
新型プリウス(60型2022)が車高を大きく下げ、乗り降りや居住性で、高齢者やファミリー世代にとって、非常に厳しい車となってしました。
新プリウスへの乗り換えを諦めた旧プリウスユーザーに対して、お勧めの車を紹介します。
先代プリウスが築いた安心のイメージ
歴代プリウスが作り上げた、ハイブリッド車の輝かしい歴史は、車に詳しくない一般ユーザー、高齢者層を引き付ける魅力がありました。
このプリウスオリジナルの魅力こそが、上級車や輸入車、大型セダンに飽きた高齢者、富裕者層を受け入れる懐の深さと絶対的な安心感のイメージを作り上げたのです。
- ハイブリッドのイメージリーダーモデル
- 初代プリウスからの使いやすい居住性
- 圧倒的な燃費の良さ
- 環境に良い、エコカーとしても先進的なイメージ
- 手頃な価格
- デザインの先進性
- トヨタ車の安心感
- 取り回しのしやすいボディサイズ
多くのユーザー引き付けたプリウス(30プリウス)
トヨタの序列を打破
「いつかはクラウン」で育った高齢世代にとって、唯一、トヨタ車における序列、従来の「ヒエラルキー」を打破するイメージを持つ車だったのです。
この先進的かつクリーンなプリウスイメージにより、クラウンやマークX世代、育児を終えた通勤マイカー世代のメインカー、乗換対象車として圧倒的な支持を獲得します。
車を知り尽くした富裕層
団塊世代、高齢世代にとって、バブルを謳歌し、カローラ、コロナ、マーク2、クラウンの「いつかはクラウン」の王道を歩みます。
その後、レクサスLS400(セルシオ)の登場により、この序列をトヨタ自ら崩壊させてしまいます。
ここで、エスティマやオデッセイ、エルグランド層と欧州車セダンに流れる層に分かれ、自動車ライフはより華やかになるのです。
セルシオで圧倒的だったトヨタクオリティも欧州車が、10年程度で追い越してしまい、近年のクラウンやLSの栄光は見る影もなくなってしまいました。
高級車、輸入車を経験した高齢な富裕層にとって、クラウンという序列を飛び超えた新たな価値観に適合したのがプリウスなのです。
高齢者や富裕層にも支持される
トヨタ車の中で、プリウスの持つ特別なイメージは、高齢者や富裕層など、国産や輸入高級車世代を一定乗り継いだ層にも受け入れらて行きます。
この流れは「プリウスミサイル」「上級国民」で形容されるイメージを連想すれば、それが絶大的に支持されるブランドイメージとして確立していたのです。
結果、3世代目の30型プリウスは圧倒的な支持と販売台数を記録していきます。
安心感がそのまま乗り換えに繋がった(50プリウス)
JC08燃費性能は、さらに向上し、ハイブリッドモデルとしての存在感を高めました。
しかし、小さいアクアの登場もあり、ユーザーにとって燃費の優先順位は下がっていました。
燃費ではNo1をアクアに譲る
- TNGAによる運動性能の向上、低重心化:着座位置の低下
- リヤデザインの空力重視による後席居住性の悪化
歌舞伎顔でも販売台数No1を記録
非常に特徴的なフロントフェイスやリヤラインデザインで、カッコ悪いと「さんざん叩かれた4代目プリウス」です。
しかし、蓋を開けてみれば、発売初年度、次年度において、年間販売台数トップを記録しました。
指名買いの信頼感を獲得
高齢層や富裕層に支持された結果、斬新すぎるデザインにも関わらず、50プリウス指名買いとも言うべき、乗り換え現象に繋がります。
歌舞伎顔の個性的なデザインで、保守層が離脱するかと思いましたが、高齢者層にも絶大な支持を受け、乗り換え層を増やした結果が数字に表れています。
後期型で無難なデザインへ軌道修正
流石に市場で低評価のデザインが社長にも伝わったのでしょう。後期モデルの外観について大幅リニューアルに繋がります。
歌舞伎顔、ヤッコ凧テールと形容された先代プリウスも後期型では無難なデザインに変更されます。
ヤリスやアクア、カローラHVの登場により、やや立ち位置が悪化しましたが、絶大なブランドイメージは不変だったのです。
むしろ、このマイナーチェンジにより、プリウス人気復活だったのです。
しかし、トヨタ社内で歌舞伎顔の失敗デザインをプリウス全体の失敗と位置付け、新しいものが正義である理論が突っ走った結果、誰も望まない新プリウス60型が生まれます。
新旧プリウス比較(60と50)
先代オーナーに向けて、先代4代目(50)と最新5代目(60/2023)の違いを解説します。
ボディサイズ比較
これは、低重心化、低車高化によって、さまざまな影響が出ています。5センチダウンとなれば、もはや別物の車とも思えるでしょう。
Aピラーの傾斜角度により、先代とは比べ物にならない乗降性となります。
プリウス・サイズ | 4代目後期 | 5代目 | 増減 |
---|---|---|---|
全長 | 4,575mm | 4,600mm | +25mm |
全幅 | 1,760mm | 1,780mm | +20mm |
全高 | 1,470mm(2WD) | 1,420mm(2WD) | -50mm |
ホイールベース | 2,700mm | 2,750mm | +50mm |
装備比較
2020年度基準ともいえる高級車装備を備えてきており、高齢者&富裕層も納得の出来となっています。
装備項目 | 4代目プリウス | 5代目プリウス |
---|---|---|
衝突回避支援型 プリクラッシュ セーフティ |
◯ 昼間歩行者 |
◯ 昼・夜間歩行者 自転車・自動二輪車 |
プロアクティブ ドライビングアシスト |
ー | ◯ |
レーンディパーチャー アラート (ステアリング 制御機能付) |
◯ ステアリング制御 白線/黄線 検出 ふらつき警報 |
◯ ステアリング制御 白線/黄線 検出 道路端 検出 ふらつき警報 |
アダプティブ ハイビームシステム |
◯ | ◯ |
レーダークルーズ コントロール (全車速追従機能付) |
◯ | ◯ |
レーント レーシングアシスト |
ー | ◯ |
ロードサインアシスト 交通標識読取 |
ー | ◯ |
先行車発進告知 | ー | ◯ |
ブラインドスポット モニター |
◯ | ◯ |
インテリジェント クリアランスソナー |
◯ | ◯ |
リヤクロストラフィック オートブレーキ |
◯ | ◯ |
Advanced Park リモート機能付き |
ー | ◯ |
安心降車アシスト(SEA) | ー | ◯ |
ドライバー異常時 対応システム |
ー | ◯ |
ヒルスタート アシストコントロール |
◯ | ◯ |
パノラミックビュー モニター |
ー | ◯ |
快適温熱シート+ シートベンチレーション |
◯ | ◯ |
ステアリングヒーター | ー | ◯ |
デジタルインナーミラー (前後方録画機能付) |
ー | ◯ |
ITS Connect | ◯ | ◯ |
電動パーキングブレーキ オートホールド |
ー | ◯ |
パワーシート | ◯ | ◯ |
ハンズフリー パワーバックドア |
ー | ◯ |
ヘッドアップ ディスプレイ |
◯ | ー |
デジタルキー | ー | ◯ |
ナビレス | ◯ | ー |
トヨタ ディスプレイ オーディオ |
ー | ◯ |
車載通信機(DCM) | ー | ◯ |
最新プリウスで従来のユーザーを切り捨て
- 乗り降りがしずらい
- 前席シートの着座位置が低い
- 後席シートの着座位置が低い
- 162センチの女性でもメーターが見難い指摘
- メーターで前方視界が見難い指摘
- Aピラーが横に傾き、前方横の視界が見難い指摘
- 後方視界が見難い指摘
すでに50型4代目プリウスをお乗りの方でも不満があった点が、改善するどころか低いシートによって悪化しているとの指摘があります。
プリウスの絶対的ブランドを自ら崩壊させる
国産や輸入車高級車を乗り継いた高齢者・富裕層が辿り着いた旧型プリウスです。
燃費良し、使い勝手良し、イメージ良しと三拍子揃っていた車です。
歌舞伎顔すら許容するブランドパワー
先代モデルも高齢者をターゲットとしたデザインではなく、非常に冒険的なデザインでした。
30プリウスが作り上げた絶対的なブランドイメージは高齢富裕層に「間違いない」という安心感すら作り上げてしまったのです。
高齢者にとって、あの過激なデザインですら取り込んでしまうプリウスの「超強力なブランドパワー」だったと言えます。
プリウスミサイルのよるイメージ悪化
東池袋自動車暴走死傷事故では、暴走事故の原因は被告がブレーキと間違えてアクセルを踏み続けて進行した過失とされてます。
それ以外でも過激なプリウスの暴走事故動画がネット上に拡散し「プリウス・ミサイル」という言葉が形成されてしまいました。
- これは、年齢比率的に高齢者層が多く、事故率が高い
- シフトパターンや仕組みに問題がある
など、説は様々です。
高齢者は避けるべき筆頭の車
カッコ優先、走り優先のイメージは、もはや高齢者ユーザーを意識した車では無くなってしまいました。
そこでメーカー側が用意した車は大衆車カローラという販売戦略となっているようです。これは明らかにユーザーの志向を考えていない戦略でしょう。
大衆車カローラが推奨車とは有り得ません
プリウスは、カローラに対して、格上のイメージ(価格、サイズ)が認知されています。
これは、高齢者世代とって絶対不変の価値観ともいうべきものです。これはトヨタ自身が作り上げたブランドイメージであって、ユーザーや販売現場が安易に対応できるものではありません。
これが上級車からプリウスという特別なハイブリッド車が作り上げた神話的イメージでもあったのです。
いつかはクラウンの序列神話が染み付いた世代にとって受け入れがたい屈辱でしょう。
さらに、コロナが廃止、カムリも廃止され、残るはクラウンクロスオーバーが唯一のセダンです。
トヨタ内でお勧めの車は無くなった
- カローラクロス(HV);サイズ感は良いが、カローラのネーミングが台無し
- アクア、ヤリス、ライズ:ここまで落したくない
国内向けのラインナップを縮小させた結果、高齢者にとっての選択肢が無くなってしまいました。
結果、以下の車種に移行しているケースが多いと予想します。
- ハリアー(HV):年齢層が若者向けか
- レクサスNX:サイズ感、プレミアム度での受け皿、価格のみがネック
- カムリは生産中止で、セダンはクラウンクロスオーバーしかない
富裕層にとっては、レクサスNXがお勧めとなります。
プリウスαの乗り換えなら
ここでも、新型プリウスを推奨するサイトもありますが、使い勝手がナンセンスです。
カローラ、カローラクロスやシエンタは、格下車となり論外でしょう。
トヨタ車なら、ノア・ボクシー、SUVのハリアーがプリウスαの格上的な位置づけとなり、お勧めです、
プリウスからの乗り換え、お勧めの車はコレだ
お勧め度No1:日産ノートオーラ
最新プリウスからの乗り換え車としておすすめの筆頭が「日産ノートオーラ」です。お勧め度No1
ノートをベースにワンランクアップした上級装備となっています。
従来のプリウスユーザー層にとって、比較検討車に入らない車でしたが、小型高級車という希少なジャンル、車種はプリウス乗り換えの高齢者にとってお勧めのポイントです。
- 全高の違いから、前席、後席の居住性は比べ物にならない広さ
- モーター走行メイン、E-powerの静粛性、パワーフィールは、従来のハイブリッドユーザーにも適合
- 先代プリウスよりもコンパクトなサイズ、取り回しも向上
- 日産ノートをベースとした高級仕様がオーラ、新プリウスよりも安く、フルオプションでもお釣りがくる。
- 日産の自動運転、安全装備(プロパイロット)など満足度も高い
お勧め度No2:レクサスUX、レクサスLBX
頭上が狭くて使い勝手の悪いプリウスや格下カローラへの乗り換えは推奨しません。
同じトヨタ製で安心感も問題なし。レクサスディーラーの「おもてなし」は、高齢者富裕層にも相応しい。格と装備は段違いです。
- ガソリンハイブリッドの上級グレード比較
- プリウス:全長4600mm、価格370万~
- レクサスUX:全長4495mm、価格519万~
- レクサスLBX:全長4190mm、価格460万~
お勧め度No3:VWゴルフeTSI Active
コンパクトサイズの輸入車として、燃費と価格のパフォーマンスならゴルフでしょう。
価格に糸目を付けなければ、レクサス、メルセデス、BMWのコンパクト系を検討すれば、さらにも満足度が高いでしょう。プリウスが購入できる予算があれば、十分検討対象になるでしょう。
- 車高が高く、使い勝手、居住性は文句なし
- ダウンサイジングターボとマイルドハイブリッドで、燃費16km以上はマークできます。
- ステータス性は、国産車の比ではない
- 7速DSGのシフトショックは許容範囲か、トルコンレスのATは確認が必要
お勧め度No4:ホンダシビックe:HEV
最新プリウスからの乗り換え車として、ハイブリッドセダンのライバルとして比較される筆頭が「ホンダシビックe:HEV」です。
2022カーオブザイヤーでも2位のポイントを獲得しており、全体的な完成度も非常に高いです。
従来からのトヨタ車ユーザー層にとって、比較検討車種にならないケースが大半と思われますが、ディーラーで覗いてみる価値はあります。
高齢層とっては、大衆車シビックのブランドイメージは絶対的であり、車そのものの出来の良さを感じられるかがポイントです。
- 全高は15mm低いが、前席、後席の居住性はプリウスより広い
- 最新のハイブリッドシステムにより、プリウス同等以上のパワーフィールを実現しています。パワーフィールは、従来のハイブリッドユーザーにも適合
- サイズ感、取り回しは同等