ライバル他社に比べ、アウディのグレード数字に違和感ありとの声も聞かれます。アウディのグレード検索の方法、グレード数字が意図するマーケティング戦略とユーザー皆さんの声を解説します。
アウディのグレード検索
アウディの車体番号やグレードからの検索
Gazoo – アウディ新車および過去モデル
AIS Dictionary – カタログ車名選択 – (ais-inc.jp)
アウディ グレード数字の一覧表
具体的なグレード数字は下記の通りです。
- 25:80kW以下
- 30:81kW~91kW
- 35:110kW~120kW
- 40:125kW~150kW
- 45:169kW~185kW
- 50:210kW~230kW
- 55:245kW~275kW
- 60:320kW~340kW
- 70:400kW以上
シリーズ表記と数字の関係
AやSなどのアルファベットで各シリーズの特徴を表します。
A1/S1をエントリーとしてA8/S8が最上位モデルとなります。
数字が大きくなるごとにボディサイズやエンジンサイズがアップしハイエンドモデルとなります。
同じシリーズなら数字が大きくなるごとに購入価格も高くなります
グレード数字の命名基準変更
2017年秋から
アウディは2017年秋、各車のグレード名の命名基準を新しく変更し、グローバル規模で導入すると発表しました。新たなグレード表記では、2桁の数字で、出力レベルを示すのが特徴。ガソリン、ディーゼル、g-tron、e-tron共通で適用されます。
「25」、「30」、「45」、「50」、「55」などの2桁数字がモデル・グレード名の表記になり、現在の排気量を表す数字から変更されています。
グレード数字が他メーカーより大きい違和感
ダウンサイジングターボやハイブリッドモーターの追加により、従来のNAエンジンに比べて、実質の排気量と馬力が乖離する実態です。NAエンジンよりもトルクがアップしていることもあり、グレードの数字に違和感はないでしょう。
2リッターエンジンの例
2リッター4気筒直噴ターボを搭載するBMWもメルセデスを例に挙げると排気量からの乖離もなく、両社とも同じようなイメージとなっています。
- メルセデス C200 :184馬力:排気量2.0リッター相当
- メルセデス C180 :156馬力:排気量1.8リッター相当
- BMW 320i:184馬力:排気量2.0リッター相当
- BMW 328i:258馬力:排気量2.8リッター相当
しかしアウディでは、他メーカーへの対抗なのか、以前のグレード数字から変更されました。
ライバルよりも大きく見せようというマーケティングなのでしょうか?。
「Q5 2.0 TFSIクワトロ」だった。ところが現在は「Q5 45 TFSIクワトロ」です。
20から45となり、消費者が混乱する可能性が高いです。トルク的には排気量4.5リッター相当かもしれませんが、排気量的には2リッターのままであり、馬力も同様です。
「グレード数字が大きい」意見のデメリット
変換一覧は、他メーカーと比べても明らかに数字が大きい設定です。
ライバルメーカーの車に対してのグレードがアップしたような錯覚を招きます。
同一セグメントとしての単純比較を分かり難くするものです。
欧米的なマーケティング戦略でしょうか?。車名に工業規格のようなグローバルな統一ルールはありませんが、マーケティング戦略とはいえ、ユーザーの混乱は避けられないでしょう。この変更により、一番混乱されている方は、従来からの実排気量のイメージに慣れている購入者や販売現場ではないでしょうか。
ボディサイズもライバルより少しでも大きくする戦略
過去から、同一セグメントでもライバル車より「少しでも大きく」というおうなボディサイズの拡大を実施してます。
Audi A4 45 TFSIの違和感ネーミング
- 排気量:1,984 cc
- パワー:185 kW (252 PS)
これをBMWでは換算すると3シリーズ(F30)の330iの252psになります。
従来のNAエンジンでいうところの3リッターNAでしょうか。
一昔前の初代シーマが255ps(3リッターターボ)です。
35を超え・・・40も超え・・・45とは。
排気量と数字の乖離が圧倒的
アウデイA3 30TFSI(2021)のスペック
- 30 TFSIは最高出力110ps/最大トルク200Nm
- 1.0リットル直噴ターボエンジンを搭載
- 48Vリチウムイオンバッテリーを用いたマイルドハイブリッドドライブシステム
従来のネーミングなら、数字は下記が妥当
- 排気量そのままであれば「10TFSI」が妥当
- 昔のNAエンジンなら「18TFSI」が妥当
- 馬力だけなら「14TFSI」「16TFSI」が妥当
排気量の3倍表記となる「30」
中身を見ても「30」の数字には違和感を覚えるのは私だけでしょうか?
オーナーが、近所の方や知人に排気量を聞かれた際、「30という数字=排気量3000cc」とイメージを持たれていることでしょう。「1000cc」と答えれば、驚かれることでしょう。実際に車に詳しい有識者が見ても、違和感を覚えるスペックなのです。
A4 35 TFSIは、たったの排気量1.4L
- 「35 TFSI」が1.4Lの直噴ターボ(150ps/250Nm)
- 「40 TFSI」が2.0Lの直噴ターボ(190ps/320Nm)
- 「45 TFSI」が2.0L直噴ターボの高出力版(252ps/370Nm)
スペックは上記になりますが、やはり「たったの1.4L」の排気量に「35」という数字が猛烈に違和感があることがわかります。
ライバルにおいては「35」という数字は、3.5L相当のトルクを搭載する指標となのです。これは、日本車・外車のみならず、従来の価値観が自動車ユーザーに知れ渡っていると言えます。仮にトルクベースだとしても、かなり違和感があります。
実際の売れ筋グレードが最低グレードとなる「35」なのかもしれません。
35TFSIのエンブレムを見れば、従来基準では、3.5L相当イメージになります。アウディオーナーが、排気量を聞かれた際、説明に時間がかかりますね。
エンブレムチューンと誤解を招く可能性
従来のアウディユーザーも欧州車ユーザーから「あれ?エンブレム換えてるの?」と、いらぬ誤解を招く可能性はないのでしょうか?
あらためて、このグレード名一覧表に違和感があり、一般ユーザーの理解が得られない危機を感じてしまいます。
- 25:80kW以下
- 30:81kW~91kW
- 35:110kW~120kW
- 40:125kW~150kW
- 45:169kW~185kW
- 50:210kW~230kW
- 55:245kW~275kW
- 60:320kW~340kW
- 70:400kW以上
現在の基準でいえば欧州車は、ダウンサイジングターボにより、トルク数値も非常に大きくなっています。しかし、アウディのグレード数字だけは、排気量ベースでも、馬力ベースでもありません。
トルクベースとして勘案しても1.5倍ぐらいグレード数字が過大となっている可能性を否定できないでしょう。結果、数字の大きなグレード表示にアウディオーナー自ら違和感を覚えてしまうようです。(これは実オーナーからの素直な意見なのです)
アウディが売れ行き不調の声
一時的に元気だったアウディA4も最近まったく見かけなくなりました。
売れ行き不振の声をピックアップしてみました。
- ボルボやミニ人気に押されている。
- Sトロニックはギクシャクして日本の渋滞路に不向き。
- VWグループの排気ガス不正問題で信頼性が無くなったイメージ
- 右ハンドル車の左足元が狭い。
- フロントマスクが同じで新鮮味がなくなった。
- メルセデスやBMWよりも価格が高く感じる。
その理由は、所有者も疑問に思う「2桁のグレード名数字」も原因とする意見が多いようです。
アウディのグレード数字が大きい・まとめ
アウディユーザーの声として、グレードの数字変更には、違和感を覚える声が多く聞かれます。従来から20TFSIは、2.0Lの排気量相当という価値観が完全に染みついています。メルセデスやBMWのグレード名が欧州車の絶対的スタンダードである以上、それが本線です。絶対的多数派の欧州車ユーザーと第一線の販売現場にとって、違和感(数字を大きさで、「負のイメージ」が生まれる)とは考えなかったのでしょうか。
アウディの人気回復を願う意味を込めて、「負のイメージ」の真の意味を捉えていただくことがマーケティング上の最重要事項であるとする、まとめになります。