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9代目クラウン失敗の黒歴史とマイナーチェンジでの回復

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クラウンの失敗といえば、クジラクラウンが代名詞ですが、9代目も失敗事例として欠かせません。失敗に至る背景とマイナーチェンジによる回復内容を解説します。

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9代目クラウンとは

9代目型式:140型

当時の流行で、丸みを帯びた未来志向のデザインへ一新。
バブル期の130型があまりにも大ヒットしたため、140型の失敗っぷりが大きく目立った黒歴史モデルが9代目となります。

  • 1991年10月に発売した9代目。
  • 「クラウン」のメイン車種となった4ドアハードトップのみフルモデルチェンジ。
  • 「ロイヤル シリーズ」と上級モデルの「マジェスタ」の2モデル体制
  • 「マジェスタ」が新開発のモノコックボディ
  • 「クラウン」では伝統的なペリメーターフレーム
  • エンジン直列6気筒DOHC24バルブ排気量:2.5リッターと3リッターの2タイプ
  • フロントサス:ダブルウィッシュボーン
  • リヤサス:セミトレーリングアーム
  • 電子デバイス:ABSやTRC

9代目クラウンのスペック

スペック・グレード 3000
ロイヤルサルーン
2500
ロイヤルサルーン
2500
スーパーサルーンエクストラ
車両型式 E-JZS143-ATPQF E-JZS141-ATPQF E-JZS141-ATPJF
重量(kg) 1630 1600 1570
全長(mm) 4800 4800 4800
全幅(mm) 1750 1750 1750
全高(mm) 1440 1440 1440
ホイールベース(mm) 2730 2730 2730
エンジン型式 2UZ-GE 1JZ-GE 1JZ-GE
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC 水冷直列6気筒
DOHC
水冷直列6気筒DOHC
排気量 2997 2491 2491
最高出力
PS/rpm
230/6000 180/6000 180/6000

クラウン史に残る2つのトラウマ

クジラクラウンについて、ここでは触れず、9代目について解説します。

引用元:https://response.jp/article/2018/07/31/312573.html

丸みデザインが車格差に影響を与えたのか?

そして20年後の9代目(1991~95年)。ここで「マジェスタ」が新登場したが、第2のトラウマとなったのはロイヤルのほうだ。マジェスタよりCピラーを寝かせたシルエットはスポーティな反面、オーナーが座る後席がルーミーに見えない。全体に丸みを帯びたフォルムだから、ボディが小さく感じる。
3ナンバー・サイズになったとはいえ、『マークII』がすでに5ナンバー枠一杯にまで成長していた時期だ。弟分との車格差は充分とは言えない。

車高が高くボディに厚みがある時点で、マーク2の3兄弟とは風格が異なります。
グリルの厚みなど重厚感は、クラウンそのものです。丸みを帯びているとはいえ、絞り込んでいないので、マーク2よりも小さく見えることなどありません。9代目マイナー後でも、同様です。

失敗事例において、丸みが車格差までに影響与えているとの分析は誤りです。上記のコメントは微妙ですね。

ライセンスプレートの位置が敗因なのか

さらに、歴代クラウンの慣例に反してリヤのライセンスプレートをバンパーに吊り下げたことも、販売苦戦の一因とされた。

従来ユーザーが違和感を示した理由に掲げるほど、ブサイクなテールデザインであったことは確かです。
ただし、ライセンスプレート位置そのものが、苦戦理由ではないでしょう。
その理由を事項で解説します。

9代目失敗テールデザインの理由とは

ナンバー位置がデザインの失敗理由ではない

バブル期に馬鹿売れしたマーク2の3兄弟である、X8x系チェイサー、クレスタのナンバーはバンパー下部。(失敗クラウン9代目よりも前に登場)
バブル崩壊後、3ナンバー化したマーク2(X90型)。
バンパー上端の高さがポイント。後期モデルも前期デザインをほぼ踏襲。
よって、クラウン9代目リヤの失敗理由は、ナンバー位置ではありません。
ただし、旧ユーザーが違和感を覚えたのは事実で、そのデザイン失敗の理由として、ブサイクの原因をナンバーの位置が原因であるという理由に「すり替えた」ということです。

ハイデッキなトランクとバンパーの関係

  • 9代目クラウンのあたりから、デザイントレンドに大きな変化がありました。
  • 丸めデザイン化
  • リヤトランクのハイデッキ化
  • 車体全体の車高アップ化
  • 大きく変化したのは、デザイン全体の「ハイデッキ化」です。3ナンバー化により、低い車高から高い車高へ、「厚みのあるデザイン」への変化がありました。
    デザイナー記事にこの重要な「キーワード」
    が出てきませんね。

3ナンバー化でデザインに大きな変化の波が

テールランプとバンパーのデザインバランスが重要

3ナンバー化の波により、今までのデザインバランスに大きな変化が生じました。

  • 衝突安全対策による車高のアップ
  • トランクのハイデッキ化

この難しいデザイン変更の過渡期において、マーク2(X90型)は、分厚いリアバンパーと細い連結テールというデザインバランスを両立させた成功モデルの事例です。
他メーカーもこの関係が破綻している失敗モデルが多いのですが、クラウン9代目は、このバランスに失敗したのです。

失敗のポイント

  • トランクが分厚すぎる
  • 尻下がりに見えるテール両端の丸み
  • テールランプ下端の位置が低く過ぎる

前期失敗から後期モデル回復

全車3ナンバー化でデザインの自由度を高めたものの、各ディテールの消化不良が目立ったモデルです。先代と異なり、リアナンバープレートをバンパー中央に移動したことが失敗原因とされましたが、失敗原因はリアデザイン全体が醸し出す尻下がりが原因です。
10代目以降のモデルでは、リアコンビランプの間という「クラウンデザインのルールが確立」してしまいました。

クラウンクロスオーバーでは、リアコンビランプ連結、バンパー下部にナンバーというデザインに復帰しました。時代は変わり、テールランプの位置やバンパーの下部のブラックアウトな処理など、ハイデッキに欠かせないデザインの王道が確立しています。

9代目クラウンでは、デザイン的な未成熟さが目立ち、ナンバー位置を戻したり、リヤボディパネルを変えてまで大胆なマイナーチェンジを実施し、なんとか販売が回復したようです。
この大失敗をふまえて、10代目クラウンは、古典的クラウン王道デザインに回帰しています。

9代目クラウン失敗まとめ

9代目クラウンは、爆発的に売れた8代目の後継モデルであったために「ださい」点で注目度が高まり、黒歴史に名を残してしまったと言えます。
写真は1988年登場のレジェンドです。ハイデッキなトランク、連結テール、バンパー内ナンバーなど、デザイン的な破綻は、マーク2(X90型)同様に見られません。

ダサイ・ブサイクと感じないデザイナーのセンスが疑問

ポイントは、デザイン的なセンス、デザイナーの力量次第なのです。そして、不出来なデザインを市販化させない責任者の判断力に掛かっています。
9代目クラウンの前期:失敗、後期:回復という「まとめ」になります。

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