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トヨタ、欧州向けEV3車種投入の理由

査定君
査定君

トヨタは2025年に入り、欧州市場に新たに投入する電気自動車(EV)3車種投入。この発表に背景と理由を解説します。

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2026年までの欧州ロードマップとは

26年末までに欧州市場に投入予定6車種のうちの3車種はEV

以下の3車種はEVです。なぜ、BEVなのでしょうか?、トヨタお得意のハイブリッド車を投入しない理由とは何でしょうか。

  • 「bZ4X」:マイナーチェンジ
  • 「C-HR+」:全長4.53m級のコンパクトSUV
  • 「アーバンクルーザー」:全長4.3m級のコンパクトSUV

規制値に変更なし、3年延長のみに留まる(欧州委員会:2025/3)

BEVの販売低迷で動向が注目されていましたが「規制値は変更しないが、3年間の猶予期間を設ける」という変更のみに留まりました。

25年と26年は単年での達成義務を免除し、25~27年の3年間の平均で自動車メーカー各社に目標値を課す。電気自動車(EV)の販売低迷や欧州自動車メーカーの業績悪化などを踏まえ、規制の見直しを余儀なくされた格好だ。規制値は変更しないが、3年間の猶予期間を設ける。(引用:netdenjd.com)

HEVが延命できない規制値

「規制値に変更なし」ということは、BEVの販売動向が目標未達であることを認めつつ、規制値は一切変えないことから、BEV/PHEVシフトの方向感に変更なしであることが理解できます。

方向感として、HEVが生き延びられない規制値のままである事が明確です。日本のメディアは、この厳しい実情を伝えるべきです。

欧州電動化は廃案でなく継続

気候変動問題が深刻化する中、欧州連合(EU)は2035年にガソリン車の新車販売を原則禁止する方針は、現時点で廃案になっていません。
2021年、2025年、2030年の段階的な規制強化、罰則規定のルール・方向感は一切変わっていません。

  • EUでは2021年から、新規制基準へと移行し、炭酸ガス排出量が95g/km
  • 2030年度の燃費基準推定値として、CAFE方式で「25.4(キロメートル/リットル)」です。

2025年の期限延長が意図するもの

欧州委員会の最高機関の決定であり、従来の老舗エンジンメーカーが手放しで喜ぶような内容ではありません。規制値に変更は無く、この規制値は、純内燃エンジンやHEVが延命できない強烈な数値なのです。

猶予期間の中でBEV/PHEVシフトを増やすしかないメーカー

規制値に変更が無い訳ですから、自動車メーカーは、欧州域内において目標達成のためにBEV/PHEVシフトを増やすしかありません。(欧州域外の輸出分は含みません)

欧州の販売モデルはBEV/PHEVシフトが鮮明

当然、規制値未達の状況では、罰金が科せられます。

CAFE規制の概要と国産車の今後とは
CAFE規制という自動車の燃費規制は、自動車業界にCO2排出ガスの数値を計測し、罰金を科すものです。内燃エンジンが主たる国産メーカーにとって、経営的にも販売的にも多大な影響を与えています。そのCAFE規制について解説します。

欧州のサイトを見れば、販売モデルのラインナップがBEV/PHEVが大きなウェイトを占めていることが一目瞭然です。

トヨタ、欧州向けEV3車種投入の理由:まとめ

欧州規制ルールに変更なし

BEV低迷、HEV勝利のニュースで盛り上がる国内ですが、欧州規制の3年延期だけでは、ちゃぶ台返しにもなりません。日本国内では、純内燃車とHEVが主力の販売形態であり、2035年時点では、純内燃車をゼロとするだけの緩い規制です。一方、欧州では、上記ロードマップの非常に厳しいルールになっています。

他メーカーと変わらないトヨタの実態

トヨタ製のストロングハイブリッド車があれば、絶対的なマージンを稼ぎ、まだまだ余裕があると予想していました。しかし、この表上ではトヨタでも目標未達の状況です。電動化については、BEV/PHEVだけでなく、欧州の他メーカーも全方位で取り組んだ結果が、上記の数値になっているのです。

今回、2025年に発表されたトヨタ製BEV3モデルは、「背に腹は代えられない」待ったなしの状況であることが理解できます。それが、「トヨタ、欧州向けEV3車種投入の理由」のまとめになります。