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NSXが撤退・生産終了の理由を徹底解説

査定君
査定君

2代目となるホンダNSXが早々に市場から撤退し、生産中止に追い込まれたのかを解説します。NSXが失敗認定となり、ユーザーから支持されなかった理由から、ホンダの問題点が見えてきます。

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ホンダNSX生産終了の理由(メーカー側回答の疑問)

5年経過したから

AUTOCARより引用

「現行NSXの発売は2016年だから、既に5年を経過した。フルモデルチェンジの周期に達しており、NSXの役割は終わったと考えている」

というメーカー側回答のようです。

ホンダの担当者の理由が上記です。初代NSXは、15年に渡り継続生産しており、一般モデルのモデルサイクルには当てはまらないでしょう。

排ガス規制を考慮

「北米のオハイオ工場を維持するうえで課題が生じた。また将来的に北米で実施される排出ガス規制も考慮して、生産を終えることになった」

というメーカー側回答のようです。

北米では、ハイブリッドモデル以外も生産しており、ハイブリッドのNSXを優先して終えることは不要です。

2代目NSXは全く売れなかった状況

初代は15年に渡り生産し、売れ続けた

  • 1990年から2005年
  • 累計生産:19006台
  • 世界登録台数:18734台

プアマンズフェラーリと揶揄されますが、当初800万円(MT)という、比較的安価な価格がヒットした理由でしょう。

2代目は、たった5年で幕を閉じた

  • 世界登録台数:2558台
  • 平均価格:2452.3万円

5年間の予定販売台数は、全世界7500台

目標の7500台には全く至らず、年間500台という、メーカー側計画としては想定外の不人気ぶりでした。

他メーカーのライバル

BMW i8(ハイブリッドスポーツカー)

既に生産中止となっています。生産台数20,500台と初代NSXよりも売れている点がポイントです。
3気筒1.5Lターボという、NSXに比べてメカニズム的に比較するレベルにもありません。
2013年時点では、NSXよりも早いハイブリッドシステム、ガルウィングドア、先進的なスタイリングなどに加え、2000万を切る価格帯もあり、販売台数的には成功していると言えます。

アウディR8

V8,V10エンジン搭載により、先進的なスタイリングと比較的安価な価格でヒットしました。初代と二代目累計販売台数:42,948台です。
モデル末期は、2000万を超えとなり、価格と内容がブランドに見合わない、アウディブランドの典型例が販売低迷を招いたと思われます。

シボレーコルベット(ミッドシップ・現行型)

  • 2021年:3万3041台
  • 2020年:2万1626台

圧倒的な台数であり、単年で初代NSXやBMW i8を超えています。
1420万スタートの価格は、価格性能比のバランスも良く、ほどほど性能とスタイリングが売れている理由でしょう。

2代目NSXは全く売れなかった理由

ホンダ(アキュラ)ブランドに見合わない価格

量販メーカー製スーパースポーツの「BMW i8、アウディR8、コルベット」というライバルに対して、V6ターボ+ハイブリッドという価値が、2500万に見合うブランドと性能では無かったと言えるでしょう。
さらに、北米ホンダチャネルでなく、アキュラというホンダ高級ブランドチャネル(トヨタのレクサス相当)で、価格設定もアキュラ価格がプラスされている可能性もあります。この点でも店舗数、知名度、ブランド力の全てでマイナスに作用したと考えられます。

価格帯は、ポルシェやフェラーリ級

もはや、話になりません。同じ価格なら欧州製ブランドに流れるのが妥当でしょう。
アメリカ国内には、コルベットという魅力的なクルマが1000万安く買えるとなれば、そちらに流れるのは当たり前と言えます。

V6エンジンだと割高感

V8以上のエンジンユニットが多い中で、V6エンジンは、ややプレミアム感に欠け、価格的なバランスも見合わないでしょう。

システム最高出力は581ps

2000万超えの車としては、特に突出した数値でなく、ここでも割高感が漂います。

ハイブリッドはユーザーが望んだものではない

  • 前輪:2モーター(左右独立)
  • 後輪:エンジン+モーター

緻密なモーター制御により、従来の4WD車では得られないハンドリングを実現していますが、それがアピールポイントになっていない点が残念です。
燃費やエコ、経済性などは、このクラスに必須アイテムではないのです。

0-100km加速を3秒達成するも

これもハイブリッドの効果ですが、2500万級の車としては驚くべきことではなく、アピールポイントになっていないのです。

外観は派手さも無く普通

アメリカのデザイナーによるところが全ての敗因でしょう。
自国市場のニーズを全く把握できておらず、ライバル車の研究も足らず、ミッドシップでありながら控え目なサイドのエアインテークなど、控え目な存在感となってしまっています。

インテリアの安っぽさ

アルミ造形を多用した点が逆効果となっています。当時はホンダ車に多く採用されていましたが、2千万越えの高級スポーツの本質を全く理解していない点が残念です。アキュラレジェンドでも微妙な高級感であったモデルもあり、アメリカンなデザイン開発部門の暴走をチェックできない点が、安っぽさに繋がっています。

ソニー・ホンダのアフィーラ1に漂うNSXのDNA

二代目NSXの失敗点は、アフィーラの傾向に似たユーザー不在、スペックありきの開発車押し付クルマの実態がオーバーラップします。

ソニーとホンダのAFEELA(アフィーラ)はダサいのか失敗か
査定君ソニー・ホンダモビリティの新EVブランド、アフィーラの主要諸元が明らかになるにつれダサイ、失敗との声が聞かれます。これは、本当でしょうか。その実態に迫ります。AFEELA(アフィーラ)の概要2023年1月4日:ソニー・ホンダモビリティ...

NSXが撤退・生産終了の理由を徹底解説:まとめ

0-100km加速3秒は、明らかに高性能

  • 2400万超えの価格は高すぎる
  • ブランドに見合った価格でない
  • エクステリアデザインにインパクトが無い
  • インテリアデザイン・質感が明らかにチープでライバル車の研究不足
  • 4WDハイブリッドの高性能な点が全く評価されていない(誰も求めていない)

コルベットの本質を理解していない北米ホンダ

伝統、デザイン、インパクト、一定以上の性能、コスパ

売れる本質を理解しているシボレーコルベットに対して、ホンダ開発陣が「無駄なハイブリッド」に高性能を追求した結果、ユーザーが求めてないコストアップの塊NSXとなってしまったのが失敗の理由です。

他社ライバル車の研究不足、ハイブリッドの慢心

唯一無二のハイブリッド性能は、他社を寄せ付けないものです。しかし、NSXは所詮プアマンズ・フェラーリであって、コルベット並み価格設定でハイブリッドNSXとしていれば、もう少し売れたのでしょう。

初代NSX、現行GT-Rは、販売的には大成功とは言えないものの、日本製スーパースポーツの立ち位置を理解した価格設定・性能に理解が得られている点でしょう。
その点、二代目NSXは、超高級スポーツカー市場のマーケットニーズを全く理解しておらず、開発担当者の暴走企画にゴーサインを出した無策が招いた結果でしょう。