
日本でも世界でも失敗の烙印が押されたFCEVです。
CR-VのFCEVは失敗、売れない、ダサイ確定でしょうか。
CR-V FCEVが失敗する理由を解説します。
ホンダCR-Vとは
引用:ホンダ公式サイトより
1995年に登場した初代CR-V
- 4500mm未満のコンパクトSUV
- 最廉価グレードが172万円から
- あくまでシティオフロードな四輪駆動性能
- 約23万8千台のヒットを記録
2001に登場した2代目以降、日本で人気下降
キープコンセプトで登場。デザイン面での安っぽさは解消しています。
日本では、SUVよりもミニバンへ人気がシフトし、日本向けのCR-Vが低迷しました。
一方、北米や中国では、CR-Vが人気モデルとなりました。
2007に登場した3代目以降、海外市場向けがメインマーケットに
全幅1820ミリとなり、すでに日本市場を捨てて、海外メインのボディサイズとなりました。(コンパクトSUVでは、かなり早い部類)
さらに、車格や質感が、上級志向となった点は良いのですが、価格が相当アップしたことから、旧CR-Vユーザーの離脱が加速します。上級SUVユーザーの取り込みにも失敗し、日本向けCR-Vとして混迷の時代を迎えます。この頃からでしょうか。CR-Vの車格と価格のバランスの悪さが目立ったホンダ車でした。
一方で、海外市場では、3/4/5代目として、爆発的なヒットモデルとなり、ホンダを支える屋台骨モデルとなりました。当然、日本市場はオマケ扱いというような内容となり、日本マーケット受けしない海外専用モデル化したCR-Vでした。
6代目CR-Vとは
2022年登場の6代目となるCR-Vです。
日本でも売れそうなデザインですが、2023年時点で、日本導入は見送られています。
- 1.5Lターボのエントリーモデル:北米3万ドルですので、日本では450万 (1ドル150円換算)
- 最上位ハイブリッドモデル:北米4万ドルですので、日本では600万
円安の影響か、日本の購買力が落ちた結果、399万スタートでないとCR-Vも厳しい戦いを強いられそうです。もはや、価格から初代CR-Vの面影は微塵も感じなくなった6代目です。
ZR-Vの外観に気に入らない層向けに確実に支持されるCR-Vデザインです。

6代目CR-Vボディサイズ
- 全長:4805mm
- 全幅:1865mm
- 全高:1690mm
- ホイールベース:2700mm
CR-Vの「e:FCEV」とは
E-FCEVとは
「FCEV」と「PHEV」のそれぞれの機能を併せ持つのが、今回の新「CR-V e:FCEV」です。
トヨタMIRAI(FCEV)やトヨタクラウンFCEVには、PHEV機能(プラグインハイブリッド)は無く、近年のFCEVモデルとしては、珍しい併用機能となっているのがCR-Vの特徴です。
水素を充填して走る燃料電池車(FCEV)
- 充填した水素を酸素と化学反応させて電気を発電し、モーターを駆動して走行
- 水素満タンで600km以上を走行可能
- 水素充填は約3分で完了
- 燃料電池システムは米国のGMと共同開発
- 水素燃焼により、排出される排気ガスはクリーン
- 水素充填口は左リア
プラグインハイブリッド車(PHEV)
- バッテリーは17.4kWで床下に搭載
- 充電口は左フロントフェンダーに設置
- 日常走行では60km以上走行可能なBEV
1日あたりの平均移動距離は、広大な北米でも60km程度とされ、上記のバッテリー容量があれば足りてしまうことになります。日本のユーザーであれば、十分な距離でしょう。
なぜ、今までFCEVのPHEVが無かったのか
PHEV車において、日常のチョイ乗りであれば、純BEV走行で事足ります。
よって「FCEVは長距離走行用途のみ」です。
PHEVは、FCEVよりBEV化を促進する仕組み
少しでもBEVの充電生活が慣れてしまったら、次の愛車は純BEVでしょう。
純FCEVに流れることなど絶対にあり得ません。
この点が、トヨタがMIRAIをPHEV化しなかった理由でしょう。
PHEV化は、FCEVの発展を妨げ、むしろBEV化を促進してしまう「諸刃の剣」なのです。
たま~に水素スタンド探すならガソリンPHEVが良い
- 全国の水素ステーション数:たった161ヵ所(2023/12)
- 誰が考えても、高価なFCEVを選ぶ理由は存在しません。
メーカーの想い
- 過去、FCEVのクラリティフューエルセルを復活させたい技術者の独りよがり
- エンジンメーカーが生き残る策としてのFCEV
- 消えたFCEVの復活
BEVの延長線上にあるPHEV化してまで、FCEVにコダワル理由など全くありません。
PHEV化は、FCEVの存在意義の否定に直結するものです。
クラリティの撤退で将来性の無さを学習したのでは、無かったのでしょうか。
FCEVがオワコンの理由
すでに日本市場での低迷は明らかです。
水素価格の値上げも見られ、ユーザーの離脱、中古車価格の暴落はBEVの比ではありません。



ホンダの次世代ユニットの事業計画も見直し(2025/6)
- ホンダは真岡市の工場設備を活用し、自社開発の次世代燃料電池モジュールを生産する専用工場を年間3万基の生産能力で2027年度に稼働させる計画で準備を進めてきた。
- しかし、世界的な水素市場の環境変化を受け、生産能力の下方修正および稼働開始タイミングの後ろ倒しをする方向で事業計画を見直すことを決定
トヨタMIRAIの超低迷状態にあることは以前から明らかになっており、計画見直しは規定路線とも言えます。水素のインフラ普及よりも車を売ることを優先した結果、インフラ自体の縮小と補助金頼みで経済性を無視した水素燃料電池は、風前の灯となっています。
CR-Vはリース販売の意図とは
英国ホンダでの販売価格
- CR-Vの2.0Lガソリン+PHEV:53995ユーロ(約879万円)
- CR-Vの2.0Lガソリン+PHEV:45895ユーロ(約747万円)
- e:Ny1のBEV:44995ユーロ(約857万円)
CR-Vの内燃エンジンのPHEVでさえ、この価格です。
英国価格をベースに北米価格のガソリンPHEV価格は、710万ぐらいを予想(2024/2)します。
さらにFCEVはガソリンよりも100万アップとするとの予想通りの価格となりました。
2024年7月19日に正式発売
- 自治体や企業だけでなく一般ユーザーも購入可
- 販売方法は「リース」限定
- 最大5年、たった5年で返却するリース期間
- 5年という期間は信頼性に疑問があるのか不明
- 車両価格:809万4900円に設定
トヨタ製FCEV価格暴落を学習した結果のリースなのか
あまり、販売台数を見込めないとの予想からか、リース販売という方式なのでしょう。
いくら補助金ありといえども、CR-Vクラスでこの価格は厳しいでしょう。
トヨタMIRAIの中古車価格の暴落を見れば、CR-Vが中古車市場に出た際の下落は驚きの価格になることが予想され、リース化は中古車価格の暴落回避を意図している可能性もあります。
唯一、PHEVという点で短距離BEVにも使える点で、トヨタ製FCEVよりも商品価値が高い点です。
CR-V e:FCEVは失敗なのか:まとめ
AIは失敗認定しない点に違和感を覚える
AIは、「CR-V(FCEV)は失敗と断定できない」そうです。時期尚早という判断結果ですが、ホンダはFCEVの次期FCEVユニットの生産を見送ったことからも、失敗と断定できると言えます。
ZR-Vデザイン嫌いな、CR-V潜在ユーザーを取り逃がす
ホンダファン、CR-Vファンに残されたCR-V購入の選択肢は、e:FCEVのみです。
素のガソリン、ガソリンPHEV・HEVを求める声が圧倒的多数でしょう。
まさに、ユーザー不在の典型例な状況となり、これこそが技術者の押し付けがましい車の筆頭となります。
販売側も苦しいセールスを強いられる
販売店側も近隣に水素スタンドが無ければ困る状況が発生するでしょう。
結局、CR-VのPHEVは、EV利用の日常メリットに全面に押し出してセールスすることになります。まさに水素は「二の次」「三の次」の存在なのです。
結果、FCEVのPHEV化により、自宅充電の利便性と充電習慣をユーザーに植え付けます。
サンデーユーザー、近距離用途のユーザーにとって、PHEVこそが主たる機能なのです。
水素燃料補充こそが、遠くの数少ない水素スタンドに向かわせるムダな作業になることを意味します。
FCEVの亡霊が彷徨う
- FCVクラリティの失敗を忘れたのでしょうか
- 巨大な水素タンクで使えない荷室
- エンブレムを見ないと分からない、FCEV感のないスタイリングは購入意欲減少
- 補助金三昧の日本でFCEVが全く普及していない実態は見て見ぬふりなのでしょうか
- トヨタMIRAIが全く売れていない理由を忘れたのでしょうか
- 水素スタンドが全く増えず、水素価格高騰の現状を知らないのでしょうか
- トヨタMIRAI、クラウンFCEVが、なぜPHEV化しない理由を考えなかったのでしょうか
- PHEVは、BEV化を促す、促進剤であると考えなかったのでしょうか
- BEVの価格低下が進んでいる今、FCEVが入り込める余地はあるのでしょうか
- 莫大な開発費を投入し、エンジン製造の雇用を守るための救世主とされた水素燃料電池車(FCEV)の実態とは、日本のBEV出遅れを招いた真の疫病神ではないでしょうか
AIは、失敗と認めませんが、FCEVが失敗なのは明白です。早々に撤退し、ガソリンPHEVのCR-Vを待ち望む国内ユーザーに提供すべき、とする「まとめ」とします。
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