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日産「S14シルビア」の不人気・ダサイ理由を徹底解説

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スポーツカーはデザインも命という視点が欠けていた

 振り返ってみると、日産は1987年3月期決算で上場以来初の営業赤字に転落している。バブル期はシーマなどの高級車が売れてひと息つき持ち直すが、バブル崩壊後は不動産や株式を売却したり、デザイン部のリストラを進めた……。

つまりデザイン部門が弱体化し、技術畑より経営系、あるいは外部の銀行などの発言力が増してきた時期と重なってくる。その結果がまさに形になって表れたのが、S14シルビアともいえるが、そのスタイルはともかく、機械的にはポジティブな進化を遂げていた。

プリメーラ3代目など、同時期に意欲的なデザインもあり、デザイン部門の弱体化というよりも、ユーザー嗜好をキャッチできない、ブサイクデザインにゴーサインを出したマーケティング・経営全体の問題だったと言えるでしょう。

S14シルビア失敗のまとめ

シルビアのサイズ変遷

S13

全長×全幅×全高:4470×1690×1290mm、ホイールベース:2475mm

S14

全長×全幅×全高:4520×1730×1285mm、ホイールベース:2525mm

S15

全長×全幅×全高:4445×1695×1285mm、ホイールベース:2525mm

当時の自動車系メディアの少なさが敗因

当時、S14の不振理由を「3ナンバー化が失敗」というメディア記事に翻弄され、販売低迷の原因がメディア編集者の走り屋としての好み論を話をすり替えられてしまいました。
その結果、上記の説が完全に一人歩きしたため、S15では5ナンバーに戻すという愚行を実施しています。S14の失敗原因は単なるデザインの不出来一択です。

不振の理由は、デザインであって車幅拡大が理由ではないので、S15は、3ナンバーの余裕を生かしたボリューム感に溢れるダイナミックなデザインとすべきだったのです。
1800ミリ未満の3ナンバー化にマイナスイメージなどは全くありません。1700mm以下必達意見は、スポーツカーの話ではありません。時代にマッチせず、薄っぺらい車は、時代に逆行しS15のシルビア人気が回復することはありませんでした。ユーザーの意見を捉えられなかったマーケティング不足の現れです。

今のようにネットがあれば、デザイン面の失敗一択で終わる話ですが、当時はメディア上の評論家の偏った意見がであっても、かなりの影響力があった表れです。(R33スカイラインも同様)

S13シルビアの人気は、FRの走りだけでなく、斬新なプロジェクターライトや一体型のクリアーなグリル、スタイリッシュなテールランプなど、1980年代後期としては斬新なデザインがプレリュードから、デートカーとしての人気を奪えるボジションになったと言えます。QsとKsという価格性能比、コスパの圧倒的バランスもプレリュードやセリカなどのライバルに対して優位なポイントでした。当時のデートカーとして、価格の安さ、スタイリングの斬新さ、そこそこ走りのパフォーマンスがS13の強味だったのです。
S14は、当時の日産デザイントレンドを継承し、丸みデザインを採用した事により、従来のシルビアブランドイメージを崩壊させ、全てを台無しにするだけの強力な破壊力だったと言えます。

S14の販売不振・失敗の原因を「3ナンバー化」「大きい」という誤った理由とした結果、S15を5ナンバーに回帰させ、日産を迷走させる結果となったのです。
それに振り回されてしまった日産マーケティング。
そんな時代に翻弄されたシルビアです。

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