが裏目に出そうです。DSGの欠点は、低速時のギクシャク感が高級車に相応しくないと嫌われており、特に渋滞の多い地域ではクラッチ起因のトラブルが発生します。
見劣り確実の直6スカイアクティブX
予想スペックは、先頭画像を参照ください。
https://motor-fan.jp/article/10010984
畑村博士の記事ですが、意味不明な内容です。
400ps/500Nmという先達に直6SKYACTIV-Xはどう立ち向かうのか? 商品力でまったく太刀打ちできないのではないか? と考えたのだ。
そこでまったく新しい視点から、「そうじゃない。マツダの狙いはそこじゃないんじゃ」と話してくれたのが、畑村耕一博士である。
ご存知のとおり、畑村博士は1993年発売されたユーノス800に搭載された、量産車世界初のミラーサイクルエンジン、KJ-ZEM型V6エンジンの開発者だ。畑村博士はこう述べた。
「直6SKYACTIV-Xの競合車は、メルセデス、BMWの直6ではない」
欧州直6とは競合しない。では、何がライバルとなるのでしょうか?
つまり、直6SKYACTIV-Xのライバルは、BMW、メルセデス・ベンツの2.0L直4ターボなのだと博士は言う。
マツダSKYACTIV-X 3.0L直6 270ps/336Nm
BMW B48 2.0L直4ターボ 258ps/400Nm(BMW330i)
メルセデス・ベンツ2.0L直4ターボ 258ps/370Nm(E300)
北米向けに直6を開発したにも関わらず、商品力では直4ターボレベルという圧倒的な低スペックエンジンに仕上がっています。ここまでの分析は、正しいです。
しかし、以下が誤っています。
「メルセデス、BMWは、もともと3.0L直6自然給気に代えて、2.0L直4ターボのダウンサイジングを導入したわけです。ダウンサイジングしたことで、NEDC燃費が良くなることと低速からのトルク増大で圧倒的によく走るというのが狙いでした。直6NAから直4ターボでコストは若干高くなっていたはずです」
コストの関係性
- ターボ < 2気筒(500cc x 2)
従来のBMWで言えば、320i、325i、330iは、直6NAエンジンを排気量毎に3種類を用意していたものが、現在では2.0L直4ターボの1種類に統一し、ターボ設定を変化させているだけです。よって、ダウンサイジング化により、かなりのコストダウンが進んでいることは言うまでもありません。
気筒数、排気量削減により、エンジン重量も軽く部品点数も減ります。
ターボの補器類アップは2.0L直4NAに比べればコストアップにはなるものの、3.0L直6NAとは比べるまでもありません。畑村博士なら、技術的なコストは明確にわかりそうなものですが。また、BMWも各グレードの各排気量でダウンサイジング化されましたが、当然価格はアップしていません。
エンジンの「ダウンサイジング化とは、ターボ追加によるコストアップよりも、排気量と気筒数ダウンにより、コストダウンされるが正しい」のです。
同じ直6同士で比較して、ターボ過給のメルセデス、BMWに勝てないと考えるのではなく、マツダの直6は2.0L直4ターボの対抗なのだ。博士が言う
「4気筒ダウンサイジングターボの市場に殴り込む6気筒」
逆の発想なのだ。そう考えれば合点が行く。
マツダとBMWでは、価格的にライバル関係ではありませんので、他の日本車同様、低価格6気筒でBMWにアピールする構図は昔と変わらないです。
しかし、欧米プレミアム車が普通に4気筒ターボと多段ATを積む時代であり、マツダのアクティブXは価格が高く、商品力としてアピールポイントは全くありません。殴り込みの土俵にも立てておらず、逆の発想でもありません。博士は、欧州車の技術的動向に疎く、マーケティング論を語るべき記事レベルに達していないようです。
マツダ経営戦略と高級化路線の行方まとめ
- スカイアクティブXが売れない
- マツダ3の価格設定が高い
- 陳腐なEV車MX-30のスペック
- スバルとは比べるまでもないマツダの経営状況
- ロータリー・レンジエクステンダーという最大の愚策
- CAFE規制とマツダ罰金
- マツダ全体で値引きしない強気戦略によるユーザー離れ
- どれも見た目が同じ金太郎飴の魂動デザイン(飽きによるユーザー離れ)
- 全てのエンジンで価格性能比で見劣りする(技術オタクも呆れるスペック)
- 内装・外観でプレミアムブランド気取り(従来ユーザー切捨て)
- HV、PHV、EVの出遅れ(Skyactiv傾注の愚策)
- 北米・中国市場での販売減(プレミアム戦略の失策)
- 多段ATの出遅れ(提灯評論家による見苦しい言い訳)
- レシプロエンジン延命に対する多大な過信(Skyactiv傾注の愚策)
- 日本で主力のCVTを採用せず、6ATで10年の愚策
- マツダの2%戦略(現時点1.5%にシェア激減の実態)
ここ数年、プレミアム化の推進されていますが、これは正しいのでしょうか?
一部の提灯評論家による誤った宣伝より、傷を拡大させるだけでなく、延命させている事も原因です。現状、バブル期のユーノス、オートザム、マツダコスモといったバブリーな無理・無駄・失敗をイメージする方も多い事でしょう。
また、マツダの2%戦略は、ニッチマーケットを狙った戦略として聞こえは良いのですが、実際の売れ行き不振を隠蔽し、自己防衛のためのセリフでもあるのです。
マツダ アマティ(amati)の黒歴史は、繰り返されるのか
ユーノス (Eunos) とは、1989年から1996年まで存在したマツダの自動車ブランドで、マツダの上級車種を展開するディーラーチャネルでした。そして、北米向けの高級ブランド(トヨタでいうレクサス)として、マツダは「アマティ」 (Amati)と呼ばれるプレミアムブランドの展開を計画していたのです。
欧州向けとしてはXEDOS(クセドス)というブランド名展開を考えていたようです。
アマティの頂点モデルとなるのが、アマティ1000です。アマティ計画としては、1992年10月に米国第2の販売網「アマティ」の設立中止を決定。マツダは「アマティ」という汚点をマツダ史から葬り去ること無く公開していますが、詳細は不明のままです。
アマティ1000のスペック
駆動形式:FR
エンジン型式:W12、3981cc、トルク34kgm、パワー不明
ボディサイズ:全長5140mm、全幅1870mm、全高1400mm
このW12エンジンは、4気筒 x 3列のW型にした特殊形状でした。
性能よりも、W12気筒の話題性、プレミアム感が優先されているようです。
参考までに初代レクサスLS400のスペックです。
エンジン:V型8気筒DOHC
最高出力:191kW[260PS]/5,400rpm
最大トルク:353Nm[36.0kgm]/4,600rpm
1989年にデビューしたLS400にも劣るものだったようです。
バブル期、マツダ店に加え、ユーノス店、アンフィニ店、オートザム店、オートラマ店という合計5つの販売チャネルでバブルの絶頂だったマツダは、バブル崩壊後もチャネル統一に時間がかかりました。三菱のプラウディアのような役員専用車でなく、北米で高級車チャネルとして成立すると考えた当時のアマティ・ブランドおよびアマティ1000は、全て廃案となりました。現在のラージ戦略は、当時のアマティ戦略をイメージさせます。マツダの企業内には、当時の亡霊復活を封印する力は残っていないのでしょうか。
マツダ提灯記事によるマイナス影響
ネット上でも集客力のあるサイトへ、ジャーナリスト高評価記事が掲載されてしまうため、マツダファン以外からは「提灯記事」と声が高まる結果となっています。ファンを獲得するどころか、自動車に詳しい方にとっては逆効果の恐れが高いです。
マツダ新生の象徴 2022年登場 旗艦次期マツダ6の可能性(鈴木直也)

まさに、マツダファンだけに向けた記事となっており、マツダ以外の自動車好きにとっては、理解不能でしょう。
スカイアクティブXの泣き所は「評価は高いがコストも高い」ところだが、価格5万ドル級の高級車セグメントならそのコストを十分に吸収して商品力アップにつなげることが可能。
もはや、お花畑の域に達しているようです。高級セグメントでも低スペック高コストな構図は変わらず、商品力アップには程遠く、誰も買いません。
さらに、ダウンサイズターボの普及でFFにV6を搭載するメリットがなくなった今
国産、外車ともV6は、まだまだ現役でコンパクトなメリットは十分あり、トヨタもHV化、直噴ターボ化を進めています。一方、最新ダウンサイジングエンジンは、モジュラー化(ピストン共通化)がコスト削減のベースとしてあり、直6はその一環に過ぎません。町田氏は、最新事情すら、よく理解していないようです。
さて、トヨタへのOEMがあるかないかは別として、
もう、お花畑の域を通り越して、マツダファン以外の読者は全て呆れていることでしょう。
少なくとも、直6が必要ならBMWから調達します。
・エンジン:直6、3L、SKYACTIV-X(300ps/35.0kgm以上)
・予想価格:400万~450万円(SKYACTIV-X)
2L、SKYACTIV-Xが、180psしか無いことをふまえれば、リッター100psは難しいでしょう。(スーパーチャージャー付なので、まあ数字は操作できますが)
すでにマツダ3ですら320万のプライスですから、320万の1.5倍で480万が最低スタートラインです。どう転んでも400万スタートは有り得ません。
今さら、スカイアクティブGの6気筒など全く無意味
スカイアクティブGは、NAエンジンであり、仮に3.0Lの6気筒モデルを登場させた場合、4気筒の2.5Tとパワーが逆転し、全く意味がありません。もはや、高いだけの低パワー6気筒が、4気筒ターボに駆逐されたダウンサイジングターボの歴史を振り返れば、このような愚策は有り得ません。
新しいラージFRプラットフォームが高級車市場で2%(20万台)のシェアを確保することができたら、2020年代のマツダには明るい未来が待っていると思います。
マツダ新型車不振の状況を見れば、全く説得力がありません。大手自動車誌として公開する内容ではありませんね。
次期レクサスISの姿は…次期モデルでマツダFRへの合流!?(牧野茂雄)
https://motor-fan.jp/article/10015233?page=3
トヨタがマツダFRプラットフォームを次期レクサスIS用に採用するという、有り得ない記事です。現行クラウンは2018年にGA-Lプラットフォーム採用しており、設計も新しく今後のFRシャーシとして活用されます。
ISのフルチェン時期は未定ですが、トヨタとしてレクサス用にマツダ製を使うなど実現しません。現在の技術的な交流は北米ヤリス中止(マツダ2)以前から縮小傾向であり、勿論、トヨタからの公式発表は無く、ガセネタと断言できます。
「マツダが高級路線行って失敗して売れてない」は本当か
https://ameblo.jp/italiaspeed/entry-12562224749.html
個人ブログの記事ですが、提灯記事を全て鵜呑みにしてしまうんですね。
- 円高でも、他メーカーがは、なぜ売り上げを大きく減らしていないようです。
- マツダ3、CX-30は売れていません。発売初年度で悲惨な販売台数です。
- 月を追うごとに台数が増えていくという好循環が株価に反映しない状況です。
マツダファンは、全て盲目となる典型的な記事であることがご理解いただけます。
マツダファンの価値観と一般の自動車ユーザーのギャップ
- NAエンジンは最高だ
- フルハイブリッドや小排気量ターボは不要だ
- CVTよりも6ATが優れているのだ
- 内燃機関のエンジン開発に主体を置く戦略は正しい
- プレミアム戦略も価値を高めており、成功を収めている
- 24Vマイルドハイブリッドもあり、技術的に劣っていない
- MX-30でEVでも出遅れていない
- ラージ戦略で今後も拡大していく。
- MAZDA3も乗れば良さがわかる。
- トヨタはマツダの技術を欲しがっている
- トヨタに直6エンジンを提供する側だ
- トヨタにロータリーレンジエクステンダーを提供する側だ
- いざとなれば、トヨタが助けてくれる
- 多額の開発費をかけたスカイアクティブXは大成功を収めた。
- 2021年以降、毎年、発生する欧州罰金はマツダには関係ない。
- MAZDA3のトーションビームサスはマルチリンクを超えた
- 利益の減少は為替(円高)が影響している、経営は健全だ
ネット上、熱心なマツダファン声を集約するとこのような感じになります。
実際のマツダ株価は、一方的な下落傾向
- 販売台数、前年比に比べて減少
- 営業利益率、前年比に比べて減少
- MAZDA3、CX-30という起死回生のニューモデルが不発
- 海外で売れず(コスト増)
- 国内外のプレミアム戦略に対して投資家が疑問視
- エンジン主体の戦略に対して投資家が疑問視
- ラージ戦略に対して投資家が疑問視
- スカイアクティブDのリコール多発。信頼性の低下、ユーザー離脱
- 店舗改装、ネーミングの数字化について、ユーザーの理解が得られず
- ニューモデル不発、値上げ、高価格戦略で、旧ユーザーの一斉離脱
- 経営計画にマイナス評価、全く理解されず、投資家もお手上げ
- 他メーカーに比べ広告宣伝費率だけが異常に大きいという、イメージ重視戦略
現行モデル、ニューモデルの販売台数減少という結果は、全ての経営戦略が誤っている結果です。よって、株価下落は当然の結果といえます。
マツダ株価、今後の見通し
長期的なスパンで株価チャートを見ても下降一直線です。
上がる気配すらありません。株価を本業の自動車視点を語るサイトは少ないのですが、過去数年分の経営施策は全滅と言えるでしょう。全ての経営施策はマイナスに作用している結果、売上高は若干増えているものの利益率が下がっています。当然、株価に対してマイナスに働きます。
プレミアム戦略を目指すマツダですが、ネット上は「マツダ賛美」の記事があふれています。これら身の丈に合わない戦略が、消費者にソッポを向かれていることに気づかない致命的な状況なのです。
まとめ
ラージプラットフォームは、従来のFFミドルクラス以上のシャーシを一新したものです。
よって「ラージそのものが無駄とする考えは誤り」です。EVやPHVを見据えた次世代シャーシです。
ラージ用エンジンは、縦置き直4エンジンが主力であり「直6エンンジが無駄とする考えも誤り」です。6気筒エンジンは、4気筒ベースにシリンダーとクランクの2気筒分延長した副産物に過ぎません。このエンジンが経営的なダメージを与えることはありません。
一番の無駄は、202x年の今どき、縦置き4気筒、6気筒にスカイアクティブG(NAエンジン)をラインナップしている点です。
202x年の今頃、NAエンジンを売り出す愚策、これがマツダ一番の敗因であり、2010年代にスカイアクティブGをメインに据えた時点で、電動化軽視やターボ軽視の暴走施策が確定したのです。
202x年の最新エンジンにNAのスカイアクティブG搭載という前代未聞の駄作登場の結果は予想出来ていたのです。