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成瀬弘氏とレクサスLFAの事故原因とは

査定君
査定君

トヨタのテストドライバー成瀬弘氏が事故により死亡しました。レクサスLFAの事故の原因については諸説ありますが、多数の状況から事故原因を整理します。

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成瀬弘氏の事故とは

2010/6/23 に成瀬弘氏が死亡事故のニュース

2010年6月23日(水)トヨタのテストドライバー成瀬弘氏(67歳)死亡のニュースが流れました。

動画から確認できる内容

  • エアバッグが全開
  • キャビンは潰れていない
  • ヘルメットに血痕

ドイツ側報道

2010年6月23日の午前中、成瀬弘氏のドライブするレクサスLFAはニュルブルクリンクに向かう公道L94号線において、スピードを出して右カーブを走行中に対向車線をはみ出して、BMWのテストドライバーが運転する3シリーズ(E90)のテストカーと衝突。(グレードは不明ですが、M3ではない模様)
トヨタの社員が駆け付けたが彼らが到着した時点ですでに死亡していた。
さらに、成瀬弘氏は病院で死亡が確認された。BMWに乗っていた2名の社員は重傷だが、回復傾向との続報あり。色々なニュースを読み漁ると、

  • 正面衝突の事故である
  • LFAのドライバー成瀬氏の死亡が確認され、霊柩車で搬送
  • BMWのドライバー運転手33歳、助手席34歳は、重傷から回復傾向
  • LFAとBMWドライバーもヘルメット装着、シートベルト装着、エアバッグ作動
  • LFAとBMWも車両フロントは大破、キャビンはつぶれていない
  • LFAはプロトタイプ車で計測機器を助手席キャビンに搭載
  • 事故後、2時間道路閉鎖(地元新聞報道)
  • LFAが対向車線をはみだしたとの見解。(地元警察・ラジオ)
  • 成瀬氏の遺族に哀悼の意を、負傷した人らに同情の意を示す。(トヨタ広報)

トヨタのテストドライバーとして、数々の車の開発に携わったとのことで、日本人としては複雑な心境です。事故の最終結果として、正式なリリースは無かった模様。日本とは逆の右側通行のドイツ。LFAのセンターラインはみ出しが原因なのであれば、3シリーズの左側のダメージが大きくなる訳ですが、右側のダメージが大きいようです。現場検証結果からの真相が気になるところですが、詳細はベールに包まれたままです。

LFAの完成度

  • 市販モデルの予約開始済の段階(偽装ステッカーもなし)
  • このタイミングで、ベース車両の致命的な欠陥は考えずらい
  • 事故車両は、モデル追加された「LFAニュルブルクリンクエディション」と相当

死因とは

開発中の事故でこの世を去ったテストドライバーとされています。事故がどのような身体的影響を与えたのかは不明となっています。

ご冥福をお祈りします。

事故現場となる、公道L94号線脇では、日本のしだれ桜とドイツの桜の2つのオマージュが飾られています。

コメント

  1. 随分前の掲載に、今頃ですみません。ニュル24時間に参加した章男社長が、成瀬さんの命日に走られた後に、成瀬さんの思い出を語られていたのをキッカケに、いろいろ調べているうちに、ここに到着しましたので、時差をお許しください。
    まずは、改めて、成瀬さんのご冥福をお祈りします。

    さて、早速ですが、全体としては大変興味深くよませていただきましたが、ご説の結論は、ちょっと誤解がある気がします。

    「テストドライバーの絶え間ないトライアンドエラーにより、自動車は進化しながら市販車にフィードバックされている」。

    これが本当だとすると、テストドライバーは、みずからの体を張っている職業に見えます。本来であれば、運転の達人のはずですから、“トライとミス”が繰り返されることはないはずで、百歩下がってそうなのだとしたら、自動車メーカーがテストドライバーをモルモットのように使っている、ということになり、そんなことは根本的に許されないはずです。テストコースであれば、多少なりともその傾向はあるのかもしれませんが、事故現場は公道です。

    ズバリ、成瀬さんは、運転者としての最低の義務である“安全”を無視して公道を走っていたことなり、テストドライバーとして失格と言わざるを得ません。

    一方、乗っていたクルマが、数千万円もするハイパーカーだったにも関わらず、衝突に対しての安全レベルが極めて低かった、というのが壊れ方を見ても伺えると思います。

    トヨタから事後報告がないのは、世の中の“常識”からはある種当然の気もしますが、本来なら、自社の安全思想を訴えるためにも、そして「いいクルマ創り」を進めているのなら、反省として徹底的な解明をすべきですが、そうなっていないのは、都合が悪いから以外に考えようがありません。

    また、情報が出ないことに対して、一般マスコミがなにも反応しないことにも不自然さを感じます。いや、広告を止められては困る、という事情からは、しごく自然なのかも、ですけど。

    • 山口さん、ご意見ありがとうございます。
      「トライアンドエラー」という表現は和製英語で、日本における意味としては「試行錯誤」になります。

      渦巻模様のステッカーをボディ全体に張った試作車が公道上でテスト走行しているスクープ写真を見たことがあるかと思います。
      市販開始前に試行錯誤としてのセッティングやチューニングといったケースを想定した「試行錯誤=トライアンドエラー」です。

      テストコースの事前テストをふまえて、一般公道走行可の認可を得ていると思います。
      ですので運転技量に関係なく、素人的な「ミス」も許容する安全性は確保されていると考えます。
      一般公道走行可とは、運転者だけでなく、公道を利用する方の安全も守られなければいけないからです。

      >衝突に対しての安全レベルが極めて低かった

      エアバッグも機能し、キャビンも潰れていない状況が写真からも確認できます。
      決定的な死因は明らかにされておらず、安全レベルが低いと断定するのは難しいです。

      今回は「法定速度を超えていたのか」が争点かと思います。
      ・法定速度を超える速度で、公道をテストする必要があったのか?
       →無い
      ・法定速度を超える速度で、衝突した場合の安全性を確保する義務はあるのか?
       →無い

      公道上でヘルメットを被る必要があるリスクを想定したテストを行う時点で、ドライバーのモラルだけでなく、公道テストを実施させた監督責任を問われても良い案件かもしれません。

  2. 個人的な見解です。
    両車の法定速度超えやLFAのセンターラインオーバーの可能性との記述が多いですが、はっきり言ってこの事故はBMWのセンターラインオーバーを成瀬氏がとっさの判断で反対側(つまり対向車線)に回避したけれどBMWのハンドリングが復活し同じ車線に戻ってきた結果正面衝突と判断するのが妥当です。
    ドイツで何度も運転している人間からすれば「日本の左車線通行の癖で左に回避」など絶対に考えられません。ドイツで1日運転していればだまっていても体は右側通行に順応します。ましてやマスタードライバーの成瀬氏の様なスーパードライバーはサーキットだろうが公道だろうか確実に最善の回避策を取ります。
    この事故が死亡事故になった要因は車体の設計にあります。カーボンモノコックのキャビンをスペースフレーム構造で衝突エネルギー吸収を行う設計は世界的に見ても稀で、もちろんトヨタはLFAまで作ったことがありません。
    いろいろ異論はあるかと思いますが、根本的な死亡事故の要因は車体構造に無理があった(欠陥とまではいいませんが)と私は革新しています。

    • スリップ痕でわかりますね。ABSも作動していて、センターライン側に寄ってきている。向こうから来たクルマの速度が速いことに気づき、OUT側にハラんだため、手前からのクルマがIN側に切れ込んで逃げようとした。オーバースピードのクルマはOUT側にしか行こうとすることを知っているから。IN側に逃げたことを、センターを超えた、として報道した可能性が高い気がします。私の推測です。しかし真実は神のみぞ知る。誰にも確認しようがありません。

      • すみません、自己レスです。よく見るとスリップ痕ではない可能性もある気もしました。綺麗ではない気がします。路面のシミかもしれません。ただLFAから見て左コーナーだと仮定すると、IN側に切れ込んだことは変わりません。INに入った理由ですが、マスタードライバーが、会社の極めて特別な試作車で、テストコースで十分できるのにわざわざ公道で、しかも対向車線にまで出てINを攻める可能性は、極めて低いと思います。色々な可能性があるので真実は確かめようがないです。実はLFAは向こうから来たのであって、スピンして映像の配置になった可能性や(スピンのスリップ痕が無いので考えにくいが)、マシントラブル、急病、本当にきりが無いです。亡くなったり重傷を負った方がおられる事が一番残念ですが、次に残念なのは、生きている人同士で、この事故に関する反対意見の人に対し個人攻撃をしていることです。(某動画サイトで)

        • >マスタードライバーが、会社の極めて特別な試作車で、

          2009年10月21日に購入希望受付が開始されています。(事故日:2010年6月23日)
          極めて特別な試作車という段階ではないと判断できます。
          当然、ボディ全体が偽装ステッカーで覆われた状態ではありませんね。

          >テストコースで十分できるのにわざわざ公道で、しかも対向車線にまで出てINを攻める可能性は、極めて低いと思います。

          トヨタ・テクニカルセンター・下山は、この事故後に建設されたものです。
          当時は、ニュル周辺の一般道テストは当たり前だったのです。
          ヘルメットを被ってまで、公道上でテストを行うような、開発担当側モラルの低さとメーカー側のコンプライアンス不備が招いた結果です。(BMW側も重症で済んだのは運)

  3. GRMNヤリスの発表に伴い、いろいろネットサーフィンしていたらたどり着きました。
    HANSデバイスはご存じだと思います。その誕生の経緯を考えると、国沢氏の論調を真っ向から否定するのは強い違和感を覚えます。
    この事故においてHANSをしていれば助かったかどうかはもちろんわかりませんが、4点式シートベルトをしていてHANSなしでヘルメットを被った状態で正面衝突した、ということを考えると、体は固定されたまま(4点式でも若干は伸びますが)ヘルメットの重さが加わった頭が前方に強く引っ張られ、頚椎を損傷したということもひとつの可能性として十分に考えられるのではないでしょうか。

    • >とくさん
      ご意見ありがとうございます。
      レース車両は、エアバッグを装備しておらず、頚椎損傷の可能性があります。
      市販車では、レース車両とは大きく異なり、エアバッグが機能するため、頭部の稼働領域が制限され、頚椎損傷を回避できる可能性が高まります。
      それは記事中、エアバックが全開している写真からも判断できますので、エアバッグ機能を任意的にオフしたとする説も正しくないと判断できます。

      >車体設計一筋30年さん
      ご意見ありがとうございます。
      正確な事故状況は確認できていませんが、現地報道(警察見解)はLFAに不利な内容です。
      その内容からは、BMW側の過失に転嫁するのは難しいでしょう。

      カーボンモノコックを採用するレース車両は、キャビン保護最優先の設計思想であり、市販車にも適用されているでしょう。
      それを証明するように、記事中の写真では、運転席のキャビンは潰れていません。
      強度不足でキャビンが潰れたり、エンジンがキャビンを突き破ったとする欠陥説は誤りと判断できます。