2022年登場の3代目、新型シエンタのデザインがに好き嫌いが分かれダサイ、カッコ悪い、声から、ダサさで失敗するのか、独自の分析、洞察の内容を解説します。
先代2代目シエンタの成功
- エクステリアは、「ミニバン=四角いハコ型」というこれまでの概念を打ち破り、「Active & Fun」をキーワードに「トレッキングシューズ」をイメージした機能性と動感を表現。
- サイドビューは、シアターレイアウト(後席にいくほど高くなる乗員配置)に沿ったサイドシルエット。
- ベルトラインによりキャビン全体を前傾に見せる手法を採った。
- フロントはヘッドランプからフォグランプ・グリルへと一筆書きのようにつながるバンパーガーニッシュを採用し特徴的な表情を創出。
- リヤにもコンビネーションランプとバンパープロテクターを融合させたバンパーガーニッシュを採用した。
トヨタ一連のキーンルックを採用しつつもライトデザインは切れ長で、「バンパーガーニッシュ」の斬新さやスポーティさは、男女問わず、ファミリー層にも支持された結果でしょう。
販売成績を見れば、先代シエンタのデザインは成功
販売台数の結果を見れば、デザイン・アンチ(嫌い・カッコ悪い)の意見など完全に吹き飛ぶレベルです。これは、このデザインが絶対的に支持されたことを明示しています。
販売台数的には、ホンダフリードを遥かに超える好調な販売台数を誇り、上位の常連組となりました。これは、男性ユーザーにも支持された結果でしょう。イコール「ファミリーの総意」が得られた結果となります。
新型3代目シエンタがダサイ理由
屋根が尻下がりで丸みを帯びたデザインなど「カワイイ」を全面に出したデザイン2代目は丸みを帯びたデザインながらも、切れ長で大型のライトなど、男性ユーザーを捉える事にも成功していたと思います。
しかし、3代目は丸目の女性向けへシフトしたことから、先代ユーザー層を含む男性ユーザーが離脱した方もいるでしょう。写真は、LEDライトではない廉価版グレードモデル
最新シエンタ・失敗点
欧州車、特にフランス車、イタリア車に似ている点もありますね。
(影響を受けた、参考にしたのかもしれません)
筆頭としては、ルノーTWINGO/KANGOO、フィアット500などですが、これらは、先代ベースのデザインを現在向けにリニューアルし、人気を確立しています。後発モデルは「マネ認定」されてしまう恐れがあります。
旧車であるトヨタ・ファンカーゴや日産キューブに似ているなどの声もあるようです。
また、「犬顔」で失敗認定されている現行フィットのライト下部LED形状にも似ています。
トヨタ真似のマーケティングの凄いところ
過去ライバル車つぶしとして、ホンダストリームに対する、トヨタウィッシュ。スズキソリオに対するトヨタルーミー/タンクなど、コンセプト丸パクリモデルが象徴的でしょうか。
後発で似ていると揶揄されようが、トヨタの販売力は本家・先発車を凌駕してしまいます。デザインも似ていようが、それが日本オリジナルになるのです。それがトヨタのチカラとも言えるでしょう。
ルノー・トゥウィンゴ
ライトの形状、センターグリル形状が似ている。
ルノー・カングー
センターグリル、フロントバンパー開口部が似ている。
フィアット・パンダ
ライト形状、グリル、フロントバンパーの色々な点が似ている。似ている度No1
フィアット・500
LEDライトの上下分割されたディテールが似ている。
初代の大失敗作をイメージさせる
3代目は、初代シエンタをイメージさせる残念ポイントに回帰しています。
初代の失敗点は、女性を意識し過ぎたのか、丸目ライトが「ダサイ」の典型例になります。
初代マイナー前
女性向けの丸目ライトで、男性ユーザーは基本的に全て敬遠。3列シートのファミリー層がターゲットにも関わらず、男性ユーザーにソッポを向かれ、優れたパッケージングなのに売り上げは低迷。
初代マイナー後
バンパー、ボンネット変更の大幅修正により、角目ライトへ変更。
販売実績も大幅回復の初代マイナー後モデル
消えたポルテの再来か
写真は、2代目ポルテ。ライト形状は初代に近く、フロントバンパーのエアインテークは、ポルテにそっくり。
学習能力ゼロ、大失敗作デザインへの回帰
3代目は、初代シエンタをイメージさせる残念ポイントに回帰しています。
初代の失敗点は、女性を意識し過ぎたのか、丸目ライトが「ダサイ」の典型例になります。
- 丸目ライト
- 屋根後端が尻下がりのデザイン
好調な先代モデルデザインを踏襲せず、世界的なマネ路線へ
ここで、先代モデルのシエンタが好調な販売成績を残しており、先代デザインを踏襲するのが王道パターンなのですが、世界的な売れ線デザイン路線に乗っかるところが、トヨタ・マーケティングの凄いところです。
欧州車の良い所を取り込み、従来のシエンタユーザーだけでなく、コンパクトカー・ミニバンを検討中の男性・女性を取り込むことに成功したのが現行シエンタです。
販売台数は好調か
2023年上期の販売実績です。
順位 | ブランド通称名 | ブランド名 | 台数 | 前年比% |
---|---|---|---|---|
1 | ヤリス | トヨタ | 97,421 | 119.4 |
2 | カローラ | トヨタ | 82,374 | 114.0 |
3 | シエンタ | トヨタ | 67,344 | 260.4 |
発売直後は、非常に好調な売れ行きを記録しています。
丸目デザインが欧州車似で男性ユーザーにも支持されていることが判断できます。
まとめ:3代目シエンタはダサくなかった
発売前の予想
2代目(先代)シエンタが、コンパクトボディの中でも大胆なデザインへ変化し、ライトやグリルなど三角形基調のシャープなデザインでした。
最新3代目シエンタは、女性向けデザインを意識したのか、丸目基調なデザインコンセプトの変更は、「男性ユーザーには支持されない」とする予想を立てました。
発売後の結果
しかし、2023年に入り、販売台数ランキングベスト3を維持し、好調なセールスとなっているようです。女性向けデザインと書きましたが、欧州車のエッセンスを多く取り入れた丸パクリデザインは、性別に関係なく受け入れられる万人向けデザインだったという事です。
国産ライバル潰しから、欧州車デザイン取り込みに進化
- ホンダオデッセイ → イプサム
- ホンダストリーム → ウィッシュ
- スズキソリオ → ルーミー・タンク
ライバル車を研究し、圧倒的な販売力を利用してシェアを獲得する強力なマーケティング手法です。
今回は、欧州車のデザイントレンドを上手く取り入れ、国産車に適用した好事例です。
フィットやステップワゴンなど、国内ニーズすら正しく捉えられないホンダとは対照的に、欧州車デザインエッセンスが丸ごと取り込まれ、上手にシエンタへ適用したデザイナーの腕が発揮された成功事例です。
女性向け、男性向け、ファミリーユースとしても支持されているデザインと判断されます。
これは、文句なく「ダサくない」というまとめになります。
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