「マツダのロータリーHVがトヨタ次期MR2に載る未来」という記事を見かけました。これは本当でしょうか。この真意に深堀します。
トヨタがロータリーエンジンを採用することは有り得ない
過去、「『マークX』の代替となる新しいFRモデルに、マツダが開発した直6エンジンを搭載するという情報をキャッチ。」という記事がベストカーに踊りました。
夢を語るベストカー記事にコメントしても意味が無いかもしれませんが、記事にしてみます。
毎度おなじみ、マツダがトヨタに頼る記事です。同じ次元ですね。
ロータリーPHEVの「IONIC SP」スペック
読者に夢を提供するベストカー
今では、コンピューターグラフィクス(CG)が簡単に作れるようになってから数十年が過ぎ、ニューモデルと旧モデルを繋ぎ合わせたニコイチ画像が簡単に作れるようになりました。
もう、そのような記事を鵜呑みにする方は少なくなっていると思いますが、基本的に実車スクープ画像をベースとしたCGが掲載されるまでは、信用しない方が無難です。
海外CG画像をそのまま掲載するのは論外
特に海外サイトのCGクオリティが上がっており、それをスクープと称して掲載する媒体も多くあります。しかし、そのディテールは、実車スクープ写真すら反映できてない低レベルな画像も多いようです。
トヨタがロータリーエンジンを採用しない理由
プリウスPHEVの性能
- 車両重量:1,570 kg
- システム最高出力:223PS
- 0-100km/h加速:6.7秒
- すでにロードスターよりも早い加速を実現。プリウスの2ドア軽量版で十分でしょう。
マツダICONIC SPの性能
- 車両重量:1,450 kg
- システム最高出力:370ps
- 2ドアクーペのコンセプトカーであり、徹底的に簡素化・軽量化したスペックです。
マツダMX30 REVの性能
- 車両重量:1,780 kg
- システム最高出力:242ps
- 1ローター、FFモデルでこの車重です。ICONIC SPが市販車となれば動力性能の低下は察して知るべし。
エンジンの小型軽量化、ハイパワーなら自社製で十分
トヨタ、ダイハツにはコンパクトなエンジンがあり、あえてマツダ製ロータリーの供与を受けることなど、トヨタにとってプライドが許さないでしょう。
コンパクトなシリーズハイブリッドとしては、ダイハツ製の1.2L発電エンジン+モーターを搭載したライズ・ロッキーが市販されており、ロータリーが入り込む余地は微塵もありません。
エンジンの静粛性、コンパクト製を除けば、燃費や耐久性に問題があるロータリーにメリットはありません。
マツダの記事は他メーカーとは一味違う:まとめ
「マツダのエンジンを他社がまねできない理由」
「ロータリー」はトヨタの次世代EVに採用決定 (東洋経済誌)
このような記事が経済誌を賑わせましたが、あくまでアライアンスとして参画し、レンジエクステンダーの発展も考慮しただけに留まりました。結果的にバッテリーEVモデルしか登場していません。定期運航のバスでは、電欠リスクが少なく発電エンジンを搭載する意味はありません。
過去のマツダ記事を扱うメディア傾向とは
要約すると下記の傾向になると思います。
- マツダの技術は、誇るべきものがある。
- スカイアクティブエンジン、ローターリーエンジンは、唯一無二の存在
- 将来的に、駆動用ロータリーとして復活する余地が残されている(願望)
- マツダのテクノロジーには、誇るべきものがある
- トヨタが採用して当然の技術だ。市販化も近い
- この、まとめを信じるかは「あなた次第」