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ホンダ日産三菱連合の採用OSとは

査定君
査定君

今後の電気自動車における巨額の開発費負担軽減を図るべく、トヨタ連合(スバル・マツダ・他)に対して、ホンダ日産連合に三菱が加わる話が出てきました。
ホンダ日産連合のOS統合化について今後の流れを予想します。

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三菱自動車の筆頭株主は日産

日産は三菱自動車の株を34%持っている筆頭株主ですから、三菱のみ独自路線を進むことは無く、日産との協業となります。

  • PHEVは三菱
  • e-Powerは日産
  • BEVは日産

現在の技術、ブランドを無駄にせず、パワートレインやプラットフォームを徐々に集約していく流れを予想します。

中国市場の低迷

中国市場においては、内燃エンジン、ハイブリッド車の低迷が顕著になっており、トヨタも例外ではありません。さらにホンダや日産の売り上げ減少は、さらに厳しい状況となっています。
販売台数の3割を超えるような巨大な中国市場からの撤退も避けられない状況です。

BEVはオワコン、HEV勝利論が、駆け巡る国内メディアの論調ですが、海外に目を向ければ、電動化路線一択に変更はありません。
内燃エンジン市場だけで生き残るのは難しく、ホンダ・日産・三菱・ルノーが持つ電動化資産を共有化しながら、生き残る方策しかありません。
中国国内の合弁メーカーとの協業に未来は無いのです。

技術面では甲乙つけがたい

PHEVは三菱

アウトランダーやミーブでは、長年の電動化ノウハウの蓄積もあります。

BEV、e-Powerは日産

バッテリーEVではリーフの販売台数、ラインナップ、過去のノウハウ蓄積でも日産が一枚上手でしょう。ホンダが乗り気でない日産との協業を選んだのもこの部分と推察します。

リーフ、e-Powerブランドとしてのモーター駆動車販売では、ホンダ車よりも電動車を多く販売している実績もあります。

純HEVならホンダ

内燃エンジンとモーターの協調介入では、ホンダのe:HEVが日産の一歩先を進んでおり、シリーズハイブリッドのe-Powerよりも高速走行などが勝っているシーンもあります。
燃費制御では現在のホンダ車が一枚上手でしょう。
メディアでは、HEVの見直し論やトヨタ優位論からすれば、日産三菱がやや弱いパラレルハイブリッド車として、ホンダ製を採用する可能性もあるでしょう。

技術面では成熟の域

トヨタ製THSを除き、各社の電動化技術は横並びとも言え、ユーザーも燃費性能だけを求めて車を購入してはいないと思われます。
海外市場向けのBEVも新型が発表されており、バッテリーとモーターを組み合わせるBEVについて、老舗自動車メーカーのとしての優位性が無くなってきていると言えます。

ホンダのBEV・PHEV

ホンダは、FCEV(水素燃料電池車)のクラリティ(販売終了)など、トヨタと同様、将来のメインストリームにFCEVを掲げた結果、BEVについては老舗自動車メーカーとしてもかなり出遅れ感が目立つ状況となってしまいました。
トヨタをライバル視したHEVを重視した結果、世界の情勢から取り残され、市場競争力として他社BEVに見劣りしている感があります。

  • 欧州、日本市場向けのホンダe(販売終了:2022)
  • ホンダCR-V(FCEV+PHEV:2023)
  • ホンダe:Ny1(2023)
  • ソニーとの協業「アフィーラ)(2023)
  • ホンダGM協業の「プロローグ」(2023)
  • 米国発表のホンダ「ゼロ」シリーズ(2024)
  • 中国市場のホンダ「イエ」シリーズ(2024)

日産のBEV

2010年代初頭、リーフを発売し、世界の電気自動車トップグループに位置していた日産です。
日本国内のBEV軽視施策、FCEVとHEV重視施策により、日本国内のBEV市場は全く盛り上がらず、ランキング圏外になった日産です。
先代ノートe-Powerが無ければ、HEV市場からも完全に撤退していた可能性も高いでしょう。
電動化技術の蓄積はあるものの、中韓メーカーに追い越された感が拭えません。

  • モデル末期:日産リーフ
  • 割高感:日産アリア
  • 日本市場のユーザー層には行き渡った感:日産サクラ

車載OSの共通化とは

日産陣営はgoogle OSの採用決定済

ルノー・日産自動車・三菱自動車、Googleと次世代インフォテインメントシステムで提携

ホンダもgoogle OS採用決定済

2023のホンダアコードやソニーアフィーラもGoogle Androidを採用しており、インフォテインメント・コネクテッドカー部分は、google OSの採用による共通化というシナリオは出来上がっているのです。この部分では独自システムのトヨタに比べて協業しやすいでしょう。

ホンダ・日産のインフォテインメントOSの共通化は決定事項

ホンダも日産も巨額の開発費がかかるコネクテッド部分は、自社開発継続を諦め、グーグルに乗っかる選択をしたことになります。

少なくともインフォテインメントにGoogleを採用したことで、位置情報を含むかなりの情報をグーグル社に吸い上げられてしまうことを意味します。これは、老舗自動車メーカーにとって耐えがたい内容ですが、巨額の開発費に対して背に腹は代えられないことを意味しています。

ホンダセンシング、日産プロパイロットは併存

自動運転としての「日産プロパイロット」や「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の部分は、ハードウエア制御と密接に絡んでおり、今後のエンジン・モータープラットフォームをどちらに寄せるのか併売するのか、にもよるでしょう。
今時点では、数少ないBEVを全てラインナップとして掲げるしかないのです。
少なくとも、一部自動車評論家が語る車種統合・OS統合の心配をするのは、もっと先の話と言えます。

持ち駒が少ない今、無理に統合する意味無し

Googleの自動運転車は、今も開発を継続しており、インフォティンメントだけでなく、この部分もgoogleシステムに委ねてしまうという案もあるでしょう。

これは、全てをGoogle支配下に委ねることを意味しており、自動車メーカーの存在価値を問われる部分でもあります。日米欧自動車メーカーは、Googleとの住み分けを模索している状態です。

SDVの実現には時間が掛かる日本メーカー

電動化部品、車載システムなどで、制御の共通化、統合化によるコスト削減効果は、テスラなどの先行メーカーを見れば、コスト削減効果は絶大です。
トヨタ同様に、サードベンダー、サードパーティの統廃合は容易ではなく、日本型経営の欠点をテスラ型に変更するのは簡単ではありません。
開発途上のBEVは、そのまま市販化するしかなく、ホンダ日産の協業統合BEVの登場は、だいぶ先の話になり、部品レベルの統合化から徐々に進みます。

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統合OSでの出遅れは取り戻せない

ホンダは、開発投資の数兆円を統合OSに充てる意気込みです。
しかし、「Google OS」を採用した流れの中で、インフォティンメント以外の車両統合制御、情報収集部分は、もはやテスラや中国メーカーに追いつくことは無理でしょう。

  • インフォティンメント:GoogleOS採用決定
  • 統合OS:自力開発との報道もありますが、手遅れな感
  • SDV:自力開発との報道もありますが、手遅れな感
  • バッテリー米国生産:ホンダ(LGES)から日産へ供給
  • 財務・資本力:ホンダ > 日産
  • 自動運転制御:ホンダ = 日産
  • EV制御:日産 > ホンダ
  • パラレルハイブリッド制御:ホンダ > 日産
  • シリーズハイブリッド制御:日産 > ホンダ
  • eアクスル:ホンダ = 日産
  • 内燃エンジン:ホンダ = 日産

単に現在の市場シェア占有率から見た大小関係です。
資本力関係だけで見れば、ホンダの支配下に下る日産です。
技術の日産としてホンダに勝る部分もありますが、チカラ関係的に優位性の維持は難しいでしょう。

ホンダも日産は、国内のハイブリッド、FCEV傾注施策によって、海外のBEV施策の流れから取り残された被害者なのです。円安効果により空前のハイブリッド好景気に沸く、日本車勝利宣言がいつまで続くのか、気になる所です。

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ホンダ日産三菱連合の採用OSとは:まとめ

  • ホンダ・日産陣営のgoogle OS採用は決まっている
  • 自動運転のホンダセンシング、日産プロパイロットは、当分のあいだ併存
  • BEVとして協業できる分野からの統合になる
  • 現在の内燃モデルが早々に統廃合するわけではない
  • SDVよりも、価格・性能・デザインでホンダ・日産陣営としての個性を出すことが重要
  • 自前OSを採用する、TESLAやBYD、中国携帯メーカーとは、差が開く一方です。