マツダのラージプラットフォーム第一弾のCX-60は「ダサイ、売れない、失敗なのか、がっかり」との声が聞かれます。ラージに潜む致命的な欠点から見た、ネット意見とその理由を解説します。
CX-60の概要
ラージ商品群第一弾となるCX-60です。
ボディ全体は、CX-30やBMW X4のようなスタイリング重視のクーペSUVでなく、居住性重視のセダンSUVに振っています。この点では、ボディサイズ感やデザインなど、かなり「BMW X3」を意識しているコンセプトです。
ボディサイズ
- CX-60 :全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm、ホイールベース:2870mm
- BMW X3:全長4725mm×全幅1895mm×全高1675mm、ホイールベース:2865mm
- CX-5 :全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mm、ホイールベース:2700mm
インテリアは合格点
インテリアの質感や装備内容は、ハリアー以上となっており、この点は価格設定との折り合いでもパフォーマンスは妥当な水準に達しています。この点、インテリアデザインが、今のマツダを支えていると言えます。
残念なスカイアクティブは、ラージでも継続
NAエンジンを未だに主力に据えたり、せっかくの8ATも台無しのトルコンレスATなど、スカイアクティブを10年以上前から推進する思想・設計・トレンドが、残念な今のマツダ車の実態です。
- ターボ軽視(スカイアクティブGを神に据えた、マツダ失われた10年の根本原因)
- ディーゼル重視(6気筒も台無し、生かせず)
- 高級車ATのトレンドすら知らない、マーケティング無視のトルコンレスAT採用
- マイルドハイブリッドをハイブリッドと呼んでしまう厚かましさ
- ストロングハイブリッドか?と思わせる、厚顔無恥で割高なマイルドHV価格設定
- PHVは、ライバル他社に比べて割高価格により、マツダのアドバンテージゼロ。
価格設定(2022/6時点)
2.5L直列4気筒ガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.5)
- 25S・Sパッケージ:2,992,000円[2WD]
- 25S・Lパッケージ:3,415,500円[2WD]
- 25S・エクスクルーシブモード:3,844,500円[2WD]
3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジン(SKYACTIV-D 3.3)
- XD:3,239,500円[2WD]
- XD・Sパッケージ:3,580,500円[2WD]
- XD・Lパッケージ:4,004,000円[2WD]
- XD・エクスクルーシブモード:4,433,000円[2WD]
3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジン+48Vマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D)
- エクスクルーシブモード・スポーツ:5,054,500円[4WD]
- エクスクルーシブモード・モダン:5,054,500円[4WD]
- エクスクルーシブ・プレミアムスポーツ:5,472,500円[4WD]
- エクスクルーシブ・プレミアムモダン:5,472,500円[4WD]
2.5L直列4気筒ガソリンエンジン+プラグインハイブリッド(e-SKYACTIV PHEV)
- Sパッケージ:5,390,000円[4WD]
- エクスクルーシブ・スポーツ:5,846,500円[4WD]
- エクスクルーシブ・モダン:5,846,500円[4WD]
- エクスクルーシブ・プレミアムスポーツ:6,264,500円[4WD]
- エクスクルーシブ・プレミアムモダン:6,264,500円[4WD]
上記は、2022/6の価格です。
2024/12のマイナーチェンジで30万の値上げとか
欠点だらけのCX-60に対して、欠点改良マイナーチェンジも遅すぎますし、価格アップなど論外でしょう。6気筒、8AT、ラージというコスト増加要因が満載の内容をマツダ車というだけで戦略的な価格設定としていたのですから、早くも崩壊ということです。
4気筒CX-5の価格からの乖離が大きければ、CX-60が売れない原因が拡大することはいうまでも有りません。
デザインがダサイのか
シグネチャーウィング
CM撮影中の映像や写真がリークし、ダサイという声がSNSで溢れました。
グリルやテールを含む全体的なデザイントレンドでのBMWのパクリ感を大きく感じるデザインですね。ここ最近の鼓動デザインを知っている方が見れば、初代CX-5やCX-3のデザイン意匠に原点回帰という、いつものマツダオーナー的な独自意見も見られます。
グリルがデカ過ぎ、ライト小さすぎ
グリルの両端に埋め込まれたLEDが新鮮ですね。両端のライトが小さく見える点で、横長のライト形状に見慣れた現行ユーザー側から見て、ダサイ、カッコ悪い、ブサイクという声が多いようです。
従来のマツダデザインのように横長のライトを止めて、グリルをワイド化し、LEDを埋め込むデザインが今後のデザイントレンドとなっていくのかもしれません。見た目に関しては、慣れの問題でしょうか。
FR化でショートオーバーハングのデザインがダサイ
FFベースのため、フロントノーズがロングノーズとなり、サメのようにシャープで突き出した鼓動デザインは、無駄が多かった半面、最終CX-5/CX-30では完成度が高かったと言えます。
「マフラーの取り回し(4-2-1)で場所を取っている説」はマツダファンにしか通用しません。
FR化でフロントオーバーハングが極端に短いCX-60では、フロントグリルが切り立った壁となり、FFデザインのように伸びやかさがありません。FFモデルの巨大なオーバーハング前提で完成された鼓動デザインです。
FRとなり、デザイン面での消化不良が感じられ、鼓動デザインのDNAは劣化してしまいました。
車幅の大型化、ロングホイールベースが台無しデザイン
CX-5は、横長のライト形状であり、ワイド感を強調するデザインとなっていました。
一方、CX-60では、グリルを大型化したため、ライトのワイド感が無くなり、縦長感を強調するデザインとなりました。CX-5に比べて、車幅のワイド化やFRのロングホイールベース化の伸びやかな感じが、かなり希薄になっています。
ボディサイドの凹凸がなく、ノッペリしたデザインは、1890mmの車幅を生かせず、ワイド感よりも背が高いだけのデザインを強調しています。
最近のマツダSUVは、CX-30を筆頭に居住性よりもデザイン重視の方向でした。しかし、BMW X3のようなセダンSUVにシフトしたことで、居住性重視のデザインを意識した結果、デザイン的に裏目に出たと思われます。
後席のリクライニングの角度が少ない
足元の余裕は、こぶし2個、リクライニング角度(4度)が少ない、との指摘もあるようです。
この点をデメリットとして掲げるサイトもありますが、平均点の範囲内とコメントしておきます。