残価設定ローンがお勧めな方って存在するのでしょうか。
支払総額を抑えたいなら銀行マイカーローンがおすすめです。
残クレの闇、デメリット、危険性を解説します。
ローンに無関心な情報弱者向けローン
比較的若い年齢層の方が、800万超えの最新アルファードに乗っているのを見かける機会が多くなりました。平均所得水準が下がったとされる昨今、その購入資金は、どこから出ているのでしょうか。
- 長年貯金をして、やっと買った
- 親からの資金援助
- 残価設定ローン
その多くが、ネットで囁かれる「3.残価設定ローン」の利用が多いようです。
金融リテラシーが無い
自動車ディーラーの信頼感が仇に
家の購入に次いで、高価な買い物とされるのが車です。
本来、年収超えの段階で、躊躇したり、良く考えて購入するのが普通ですが、残クレの出現により、そのハードルが一気に下がってしまったようです。
- セールスマンが顧客に不利なローンを進めるハズがない(思い込み)
- せールスとの信頼関係が重要(セールストークに裏表はない、思い込み)
- お勧めを断れない(交渉に不慣れなカモ客)
- 残クレが銀行ローンよりも不利な金利のハズがない(思い込み)
- 3年後、5年後の悲惨な状況をイメージしていない(勉強不足)
- ローンの仕組みを全く理解せず(資料を読む気もない)
- 月額の安さだけに注目(ココだけ重要)
- そもそも月額の支払いでさえ、ギリギリ(納車で目的達成)
- 現金一括払いや銀行ローンじゃ売らないよ(本当か)
- 値引き・下取り・サービスも頑張りました(だけど実態は渋めがほとんど)
- 雑な使い方、友人との貸し借り、多走行(数年後の査定を気にしていない)
- 単なるレンタカーイメージであることを理解していない(勉強不足)
そもそも、金融リテラシーがあれば、絶対に飛び付かないのですが、何の躊躇も疑問もなく、平気で利用してしまいます。
その後、ネット上のヤバイという動画やぺージを見て、後の祭りという方が多いのが実態です。
最終的に、親に泣きつける方もいれば、そうでない方もいて、厳しい現実に晒されます。
ローン審査は甘いのか
一般的に以下の条件に合致する方は、ローン審査がNGとなるケースが多いです。
- 過去の信用情報に傷がある(ローン滞納・延滞・債務整理の経験あり)
- 不安定な雇用形態で働いている(契約社員・アルバイト・パート)
- 勤続年数が1年未満
延滞・滞納で担保を即回収のメリット
人気SUVは人気が高く、回転も速く、中古車でも超高値が付きます。
残クレは、非常に金利が高く、滞納から早期に担保を回収できれば、金利・売却益のメリットになります。
ローン審査は一般審査と変わらない厳しさがある。という話を信じるか否かは、あなた次第です。
残価設定ローンとは、その仕組みを解説
残価設定クレジットとは、略称(残クレ)とも呼ぶ車購入時のローン形態の一種です。
各メーカーによっても、その通称名は異なります。
仕組み
- ローン終了時点の価値を事前に定める
- その金額を差し引いた金額にて3年や5年のローン契約により、月々分割払いを行う
- ローン契約満了時の車の価値は年式や走行距離などで決定
ローン契約満了時、以下の3つから手段を選べます
- 新車へ乗り換え
- 車をディーラーへ返却
- 残価を支払い、車を買い取る
残クレのメリット・デメリット
メリット
各社の規約により異なりますが、以下のメリットがあります。
- 月々の支払額削減
- 頭金0でも新車購入が可
- 買取価格が保証された安心感(本当か)
- 低金利キャンペーンでお得に買える(本当か)
- 車検が不要なケースも
- 納期が早いケースも
デメリット
- 下取り、値引き、金利など、あらゆる面で現金一括購入よりも、有利だと思い込んでいる方が多いです。購入者はメリットと思い込んでおり、信じて疑いません。こんな有利な購入法があると友人に話してしまうような恥ずかしい事例も多いようです。これが最大のデメリット
- 全般的に金利が高い
- 不人気車では金利が高い
- 銀行低金利ローンより不利
- ローン終了時、残金の整理が必要
- ローン終了時の車価値を減らさないような利用が求められる(走行距離、傷)
- 多走行、事故、傷などで車価値を下げると追金発生
- 納期が遅くなるケースも
期間3年の残価設定ローン契約例
車両価格600万円、3年経過後の車の価値が400万円と設定した例
- 頭金ゼロも可
- ローンを3年間で返済する金額(元金)は200万円になります。
- 元金200万に対して、銀行よりも割高な金利が上乗せされ、36回の月々分割ローン
- 残価の残り400万は未払い
(新車へ乗換、ディーラーへ返却、残価を支払い車を買取)
支払総額は猛烈に高くなる
- 3年間の金利分も高くなります
- 3年後の買取予想額(契約によっては買取保証額)も走行距離や傷など、色々な理由で買い叩かれ、追金が発生するケースが多いようです。
3年間のローン支払い分も銀行ローンよりも確実に多くなり、3年後の負担も増加するリスクが発生します。結果的にトータルで見た総支払総額は、猛烈に増加する可能性が高くなります。
3年間、たった200万のローンで「新車のアルファードに乗れる>安く買える仕組みは自分しか知らない」と、「とんでもない勘違いしてしまう方が一定いる」のですが、高い金利を払う事のデメリットが理解できない情弱層が多いようです。
期間3年の銀行ローン契約例
車両価格600万円、頭金200万、残金400万ローンと設定した例
- 頭金200万を支払い (頑張って貯めた200万)
- ローンを3年間で返済する金額(元金)は400万円になります。
- 元金400万に対して、銀行の比較的低金利が上乗せされ、36回の月々分割ローン
- ローン完済により、所有権はオーナーになる
残クレに比べて金利は低く、支払総額は安いけど
銀行の自動車ローンは審査が厳しいのですが、金利は比較的安めになります。
結果的に、金利も含めた総支払の総額は、安く済みます。
3年間、400万ローンの支払いは厳しく、収入に見合わない方は諦めるのが普通の流れでしょう。
そこで残クレを薦められることで、そちらに切り替えてしまう、情弱層が多いようです。
アルファードローンとも呼ばれる残価設定ローン:まとめ
法的にも全く問題はない・・・
やはり、自動車ディーラーは、キレイな店舗・親切なセールスマンとアフターサービスというイメージであり、高利貸しローン会社、難解な金融商品を売りつける方ではないと思っている方が、ほとんどです。
当然、残クレという高度な金融商品と自動車査定のカラクリ・デメリットを正しく理解している方もほとんどいません。
そして、それが若くして高級RVに乗り、自分しか知らない情報強者のような境地に入ることが出来る魔法の箱など、存在していない事も理解できないのです。
販売方法が残クレ強制にシフト
金融リテラシーがあり、自動車ローンの仕組み、裏事情をよく知る方にとっては、セールスマンのトークには一切乗りません。
しかし、残クレ強制のような販売手法がトップダウンで優先させるような指令となり、巧みなセールストークの技術・手法が確立してきました。
ディーラーとメーカーの販売利益率が向上し、セールスマンの収入にも直結するとなれば、ユーザーメリットよりも、残クレのセールスが優先されるようになります。
ターゲットは情弱者全体にシフト
今までは、無計画なローン情弱者(ローンに詳しくない層、損得のメリデメを正しく理解できない層)のみが選択した手法です。
しかし、残クレの強制化により、従来は現金一括払で購入していたローン敬遠層など、情弱ゆえに現金一択払を選択していた堅実層にも強制的に波及します。
仕組みとデメリットを理解した、残クレ活用は問題なし
法的には全く問題ない制度ですから、ネット上にあふれる、残クレの闇・デメリット情報を理解した上で、それを活用する分には問題ありません。
単にローンの支払額を減らす事だけを目的とした、低収入アルファード購入層は、絶対避けるべきという「まとめ」になります。
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