近年の輸入車は、左ハンドル車が減り、基本的に右ハンドルが標準仕様となってきました。左ハンドルと右ハンドルは、どちらがダサイのでしょうか。
右と左ハンドルの両方が選べた時代から、どうして左ハンドル車が激減したのか、理由を解説します。
右ハンドルの国とは
- LHD:left hand drive 左手側に運転席がある(右側通行)
- RHD:right hand drive 右手側に運転席がある(左側通行)
左側通行が法制化されている国
日本の自動車道路は左側通行になっています。
イギリスの法制度がベースとなり英国(英語圏)のイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、が、左側通行(右ハンドルです)です。
旧英国領や、タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、インド、バングラデシュ、香港、マカオも、同様です。
右と左ハンドルのシェア
- 流通シェア:右ハンドル3割、左ハンドル7割
- 生産台数シェア:右ハンドル2.5割、左ハンドル7.5割
時代の変化
- 電動パワーステアリングによる、左右均一設計化
- 量販車でも、取って付けたような右ハンドル車仕様から、設計時点から右ハンドル仕様を考慮した設計の車が増えて、ハンドル位置による明確な性能差異、違和感が少なくなったことが理由です。
- しかし、メーカーによっては、未だに右ハンドル軽視の設計車も見られます。
右ハンドルがダサいとされた昔
輸入車といえば、左ハンドルだった昔
バブル期以前、当時は左ハンドル車しか設定が無かったメーカーも多くありました。
欧州車は「LHD:左ハンドル(右側通行)」を前提として作られており、当時は、無理やり右ハンドル仕様に作り替えた車も多く、機能面や操作面で左ハンドル車に劣る部分が多かったようです。
結果、輸入車は、本来の左ハンドル車のまま乗る方が、「性能面でも優れているのだ」という理屈になりました。
左ハンドル車を使いこなすのが、「通」
日本では、左ハンドル車の運転することによるデメリットに目をつぶり、輸入車の右ハンドル車に乗る方は、「左ハンドル車が運転できない素人」という理屈になりました。
そして、左ハンドルを運転する方が「カッコ良いのだ」という点に行きついたのです。
バブル期は、左ハン・カッコ良い、右ハン・ダサイの風潮
上記理由で、当時は、まだまだ左ハンドルが王道だった時代です。
それは、まだ海外メーカーが右ハンドル市場に本腰を入れておらず、軽視してた結果でもあります。
今は、左ハンドル車がダサイ
諸外国では法規制に合わないハンドル設定の輸入を禁止している国も多いのです。
法制上の観点で見れば、不便極まりなく、危険性も高いのは言うまでもありません。
1990年代以降、右ハンドル車の設定が急激に増え、希少車を除き、左ハンドル車を探すことが難しい状況なのです。
それは、単にメーカーが右ハンドル車を作っていないだけの「手抜き」であり、ユーザーが有難がる存在ではないのです。すでに「左ハンドル車優位論は過去の物」と言えるのです。
左ハンドル車のメリット・デメリット
左ハンドル車のデメリット
日本は、左側通行ですから、左ハンドル車を日常で使うためには、さまざまな不都合、不便が発生します。
- 有料駐車場の発券機が使えない
- ドライブスルーの利用が出来ない
- 追い越し時の対向車や後方車の確認が難しい
- 対向車との距離感が把握できない
- 右折時には、進行方向の歩行者や自転車、障害物を見通しが把握できない
- 高速道路などで本線へ合流するシーンでも確認が難しい
- 中古車市場でも人気が無く、査定が下がる(両方選べる場合)
- 昔と異なり、「左ハンドル=輸入車」の固定概念が崩壊した
左ハンドル車のメリット
- 路側駐車の際、左側に寄せやすい。
- 左ハンドル車前提で作られており、車の性能、機能面で勝る。(現在は、その差も減少)
輸入車・右ハンドル車のメリット・デメリット
輸入車・右ハンドル車のデメリット
自国の左ハンドル仕様の優先順位が高く、まだまだ右ハンドル仕様が軽視されがちなメーカーも存在します。
輸入車・右ハンドル車のメリット
- 技術的な進化:メーカーも右ハンドル市場で売れるとなれば、改善するのは当たり前です。
- 運転のしやすさ:法規定が右ハンドルですから、当たり前です。
- 輸入車=左ハンドル という価値観の減少:市場に出回る高級輸入車が右ハンドル車となれば、左ハンドル車は少数派となり、探すのも一苦労です。マイナー車な希少車への理解も減少します。
左ハンドルは、ダサいのか
現在も左ハンドル仕様のみの車種も存在します。(主に希少輸入車が該当)
生産台数が、そもそも少ない「左ハンドル車しか買えない」のであれば、それを購入し、日本で乗ることは「ダサく」ないでしょう。
ダサいのは、昭和な方
右ハンドル車の設定が大半なのに、未だに左ハンドルの優位性を唱える方です。
日本自動車輸入組合によると、左ハンドル車シェアは、10%以下とされており、年々減少傾向となっています。
輸入車の左ハンドル車が激減した理由はダサいから:まとめ
まだ、右ハンドル向け仕様が、オマケだった時代は、左ハンドル車に乗るメリットもあったでしょう。しかし、日本は右ハンドルの国であり、その法規に従ったインフラが整備されています。
車は趣味の乗り物であり、左ハンドルを積極的に乗ることもありでしょう。よって、旧車や希少車では、ダサくありません。
しかし、日常利用においては不便極まりなく、昭和な価値観を周囲に押し付けるのは痛いだけです。
カーナビのノースアップ利用同様、左ハンドルも時代に淘汰された結果、市場からも「ダサイと認知」され、「左ハンドル車設定が激減した」というまとめになります。