
「見た目が好みじゃない」「前面の顔つきが派手すぎる」など、SNSやレビューで“ダサい”評が出ることの多いヴォクシー。本記事ではデザイン評、実用性能、欠点とその対処法、ライバル車との比較を踏まえ、あなたにとって買うべき車かを分かりやすく解説します。
要点サマリー(結論)
2022年に登場した90型ボクシーです。
結論から言うと、「デザインが気にならない/機能性を重視する」なら買う価値が高い。一方で「外観の好み」を最優先する人、特に街乗りで見た目を気にする層には評価が分かれるモデルです。デザインの好みによる主観評価が大きく、購入前には実車確認を強く推奨します。
後述する兄弟車の「ノア」とデザインの違い、好みで選べるのもライバル車に対する強みであり、「ダサい」とならないメリットでもあります。
オラオラなデザインを好む方が相対的に多い
堂々たるフロントマスク(厳つい顔つき)は、好みが分かれる反面、実車では違和感がなく受け入れる方も多いようです。このオラオラなデザインは、ライバル車と並べた時の存在感、優越感にも繋がります。これが結果的に所有欲を満たすことになります。
アルファード、ベルファイアの弟分として販売台数が好調な結果にも表れていると言えます。
デザイン評価:何が“ダサい”と言われるのか?
ヴォクシーの最近のフェイスは、非常に大きなグリルと分割されたヘッドライト、直線基調のパネルを組み合わせた“強い個性”を持ちます。これが好印象に映る層(力強さ・存在感を好む)と、「見慣れない」「押し出しが強すぎる」と感じる層に二極化しています。レビュー記事でも「賛否が分かれる」「好みがはっきり別れる」といった指摘が散見されます。
デザインを評価する観点
- 顔の印象(フロントマスクの好み)
- 色やグレードで変わる印象(メッキや黒の組合せで印象が硬くなる)
- サイド/リアのプロポーション(実用車らしい直線的なシルエット)
実務的には、グレードやオプション(エアロ、バンパー、カラー)で印象が大きく変わるため、気になる場合は複数カラー/グレードを実車で比較しましょう。
実用性(ファミリー向けの使い勝手)
ヴォクシーはミニバン本来の機能性を重視した設計で、室内空間、スライドドアの使いやすさ、荷室の取り回しは高評価です。チャイルドシート設置や買い物の積載、複数人の同乗に向いた仕様になっています。多人数移動やアクティブな家族に適した“使える”車です。
| 項目 | 評価 (実用性) |
コメント |
|---|---|---|
| 居住性 | 高 | 頭上・膝前スペースに余裕。シートアレンジが豊富。 |
| 乗降性 | 高 | 低床設計と広いスライドドアが小さな子どもやお年寄りに◎ |
| 荷室 | 良 | シートを倒したときのフラット性が高く、買い物やアウトドアに便利。 |
| 視認性 | 普通 | 前方は大型グリルの影響で視覚的好みが分かれるが視界自体は良好。 |
燃費・維持費・経済性
ハイブリッド設定があり街乗り燃費やランニングコストは良好です。車体サイズがミニバンの中では標準的で、保険料・税金は同クラスと同等。維持費重視ならハイブリッドグレードは魅力的です。
欠点(購入前に知るべき“後悔ポイント”)
複数レビューで挙げられている代表的な欠点を整理します。
- 外観の好き嫌いがはっきり分かれる ? SNSやレビューで“不評”が目立つ場合あり。周囲の目が気になる人は注意。
- グレードによる価格差とオプション選択の重要性 ? 安く見せる/高級感を出す選択で満足度が変わる。
- 一部装備の使い勝手が分かりにくい ? 電子系オプションの設定や表示に慣れが必要。
- 好みの分かれるフロントデザイン(特に黒いグリル) ? 夜間や狭い道での印象が強く残る、といった意見。
- 個性的な見た目がリセールに影響する可能性 ? 好みが分かれる外観は中古市場での需要に差が出る恐れ。
ただし、これらは“好み”や“使い方”が大きく影響するため、自分の重視点と照らし合わせることが大切です。
後悔しないためのチェックリスト(試乗前)
外観チェック
- 複数カラーを比較する(特にホワイト/ブラック/シルバーで印象が変わる)
- 前後・横から見て“日常でどう見えるか”想像する
実用性チェック
- チャイルドシートの着脱、乗降を実際に行う
- 荷物を積み込んでみる(ベビーカーやゴルフバッグ等)
装備・快適性チェック
- エアコン/シートヒーター/ナビの操作性を確認
- アイポイント(見切り)を実際に確認する
ライバル車との比較(短評)
同クラスのミニバン(ノア/セレナ/ステップワゴン等)と比較すると、ヴォクシーは「押し出しの強い顔つき」と「実用性のバランス」が特徴。
デザインを重視するならセレナやステップワゴンの流麗なラインが向くかもしれません。逆に“機能性+個性的な存在感”を欲しいならヴォクシーが候補になります。
購入判断フローチャート(簡易)
- 外観の第一印象で「好き」→ 実用面の確認へ
- 外観の第一印象で「微妙」→ カラー・エアロで改善できるか検討。できないなら別車種も比較
- 家族の荷物・人数で問題ない → 燃費・維持費(ハイブリッド)を確認
- 総合で満足 → 契約前にオプションとリセール想定を販売店に相談
ノア(NOAH)との違い:どちらを選ぶべきか?
ヴォクシー(Voxy)とノア(Noah)は、トヨタの兄弟車として共通のプラットフォーム・パワートレインを採用しています。しかし、「デザイン」「装備の方向性」「キャラクター性」がはっきり分かれており、購入時の満足度に大きく影響します。この章では、2車の違いを細かく比較し、どちらが自分に向いているか判断できるよう、実際のユーザー評価や専門家レビューを基に詳しく解説します。
デザインの違い(最大の差別化ポイント)
現在のヴォクシーとノアの最大の差異は外観デザインにあります。両車の性格は次のように整理できます。
| モデル | デザインの方向性 | 特徴 |
|---|---|---|
| ヴォクシー | ワイルド・個性的・アグレッシブ | 大型グリル、縦基調の切れ長ライト、黒を基調とした迫力のある顔つき。好みが分かれやすいが存在感は抜群。 |
| ノア | 落ち着き・スタンダード・万人向け | 水平基調でシンプルなフロント、自然な曲線・面構成が多く「優しい」印象。家族向けで抵抗が少ないデザイン。 |
特に、街乗りの印象や周囲からの評価を気にするユーザーはノアを選ぶ傾向があり、逆に「他人と被らない」「存在感を出したい」層はヴォクシーを選ぶケースが多いと言えます。
装備・グレード構成の違い
プラットフォームやエンジンが共通なため、基本性能はほぼ同じです。しかし、外観の違いに合わせて装備パッケージや内外装の雰囲気にも差が出ます。
- ヴォクシーはブラック基調の内装が多く、スポーティ寄り。
- ノアは明るい内装色の選択肢が多く、家族向けの“柔らかい雰囲気”。
また、メーカーオプションの対象やエアロの種類、ホイールデザインなども異なるため、実車またはカタログでの比較が重要です。
走り・乗り味の違い(ほぼ同等だが印象は変わる)
シャシーやエンジンが同じため、走行性能や乗り心地は原則同じです。ただし、デザインに由来する視覚的印象が少なからず運転フィールに影響すると言われています。
- ヴォクシー:スポーティに見えるため「ややシャープに感じる」というユーザーもいる
- ノア:車体の“穏やかさ”が心理的に乗り心地の良さにつながるという声がある
実際には同じ車ですが、見た目が運転者の感覚に影響を与える点は興味深いポイントです。
リセールバリューの違い
リセールは年式や市場需給で変わるものの、近年の傾向としては以下のように整理できます。
- ヴォクシーは人気が高く、高リセール傾向(特に黒×ハイブリッド)
- ノアは安定して売れる“堅実なリセール”で下落が緩やか
つまり、短期的な売却ならヴォクシー、長期保有で穏やかな価値維持を期待するならノア、という構図です。
家族の反応が分かれやすい点
ファミリー用途で最も重要なのは、実は家族のデザインの好みや雰囲気の合う・合わないです。
- 子育て世帯 → ノアの柔らかい印象が好まれることが多い
- 夫婦でアウトドア・趣味用途 → ヴォクシーの個性が刺さるケースが多い
見た目に対する拒否反応は日常で意外と大きなストレスになるため、家族全員で実車確認を強く推奨します。
どちらを選ぶべき?(明確な判断基準)
以下の基準で選ぶと後悔しにくくなります。
ヴォクシーが向く人
- 個性的・迫力あるデザインが好き
- 黒基調の内装×スポーティさが欲しい
- 存在感の強いミニバンが欲しい
- リセールを重視する(特に黒のHV)
ノアが向く人
- 落ち着いた万人受けデザインが好み
- 家族の意見を優先したい
- 柔らかい雰囲気の内外装が良い
- 長期保有を前提に安定したリセールを求める
総じて、見た目を最優先するならヴォクシー、家族の納得や無難さを優先するならノアという選び方が最も失敗しにくい基準です。
現行ボクシー(90系)の前期と後期の違い
現行90系ボクシーは2022年にデビューし、その後マイナーチェンジ(後期モデル:2025年9月)が実施されました。外観デザインはキープコンセプトながら、使い勝手や安全性能の向上、細かな質感アップが施されており、特にファミリー層にとってメリットが大きいアップデートといえます。ここでは、前期と後期の主な違いを整理し、購入検討時のポイントをまとめます。
外観(エクステリア)の違い
大きな変更はありませんが、後期では一部意匠が見直され、質感向上が図られています。
- フロントバンパーの加飾変更:エアインテーク周辺の塗装やラインがわずかにリファインされ、より精悍な印象に。
- ホワイトパールなど一部カラーの色味調整:後期では彩度・光沢が向上し、陰影がより立体的に見える仕上がりへ。
インテリアの違い
内装は大きなデザイン変更はないものの、後期ではユーザーの声を反映した改善が入っています。
- メーター表示の改善:視認性向上のためグラフィックや階調が調整。
- 内装パネルやスイッチの質感向上:黒系パーツの表面処理が変更され、指紋が目立ちにくくなったという評価も。
装備・機能の違い
後期最大のポイントは安全装備と快適装備のアップデートです。
- トヨタセーフティセンスの性能向上:歩行者認識精度の向上や交差点対応の強化。
- 駐車支援の制御改善:パーキングアシストがよりスムーズに作動するよう改善。
- コネクティッドナビの動作安定性向上:一部ユーザーが課題として挙げていた「初期立ち上がりの遅さ」が改善。
- USB端子の変更(Type-A → Type-C比率増加)
走行性能・乗り心地
基本的なシャシーとエンジンは共通ですが、後期では細かな制御見直しが入っています。
- ハイブリッド制御の最適化:発進時のスムーズさやEV走行領域の拡大。
- 静粛性の小改善:ドアシールや床面の吸音材の一部が更新され、後席でのこもり音が減ったとの声も。
前期と後期はどちらを選ぶべき?
前期は中古市場で価格が落ち着き始めており、コスパ重視なら前期が有力。一方、快適装備や安全性を重視するなら、細かな改良が随所に入った後期の満足度が高いと言えます。
総じて、普段使いの利便性と安全装備を重視するファミリー層には「後期」、予算を抑えつつ現行モデルを手にしたい人には「前期」が向いています。
よくある質問(FAQ)
Q. ヴォクシーは中古で買っても大丈夫?
A. 大丈夫ですが、外観が好みかどうかが中古選びでの満足度に直結します。装備や走行距離、保証の有無を確認しましょう。
Q. 見た目が苦手。グレードで印象を和らげる方法は?
A. メッキパーツ、ホイール、カラー選択(明るめのカラーは顔つきの印象を和らげる)やディーラーオプションのエアロで印象を変えられます。
まとめ(買うべきか?)
ヴォクシーは「機能性重視で個性的な外観を許容できる」人には非常に魅力的なミニバンです。逆に「万人受けする穏やかな顔立ち」を望むなら別のミニバンを検討したほうが満足度は高くなるでしょう。購入前に試乗と実車確認を必ず行い、カラーやグレード、オプションで“自分が納得できる見た目”に調整することが最も大切です。
最後に:見た目の好みは時間とともに慣れることも多いので、実用性/費用対効果を優先した評価も忘れずに。試乗で「実際に生活で使うイメージ」が湧けば、外観の評価は後から付いてくることもあります。

