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日本の自動車市場の国産車の強さは異常なのか

査定君
査定君

日本市場は、輸入車を受け付けない「輸入車の墓場」だそうです。
こんなメディアがありますが、本当でしょうか。日本市場の特殊性、実態を解説します。

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日本車が日本国内で強いのは当たり前

なぜ、日本市場では、日本車が強いのでしょうか?

  • 繊細な日本人のニーズに合ったマーケティング、車造りをしているから
  • 高性能かつコストパフォーマンスにすぐれているから
  • ハイブリッド車は、輸入車では作れないから

毎度おなじみのメディアを引用すれば、このような内容になるでしょう。

輸入車を跳ね退ける市場ってどうよ

日本は異例中の異例の、輸入車を撥ね退ける市場を持つ国

海外でも人気の日本車を販売する日本ですから、強いのは当たり前です。当然日本製を買いますよね。
「軽自動車、ストロングハイブリッド車、ミニバン車」は、輸入車でのライバル不在のため、シェア一強になるのは当然の結果と言えます。

高級車市場に以前の活気なし

しかし、高級車市場において、輸入車にシェアをかなり取られてしまっている状況です。
クラウンやレクサスより、輸入車を選ぶ買う方が多い断然多いでしょう。首都圏を走る高級車は、輸入車だらけ、と言っても過言ではありません。

全てのセグメントにおいて、シェアを確保しているとは言えない日本車なのです。
ハイテク部分については、ストロングハイブリッド以外、特筆すべきアドバンテージは、ほぼ無くなっています。技術的先進性において、初代セルシオのような日本車最強伝説はとは言えない

過半数を軽自動車で席巻する日本特有の市場

2022年度の軽自動車シェアは、40.3%、つまり、3台に1台以上が軽自動車が過半数の販売台数を稼ぐ特有市場です。ここに海外メーカーが専用開発してまで参入する市場でないことは、明らかです。

右ハンドル、右ウインカー

国産車は、「右ウインカー」という日本国内のローカル仕様に準拠しています。
輸入車やスープラが採用する世界標準規格の「右ハンドル、左ウインカー仕様」ではありません。
この点でも操作性を重視する方は、日本車を選びますので、輸入車メーカーにとって、右ウインカー仕様は、追加コストを強いられる「日本の右ウインカー鎖国障壁」なのです。

「左側通行の宗主国」の自動車産業が衰退したのは、単に競争力が無く衰退しただけです。
右ハンドル・左ウインカー車を海外メーカーが普通に作れるようになった結果に過ぎません。
「保護主義施策の切り札」とか意味不明な論調とは違う次元と言えます。

ウィンブルドン現象

ウィンブルドン現象(ウィンブルドンげんしょう)とは、「門戸を開放した結果、外来勢が優勢になり、地元勢が消沈または淘汰される」ことを指します。

人目に触れない家電から浸食

スマートフォンに限っては、メーカー名を隠して「ブランド名」で売るような姑息な戦略でシェアを広げ、現在では、メーカー名ロゴを記載するに至っています。
白物家電において、機能よりも価格優先のモデルでは、かなり浸食されてきているでしょう。

輸入車を撥ね退ける市場なのか

低価格モデルは、日本車の信頼性が高い

低価格帯モデルは、日本車(国産車)が席巻しています。
そこに欧米のローエンドモデルや中韓印車を送り込んでも売れないのは、価格に見合うだけの性能や品質が国産車相当に達していないからです。

ハイブリッド車が選ばれる

経済性の高いハイブリッド車を選ぶという理由から、日本車を選ぶ方は多いでしょう。
これが、日本国内で日本車が強い理由として掲げるのであれば、具体的な理由になると思います。

いくら日常の足とは言え中韓車を選ばない

2020年基準で言えば、国産車品質並みに近づいている車種も数多くあります。
しかし、ブランドとして韓国車、中国車を買いたいとは思わないのが嗜好品としての車です。
売れなくて当たり前です。アジア製の洋服やバックと車は、大きく違うのです。
日本市場は、車選びにおいて、安価なクルマにおいてもブランドを重視するようになったのです。

日本において車は足だけでなく嗜好品

過去、OPELやフォード製を国内導入しましたが、販売が伸びない理由は、日本車のクオリティと日本人の志向にマッチしていなかっただけです。

右ハンドル圏を軽視するマーケティング

日本車は、主要マーケットの多くが左ハンドル圏となるため、左右均等のポジションを考慮したクルマを作ります。一方、海外メーカーの一部では、未だに取って付けたような右ハンドル仕様車があります。(以下例)

  • 左ハンドル車専用設計をベースとした、後つけ右ハンドル
  • 結果、運転者の左足が狭かったり、不自然な運転姿勢を強いられる

従来から日本市場に参入しているメーカーによっては、日本のユーザー意見を反映して、改善に努めるメーカーもあれば、軽視するメーカーもあります。
これは、メディアが言うような外国メーカーの技術力が無いという話ではなく、メーカー毎のマーケティングの問題です。

日本の自動車市場の国産車の強さは異常:まとめ

鎖国市場のマーケティング

  • ハイブリッド車の優位性を唱えるマーケティングが浸透
  • 日本市場特有のミニバン
  • 世界から叩かれる軽自動車の優遇税制、特殊仕様・特殊規格
  • 教習車から染み付いた右ウインカー仕様のインターフェース
  • 人口減の日本市場。日本専用モデルを作るのは日本車メーカーのみ・・・当たり前

最強の日本車も高級車市場ではシェア取られまくり

  • レクサスが健闘しているとは言えない高級車市場
  • 特に高級SUV、高級セダン市場は見る影もない

車は嗜好品

きめ細やかな日本車ですから、初代セルシオは、欧州車を圧倒的に凌駕するクオリティを確保していたのですが、最新レクサスLSに見る影もありません。
当時にくらべ、Dセグメント以上は、欧州車が街中で見かける機会がかなり増えているのです。

現状、「FCEV最優先・EVネガティブ宣伝」のメディア影響により、今後も日本市場ではEVが低迷する可能性が高いです。

成熟した日本市場です。失われた30年により、高燃費ハイブリッド車、軽自動車に流れた消費者も景気が上向けば、嗜好品としての車選びが強化されていくでしょう。
その時、目が肥えた消費者は燃費最優先、経済性最優先の車を選びません。
当然、品質が日本車基準に追いついただけの韓国車も選びません。という「まとめ」になります。