スポンサーリンク

レガシィの生産中止・廃止は販売減少が理由か

査定君
査定君

スバルレガシィは、1989年に「レオーネ」に対する上級車種として誕生しました。2024年に36年の歴史に幕を閉じる結果に至った、モデル廃止の理由・背景を解説します。

スポンサーリンク

レガシィの歴史

初代レガシィ(1989~1993)

レオーネの上位モデルとして登場した初代レガシィツーリングワゴンです。セダンと共に4WD・スキー人気で爆売れしました。4WDの安定性、ワゴンの使い勝手の良さなど、現在のワゴン人気に繋がったエッセンスを全て兼ね備えています。
ドッカンターボと劇悪燃費の200psを発生するEJ20型2.0L-DOHCターボエンジンも人気のポイントでした。

2代目レガシィ(1993~1998)

シーケンシャルツインターボで、最高出力250ps版からスタートし、最終的には当時の出力自主制限の280psまで到達。
他メーカー・ライバルが続々登場するなかで、販売台数は歴代トップとなり、圧倒的な人気を誇ったモデル。デザインは、キープコンセプトとしつつ、ライトやテールは、やや丸みを帯びた形状。

3代目レガシィ(1998~2003)

ラインナップの追加として2.5LのNAエンジン、3.0LのNA水平対向6気筒、アウトバックの先祖となるランカスターが登場。セダンのスポーツモデルとしてB4が登場。
NAエンジンの高級志向化によるラインナップ強化が図られたモデルです。
上下二段に分かれたライトが特徴的です。

4代目レガシィ(2003~2009)

カーオブザイヤー受賞で、レガシィとしても対外評価、完成度が高いモデル。
衝突安全性のため、若干の車幅拡大による3ナンバー化。ツインスクロールターボ化による応答性の向上。現在では当たり前となった「アイサイト」の登場、ランカスターから「アウトバック」に改名がポイントです。涙目のライトが特徴的です。

5代目レガシィ (2009~2014)

北米市場向けのデザイン、ニーズに特化し、国内ユーザー切り捨てモデル。その代替として「レヴォーグ」が登場し、国内ユーザーをフォロー。
2.0L版を廃止し、2.5L/3.6Lとなり、北米向けが鮮明となり国内ユーザーが完全に離脱したモデル。ただし、高級感の向上、ボディの拡大、アメリカンデザインを好む一部マッチした模様。

6代目レガシィ(2014~2021)

セダンのB4、SUVワゴンのアウトバックとなる2モデル構成で、ノーマルボディのツーリングワゴン廃止で、ワゴンニーズは、レヴォーグに全振りのモデルです。
エンジンは260ps/38.4kgmを発生するFA24型2.4L水平対向4気筒ターボを搭載。
レヴォーグの「コの字ライト」デザイン的な破綻はなく、1840mmの車幅サイズを許容するユーザーにはマッチした模様。

最終モデル・レガシィアウトバック(2021~2024)

6代目をベースとし、最新のスバルエッセンスを投入した、アウトバックが登場。
2024年、レガシィの歴史に幕を閉じだモデル。

レガシィの隆盛と没落

隆盛

初代レガシィの成功を受け、2代目から3代目、4代目と着実に熟成を重ね、カーオブザイヤー受賞に至ります。
SUV、ミニバン人気を受けて、車高の低いツーリングワゴンから、SUVのフォレスターに人気が二分した時代背景もあります。

没落

北米市場重視、アメリカンデザインの5代目(2009~)が低迷の理由として挙げられるでしょう。
全幅は1775mmと今となっては、大きくもないサイズではあるものの、一気に大型化したサイズに拒絶・抵抗感を示す先代ユーザーは多かったようです。
初代レヴォーグ(2014~)登場まで、ツーリングワゴンユーザーの離脱を招きました。

北米市場もSUVワゴンへ人気がシフト

北米市場は、車高がセダンと同じ、ツーリングワゴンのボディ形状よりも、SUVタイプの人気が高くなりました。最大市場のアメリカにおいても、レガシィワゴンのボディ形状が、時代の流れにマッチしなくなっていったと言えます。
一方、アウトバックは、SUVタイプの形状・デザインであり、北米ユーザーが好むトレンドは押さえており、現在も人気は維持しています。

レガシィ廃止の理由

スバル最大市場である北米の2023年販売実績

モデル名 2023年累計 前年同期比
Ascent(アセント:北米専用大型SUV) 60,543台 -4.9%
クロストレック 159,193台 +2.6%
フォレスター 152,566台 +33.7%
インプレッサ 34,719台 +12.6%
レガシィ 25,510台 +12.9%
アウトバック 161,814台 +9.9%

スバルにとって、最大市場は北米です。2023年のアウトバックは、スバル車の屋台骨となるトップの売り上げを記録しています。
北米ではアウトバックは、まだまだ売れており、廃止する理由など全くないことが分かります。
よって、日本向け右ハンドル仕様の販売低迷など、余裕で吸収できる生産台数・バックボーンがあると理解できるでしょう。

レヴォーグの大コケがアウトバックを延命させた

ボディ拡大し、従来の5ナンバー枠を超え、完全な3ナンバー化したレヴォーグです。
決して小型ワゴンではありません。
さらに、カーオブザイヤー受賞の2代目レヴォーグは、完成度も評価も抜群です。

新型レヴォーグは失敗!デザインがダサイ理由
2代目の新型レヴォーグは、カーオブザイヤー受賞にも関わらず、売れないようです。「ダサい」「ブサイク」「かっこ悪い」「 旧型の方が かっこいい」などの声も聞かれます。失敗の原因は、デザインに問題あるのか、理由を解説します。

スバルとしては、2代目レヴォーグが売れていれば、やや古さを隠せないアウトバックを引退させることが可能だったはずです。しかし、大コケしてしまったため、延命させたのが理由となります。
イマイチなレヴォーグのデザインに幻滅したユーザーに対して、アウトバックがその受け皿となったのです。

2代目レヴォーグとアウトバックのサイズ比較

  • レヴォーグ:全長4755mm、全幅1795mm、ホイールベース2670mm
  • アウトバック:全長4875mm、全幅1875mm、ホイールベース2745mm

アウトバックの車幅は、日本の道路事情には全くマッチしていないものの、昨今の輸入車・国産車を検討車種に選定しているユーザーにとっては、アウトバックは許容範囲内でしょう。

レガシィが36年の歴史に幕の背景:まとめ

国内で売れていなから?が廃止理由?。ボディサイズが国内にマッチせず、売れないのは当たり前です。それは理由ではありません。むしろ、レヴォーグ低迷の人気を下支えし、レヴォーグに飽き足らない高級志向・ニッチマーケットモデルとしての役割は十分、果たせていたのです。

もちろん、ブサイクでない初代レヴォーグに似たフロントライト形状を継承するアウトバックが、スバルファンの「ニーズを満たすもの」でもあったのです。

レヴォーグレイバックの販売好調により、レガシィ廃止に踏み切った

ノーマル・レイバックは、ブサイクデザインですが、オプションのブラックグリル装着により、見違えるデザインとなったレヴォーグ・レイバックです。
販売台数も絶不調から、やや好調のキザシが見え、アウトバック廃止に踏み切ったと考えられます。

  • もともと、モデルのライフサイクルが末期だったアウトバック
  • 大型化した国内向けレヴォーグとの重複感が否めなかった
  • 1875mmの横幅は、日本向けでないことは、メーカーもディーラーも認識

以上が、レガシィ廃止の理由となります。