
レクサスの最小モデルSUVとなるLBXが追加されました。
LBXはダサイのか、失敗かを解説します。
レクサスLBXの概要
LBXの意味とは
LBXの車名は「Lexus Breakthrough X(cross)-over」を意味します。
トヨタのヤリスクロスがベースカーとなります。
ボディサイズの拡大に留まらず、レクサスクオリティに仕上げられたコンパクトSUVとなっています。
レクサス LBX 発売時期、予約時期
- 2023年11月9日、レクサスブランドの新型プレミアムコンパクトSUV「LBX」を発表。
- 同日、注文の受け付けを開始。
- 発売時期は、12月下旬。
ボディサイズ
ヤリスクロス:ボディサイズ
- 全長:4180-90mm
- 全幅:1765mm
- 全高:1580-90mm
- ホイールベース:2555-60mm
レクサスLBX:ボディサイズ
- 全長:4190mm
- 全幅:1825mm
- 全高:1560mm
- ホイールベース:2580mm
レクサスLBX:重量
- FF車両重量:1,310kg
- 4WD車両重量:1,390kg
パワートレイン
レクサスLBX:エンジンと駆動系
- 1.5リッター直列3気筒エンジン+モーター「M15A-FXE」
- バイポーラ型ニッケル水素バッテリー
- エンジンのバランサーはLBX用に追加
- モーター、トランスアクスルは第5世代を採用
- エンジン最高出力:67kW(91PS)/5,500
- エンジン最大トルク:120Nm(12.2kgm)/3,800~4,800
- モーター最高出力:F94PS/R6PS
- モーター最大トルク:F185Nm/R52Nm
- タイヤサイズ:F225/60R17、R225/55R18
アクアと同等システムをベースに最新技術の投入と静粛性向上策を実施。
ハイブリッドの燃費は、欧州車コンパクトSUVのライバルとなるだけの魅力があります。
プラットフォーム
- LBXは、コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)をベースとした改良型
- 「Lexus Driving Signature」のコンセプトを進化
- スポット溶接の強化による剛性アップがレクサスクオリティ
エクステリア
スピンドルボディのグリル
「スピンドルグリル」から「スピンドルボディ」に名を変え、ボディとフロントグリルが一体となったフロントグリルです。
すでにレクサスRXで市民権を得ており、販売台数推移からみても市場意見も初期段階の批判意見は息を潜めた感が強いです。

アローヘッドのLED
今までのレクサス車にない、新デザインのアローヘッドフロントLEDライトです。
左右連結のLEDテールも斬新であり、LBXと一目瞭然の存在感十分です。
現行RX/NXなどと同様、致命的なブサイクデザインは無く、高評価意見が多数派です。
LBXについて、エクステリアデザイン面でのダサイ部分は無く、完成度が高いと言えます。
18インチの大径タイヤ
ワイドボディに18インチサイズの大径ホイール・タイヤの採用は、コンパクトなボディサイズの割に、一回り大きなサイズ感であるようなデザインとなり、LBXの存在感アップに一役買っています。
インテリア
モニターサイズ
- 運転席:12.3インチ(標準的)
- センターモニター:9.8インチ(カローラ10.5インチより劣るサイズ)
内装がオーダーメード可能
- (COOL/RELAX/ELEGANT/ACTIVE/URBAN)に基づく新しいグレード体系
- 「ビスポーク・ビルド(Bespoke Build)」と呼ばれるオーダーメイドシステムを導入。
内装色、シート素材、刺繍パターンなどを選択し、約33万通りの組み合わせが可能
兄弟車のUX/NX/RXには無い充実設定。
デメリット、ダサイ、失敗な点とは
3気筒エンジンがチープ
このあたりは、ヤリスベースの3気筒エンジンです。
3気筒エンジンの音や振動は、バランサーや潤沢な遮音材を用いることで車内は、かなりの静かさが保たれます。車外は、エンジン音が安っぽい、ダサイとなるでしょう。
モニターが小さい
運転席のモニターは、カローラにも採用されている12.3インチサイズです。
最新クラウンも最新レクサスLSも同じサイズであり、ダサくはないでしょう。
問題は、センターモニターの9.8インチサイズです。
今やトヨタアクアでさえ、10.5インチが採用される現在、縦型モニターとは言え小さすぎるでしょう。車内が狭いとはいえ、9.8インチはレクサスらしくない、ダサイの筆頭です。
運転席メーター、ナビの表示がイマイチ
- 運転席メーター液晶情報のビジュアルの出来が悪い(日産やホンダが上)
- 到着時刻表示がない
- 各種ナビのビジュアルの出来が悪い(日産やホンダが上)
RX/NXの面目丸つぶれの点もポイント
NX/RXの運転席メーターサイズがLBXにも抜かれており、ここは兄貴分の面目丸つぶれです。
この点は評価すべきなのが、LBXのオーダーメード内装です。
カタログの内装バリエーションがチープ極まりないNX/RXオーナーが悲しむ点でしょう。
電動チルト、テレスコでなく手動
レクサスとして手動チルト、手動テレスコが、有り得ないチープ感です。
助手席がパワーシートでない
レクサスとして助手席の「手動」シート調整は、有り得ないチープ感です。
シートベンチレーションがない
ネット上、ベンチレーション無しで大騒ぎしている意見を見かけましたが、欧州の高級車においても、数年前までは、Eセグ以上の上級車装備となっていたものです。最近になり、ベンツCクラスに装備されたレベルです。(便利な装備であり、レクサスなら標準とすべき、という意見には賛同します)
LBXに無いからといって、特に騒ぐべき装備ではありません。むしろ、車格に関わらず、一般的な高級車として認知されている必須装備の方を優先すべきです。
特にLBXには、本来あるべき装備の欠落が多く見られます。
Fスポーツのグレードがない
Fsport相当のLBXグレード設定は存在しません。LBXは上級モデルとは異なりますので、比較する意味もないのかもしれません。
カーテシーランプがない
これは、パワーシートのように大がかりな装備でも無く、コストカットする意味不明です。
これこそ、レクサスというよりも高級車格で一番重要な必須装備が「カーテシーランプ」です。
カーテシーランプは、昭和の時代から、大衆車との差異を明確に示すものでしょう。
コンパクトカーに装備してこそ、LBXの格の違いがわかるものですが、残念です。
ボンネットのつっかえ棒
これは、クラウンと同様です。クラウンは当然NGです。あり得ません。
ただ、LBXは許せる気もします。
リヤの快適装備がチープ
- リヤの送風ダクトが無い:これはスペースの関係上、難しいのでしょうか。
- リヤのアームレストが無い:もはや、問題外のレベル感
- メルセデスのA/B/Cクラスにもない、リヤに2個のUSB-Cや1500wはあるのですが。
低グレードの装備がレクサスクオリティを満たせていない
装備面でヤリスクロスレべルはマズイです。チープ過ぎる装備内容は、最小SUVだとしてもレクサスの品位を損ないます。
シャーシやパワートレインなど走りの質感強化も重要ですが、一般ユーザーにとっては目に触れる部分ではなく、優先順位が低いのです。
ショールームでは、ユーザーが直に体感する高級車装備を当たり前のように、この小さなLBXが装備していることが一番重要です。それこそが、レクサスであり、LBXの存在価値なのですが、微妙に削られている点が残念な部分です。
LBX価格460万スタートは、妥当か
ヤリスクロスのハイブリッドX(FF)が229万ですから、ボディやパワートレイン強化、装備の充実度を考えても460万スタートは、やや割高過ぎる感があります。VWやプジョーなどの欧州車コンパクトと比べると高く感じる可能性もありです。
装備充実とブランド名の内訳を考えれば妥当か
以下のような内訳で整理にすると、納得感もありますが、どうでしょうか。
- ヤリスクロスハイブリッドX(FF):229万
- 装備、機能追加のコストアップ :130万
- レクサスのブランドネーム代 :100万
- 合計 :460万
CoolとRelaxに価格的な差異は無し。インテリアの色や質感の違い程度となります。
皆さんの懸念事項である、装備の不足分は、グレード感で解消しません。無いものは無いのです。
初の試みとなるオーダーメードとなるBespoke Buildによる満足度は高いと思われます。
ただ、上級モデルのUX/NXとの差が無くなるため、90万アップに価値を見出せるのかがポイントです。
LBXのボディサイズにメリットを感じなければ、UX/NXを選んだ方が満足度は限りなく高いです。
- メーカー希望小売価格(税込)
- LBX Cool(FF):4,600,000円
- LBX Cool(4WD):4,860,000円
- LBX Relax(FF):4,600,000円
- LBX Relax(4WD):4,860,000円
- LBX Bespoke Build(FF):5,500,000円
- LBX Bespoke Build(4WD):5,760,000円
レクサス車の盗難リスク
最新モデルさえ、CANインべーターというハッキング機器で解析済との話もあり、上級車レクサスと同様、下手な駐車場所では車両盗難のリスクが付きまといます。
レクサスLBXはダサいのか:まとめ
マイナス評価がダサイ
- 3気筒エンジンのフィールと音に耐えられるのか
- 高級車オーナーが一番気にする9.8インチセンターモニターが、今基準で小さい
- 後席の送風ダクトが無い、後席アームレストが無い
- 手動チルト、手動テレスコ
- 助手席手動調整シート
- ボンネットのつっかえ棒
- シートベンチレーション無し
- デジタルインナーミラーが無い
- カーテシーランプ無し
これが、460万(込500万超え)かと思うと、欧州車ライバルやレクサスUXが射程内に入ってくる。
コンパクトカーならノートオーラが上回る点も多いです。コスパでは全く割に合わない車です。
プラスの高評価
- NX/RXを超える12.3インチメーター(NX/RXが2023基準未達なだけ)
- NXの好調さがLBXにも波及するだけの魅力が多い
- パワフルな上位クラスのモーター採用で走りもしなやか
- オーダーメイドの内装がレクサスらしい。(ただし納期長期化の懸念あり)
- カタログ上、内装の選択肢を絞り過ぎている欧州車に食い込むチャンス
- ワイド化したものの「1825mmの車幅」サイズは、国内では扱いやすい
- 最新レクサスのデザインは新しく存在感もあり
- プリウス高齢者のミサイル世代が、SUV移行するだけのサイズ感と魅力のバランスが取れている
4190mmのコンパクト高級車SUVに魅力があるなら買い
マイナス部分があるものの、欧州コンパクトSUVにない魅力を備えたハイブリッド車のLBXは、ダサイ点をカバーするだけのメリット満載のコンパクトSUV高級車です。
ハリアーやRAV4、プリウスに並ばれても全く引け目を感じない、460万スタートのLBXです。
レクサスLBXは、総評としてダサくないを「まとめ」とします。
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