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ホンダの新型WR-Vは、ダサイのか、失敗か

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査定君
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2023年、ホンダからコンパクトSUVのホンダWR-Vが登場しました。
ホンダの新型WR-Vダサいのか、失敗するのかを解説します。

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新型WR-Vの概要

FFのみ設定、エンジンのみ設定の割り切り

  • FF前輪駆動のみ
  • 1.5Lガソリンのみ(ハイブリッド設定なし)

日本市場向けとしては、騒ぎ立てるメディアも多い事でしょう。
でも、この割り切りは、今までのホンダらしくない好取組事例です。

タイのホンダR&Dアジアパシフィックで開発

むしろ、現地ニーズ最優先で、フィットやステップワゴンの失敗デザイナーの横やりが入らなかった結果、良い方向に向いたのではないでしょうか。この点は、評価したいと思います。

デザイン的な失敗感なし

ヴェゼルを超える押し出し感は、デザイン面では、こちらが上でしょう。Cピラーの造形、テールランプの造形も力強く、不自然な違和感もありません。
国内モデルを失敗に導いたデザイナーが参考にすべきデザインですね。

200万円台前半スタート

  • フィットのデザインに幻滅し、止む無くN-BOXという軽自動車に落としてしまった層
  • イマイチ気乗りしないが、ヴェゼルに流れた層
  • シャトル生産中止で、ホンダを降りようと思ってた層
  • 本来のホンダコンパクトカーが好きな層

200万円前半スタートの価格は、かなりインパクトが強く、ホンダ車で車種選定を迷っていたユーザー層を取り込むだけの破壊力があります。

お値段以上のコスパ、存在感

センターコンソールは軽以下などのネット意見もありますが誤りです。
ドアやコンソールのソフトパッド、助手席のパネルなど使い方は軽自動車とは明らかに異なります。
200万円台前半スタートを見れば、ハードプラだらけというよりも、お値段以上の質感ではないでしょうか。
特にスクエアなスタリングは、ヴェゼルやZR-V以上の上位モデルを食ってしまう存在感を感じます。

海外生産のリスクとか

メカニズム的に新設計の目新しい機能があるわけでもなく、現地向け生産が先行しており、初期トラブルなどのリスクを心配する必要もないでしょう。

ホンダ・インド:2023/6/6公開

ホンダインドのホンダ・カーズ・インディアは、新型ミッドサイズSUV『エレベイト』(Honda Elevate)を初公開

https://cdn.hondacarindia.co.in/brochures/pdfs/honda-elevate-brochure.pdf

ホンダ・日本:2023/11/16公開

日本名「WR-V」というネーミングへ変更。
スバルWRXの側からクレームが無かったのか、心配になりました。

公式サイト:日本

ボディサイズは、ヴェゼルと丸被り

価格、質的にヴェゼルが上級の位置付けになります。
しかし、サイズ感や使い勝手、広さ、居住性はWR-Vに軍配が上がります。
なぜ、このようにユーザーや販売店側が困る車を売るのか全く持って意味不明ですね。

ボディサイズ WR-V ヴェゼル
全長 4325 4330
全幅 1790 1700
全高 1650 1580
ホイールベース 2610 2650

車中泊できないとか

  • ヴェゼル:センタータンクレイアウトで、リヤシートを折りたたんだ時にフルフラットになる
  • WR-V:リヤシートを折りたたんだ時、段差がある

そもそも、車中泊の用途に重きを置く方は、非常に少ないのではないでしょうか?
車中泊用マットなど、いくらでもアフターパーツがあります。段差の発生が致命的ではありません。このようなどうでも良い点で、メディア記事が一本上がるのも凄いですね。
むしろ、サイズ感で同じなら、日常利用する装備面での違いで悩む方の方が多いでしょう。

インドネシア向け「WR-V」とは別もの

海外モデルとして、インドネシア向けSUV「WR-V(同一名称)」もあるのですが、ボディサイズは全長4060mm×全幅1780mm×全高1608mmの方が、ヴェゼルと被らず売りやすいでしょう。
スタイリングもフィットクロスターよりも圧倒的にも良く、生産中止シャトルの代替とされたフィットクロスターを速攻で廃止し、このインドネシア「WR-V」を導入すべきなのです。

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デザインにオラオラ感がある

フィットやヴェゼルと異なり、大型のオラオラグリルの存在感は、価格やサイズ感を凌駕した感があります。まさに、ボディサイズを凌駕したこの点が、WR-V最大の魅力ともいえるでしょう。
好みが分かれる度合でいけば、フィットやヴェゼルとは比べ物にならない、万人受けデザインでしょう。

フィットの犬顔マスク

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WR-Vのダサイ点

FFオンリー、内燃エンジンオンリーである点は、かなり割り切った内容です。これをダサイには含めませんが、やや装備が劣る点は存在します。

  • サイドブレーキが手動(電動ブレーキホールド無し、ACCの停止不可)
  • クルーズコントロールの速度が、25km/h以下は、自動解除される
    (電動ブレーキホールドがないから、当たり前ですが)
  • リヤハッチが手動(価格的には妥当か)
  • シートヒーター未装備
  • パワーシート未装備

その他、コンパクトモデルでも上級装備が選べるようになった昨今ではありますが、上記は最高グレードでも選べない可能性が高いです。

ダサくない点

  • 後席用のエアコン吹き出し口
  • 後席用のUSB(未確認)
  • 458Lの荷室

新型WR-Vはダサイのか:まとめ

また、バブル期以降のホンダ車は、北米市場向けのアメリカンテイストなデザインの車が多くなり、日本ユーザーが受け付けないケースが増えました。
まあ世界向けがメインであり、世界で売れているなら、売れないのも納得感もあるでしょう。

問題なのは、日本向けの主力車種でありながら、迷走デザインモデルが多いことです。少しだけライトやグリルに修正を加えるだけで、屋台骨が低迷することも無かったでしょう。
それは、日本市場の嗜好すら理解しない独善的プレゼンにゴーサインを出してしまう、修正力、補正力の無さが近年の状況です。

デザイン面ではヴェゼルよりも欠点が少ない

昨今、海外発表モデルのBR-Vやシティやエレベイトは、カッコ良いと映るモデルの一つでした。
WR-Vにダサイ点はありますが、コンパクトSUVとしての広さや使い勝手を備え、デザイン的な欠点はヴェゼルよりも圧倒的に少なく、昨今のホンダとしては珍しく「WR-Vはダサくない」との結論になります。

海外企画が良い方向にシフト

フィット、ステップワゴン、ヴェゼルなど、日本向け仕様として「グリルレス」「非オラオラ」「シンプル」「白物家電」といった迷走が、ホンダにどれだけの不利益ももたらしたのでしょうか。プレゼン資料に踊る文字は、全て間違いだったとする、総括が必要でしょう。

特にサイズ感でヴェゼルと丸被りのWR-Vを国内投入する背景

WR-Vには、ハイブリッドも4WDも無く、ヴェゼルのシェアを食ってしまう可能性は少ないでしょう。その点では、販売的なスタートダッシュを記録する可能性もあります。
仮に売れたとすれば、WR-Vの魅力は価格でもハイブリッドでもなく、ヴェゼルに勝る魅力はデザインなのです。

250万を切る価格設定、割り切った装備が高評価に繋がる

ハイブリッド車、4WDが必須でない層にとって、WR-V価格設定のインパクトは強烈な魅力となります。オートブレーキホールドが無い点は、アクティブクルーズコントロールの完全停止も可能となるだけに、今後のモデル改良に期待したいところです。
しかし、割り切った装備内容と安価な価格設定は表裏一体です。装備が劣る点を指摘している評論家記事もありますが、意味無いでしょう。

むしろ、レクサスLBXのように高価格なのにチープ装備の車を指摘するべきです。

ライズ販売中止で、ワンチャンあるかも

サイズ感では、ライバル関係にないものの、価格帯としては十分ライバルになりますが、どうでしょうか。

問題の本質

円安、物価高、国内の購買力低下により、300万以下車両の重要性は増しています。本来売れるべきフィット、ヴェゼルデザインの失敗による旧ユーザー離脱など、やはり、ホンダの迷走原因がデザインに行きつくというシナリオは不変です。インド市場最上級車のWR-Vを国内投入する必要があるほど、切迫した4輪販売事情なのかもしれません。

 

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