「アジアでBEV出遅れ」は好機になる? 日本車が再び選ばれるようになる理由
という記事を見かけました。これは本当でしょうか?
すでに手遅れな状況を解説します。
BEVのネガティブニュースが一発逆転になってない
「アジアでBEV出遅れ」は好機になる? 日本車が再び選ばれるようになる理由
すでにBEVブームが終焉(しゅうえん)したとか、日本のやり方が正しかったとか、トヨタの全方位戦略に間違いはなかったと、もろ手を挙げて称賛する報道を見かける。そんな報道には今更感を感じるのは筆者だけではないはずだ。
引用:マークラインズ(タイの乗用車販売台数)
この表では、絶対的な信頼性とシェアを確保していた日本車が、上記の筆者が語るタイ市場において、前年同月比の数字を見ると酷い販売状況を示しています。BYD製には、BEVだけでなく、PHEVも相当数含まれていると思われ、末期的な状況であることが、指摘されてもいないことが、ポイントです。
この数値の伸びは一過性なのか
「BEVは補助金とセットだから」といういつもの説を語る方も多いです。
タイで2024年の補助金は、1台あたり、たったの5万バーツ(205,000円)程度とBEVを積極的に買うには、明らかに少なすぎます。
アーリーアダプターだけで、このシェアは無理
絶対的安心感で日本車を購入していた層が、あえて中国車を購入しているには理由があります。
タイの消費者は、ハイブリッド車だ、日本製だという、こだわりが無くなり、スマホ同様に中国製BEVブランドに違和感がない状態となったのでしょう。
BEV先進国のシェアに追いついたタイ国
引用:EV_Nativeアーリーアダプターの方は、家充電が基本とすれば、日常の充電は習慣化してしまいます。
BEVデメリットよる、内燃回帰が全くないとは言いません。
ただ、BEVデメリットが長距離移動だとすれば、日常はBEV、遠距離は内燃のPHEVにすれば良く、いずれも日本製PHEV/BEVが入り込める余地は無いのです。
安かろう悪かろうで勝利する時代は終わった
BYDの自動車製造創成期は、2000年代のことです。
日本市場でも販売が始まったBYDに劣悪なチープ感は感じられません。日本車、欧州車信仰の日本において、中国製乗用車に対して、日本の消費者が受け入れるには時間が掛かるとは思いますが、「ヒョンデ」ブランドよりも抵抗感が無さそうに思うのは気のせいでしょうか。
国内メディアは、BEV下げに必死の様子
「アジアでBEV出遅れ」は好機になる?:まとめ
タイの自動車市場でも、再び日本車メーカーが席巻するのか、欧州メーカーや中韓メーカーのBEVが急速に信頼性や品質を高めていくのか。今後も、静かだが激しい販売競争が繰り広げられる新興国市場を見ていきたい。
もはや、BEV出遅れです。BEV充電が習慣化してしまったら最後です。自宅に充電プラグを設けたら最後です。
日本で駆け巡るBEVネガティブニュースは、日本国内のみ通用するガラパゴスニュースです。
BYD製のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、従来の三元系リチウムイオンバッテリーよりも、劣化や耐燃性に優れており、品質的には、一定水準をクリアしているとされる品質になっています。
日本製シェアが減少し、聞いたことも無い中国製自動車が、シェアを伸ばしている状況は、すでにスマホや家電の状況なのです。それは、タイ市場ではBEVや中国製を抵抗なく受け入れる国民性、環境が整いつつあることが、この成長率からも見て取れるのではないでしょうか。
安かろう悪かろうでなく、一定水準に到達していると認めるべき状況なのです。
もはや、日本車のブランド信仰は、このシェア推移をみると崩れ去ったという事を認めなくてはならない状況に来ていると言えます。新興国市場は、急速に侵食されている末期的状況にあると言えます。
日本賛美の記事は、日本の自動車産業がBEV出遅れを決定的なものとする、足を引っ張る存在でしかないのです。