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電動パーキングブレーキ(EPB)のメリット・デメリットを徹底解説

査定君
査定君

近年、標準装備化が進む電動パーキングブレーキ(EPB)。従来の手引き式や足踏み式とは異なり、ボタンひとつでブレーキの作動・解除が可能です。一方で故障や誤作動のリスクも存在します。本記事では、EPBの機能概要、故障事例と解除方法、メリット・デメリット、オートブレーキホールド機能との関係について詳しく解説します。

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機能概要

電動パーキングブレーキ(EPB)は、車両停止時にブレーキパッドを電気モーターによって押し付けることで車を固定する装置です。従来の機械的なレバー操作とは異なり、電子制御によってブレーキが作動するため、スペース効率や操作性の向上につながります。

作動の仕組み

EPBスイッチを引くと、制御ユニットが信号を受け、後輪のブレーキキャリパーに取り付けられたモーターが作動してブレーキパッドを押し付けます。解除時には逆方向にモーターが回転し、パッドを離します。この一連の動作は自動で制御され、人為的な力を必要としません。

連携システムとの関係

多くの車種では、EPBはブレーキアシストやESC(横滑り防止装置)と連動しています。特に近年は、坂道発進時の車両後退を防ぐヒルスタートアシストや、自動停止機能と統合された構成も増えています。

故障事例・解除方法・誤作動

電子制御式であるがゆえに、EPBは電源系統やモーター、センサーの不具合によって誤作動を起こすことがあります。

よくある故障事例

代表的な症状として以下が挙げられます。

  • スイッチを引いても作動しない
  • メーターパネルに「パーキングブレーキ故障」警告灯が点灯
  • ブレーキ解除時に異音がする
  • 寒冷地で凍結によりモーターが動かない

手動での解除方法

多くの車には、バッテリー上がりや電源系トラブル時に備えた手動解除機構が備わっています。後輪ブレーキキャリパー部にあるボルトや専用工具を使い、手動で解除するタイプが主流です。ただし、メーカーや車種によって手順が異なるため、取扱説明書の確認が重要です。

誤作動の原因と防止策

誤作動の主な原因は、電圧低下制御ユニットのエラーです。長期間の未使用やバッテリー劣化によって電圧が不足すると、作動信号が正しく送られない場合があります。定期的なバッテリー点検や清掃、ECUリセットを行うことで予防が可能です。

メリット

操作性の向上

ワンタッチ操作で作動・解除できるため、ドライバーは従来のレバー操作から解放されます。特に女性ドライバーや高齢者にとっては操作が軽く、直感的です。

車内デザインの自由度

物理的なレバーが不要となり、センターコンソール周辺のデザイン性が高まります。ラグジュアリーカーでは、洗練されたインテリアを演出する重要な要素のひとつです。

EPB採用車では、インテリアデザインの自由度が向上し、質感の高いレイアウトが可能になります。

安全性と自動制御

走行中の誤作動を防ぐ制御や、自動停止後のブレーキ保持など、安全性に優れています。また、ドライバーがシートベルトを外すと自動的に作動する機能もあり、うっかりミス防止に貢献します。

デメリット

故障時のリスク

電気系統の故障によりブレーキが解除できなくなる、あるいは動作しないケースがあります。物理的なリンクがないため、整備には専門知識が必要となります。

修理・交換コスト

モーターや制御ユニットが高価であるため、故障時の修理費用は従来のパーキングブレーキより高額です。一般的に5万〜15万円前後が目安とされています。

バッテリー依存性

EPBは電源がなければ作動しないため、バッテリー上がり時には手動解除が必要です。特に長期保管や冬季は注意が必要です。

オートブレーキホールドとの関係

オートブレーキホールド機能は、信号待ちや渋滞時にブレーキペダルから足を離しても車両を停止状態に保つシステムです。EPBと連携して作動するため、両者の関係は非常に密接です。

利便性の向上

停車中に自動で保持し、アクセルを踏むと自動解除されるため、渋滞走行の疲労軽減に効果的です。EPBが自動的に介入することで、安全かつ快適なドライビングが実現します。
一度、この装備に慣れてしまうと、手放せない装備でもあり、軽自動車にも標準装備化が進む機能の一つです。

統合制御の進化

最近のモデルでは、EPBとオートブレーキホールドが完全統合されており、制御ユニットが車両の停止状況を自動認識。坂道や滑りやすい路面でも、滑らかで安定した制動を実現しています。

メモリー機能付きが望まれる

エンジンを再始動すると、オートブレーキホールドのボタンを再度押さないとリセットされる車も多いようです。このあたりは、セットしたら、そのままメモリーされる機能を望む方が多いようです。

スムーズな発進が望まれる

オートブレーキホールド設定時、スタート時にギクシャク感がある車も一部あり、段付き無くスムーズに発進することが望まれるようです。

まとめ

電動パーキングブレーキ(EPB)は、利便性と安全性を両立させた先進的なブレーキシステムです。操作の簡便さやデザイン性、安全性の向上など多くのメリットがある一方で、電装系統への依存や故障時のコストといったデメリットも存在します。ユーザーは定期的な点検を怠らず、特にバッテリー管理や電子系統のメンテナンスを重視することが大切です。

また、オートブレーキホールド機能と組み合わせることで、都市部の渋滞や坂道走行でも快適さと安全性が向上します。技術の進化とともにEPBの信頼性は年々高まっており、今後の車両においても標準装備化が加速すると考えられます。