ホンダのヴェゼルの2代目は「ダサい」のか「失敗」なのか、
初代に比べた低迷理由は、デザインにあるのか、独自の分析、洞察による辛口の評価を解説します。
ヴェゼルの概要
- コンパクトクーペSUVとして、手頃な価格とコンパクトなサイズ感
- スポーティなスタイリングやインテリアなどの独自性が受け入れられ、初代が登場し人気となりました。
- ボディサイズ感は、キープコンセプト
- パドルシフト
- リアアウタードアハンドル(Cピラー部のドアハンドル)
- 直列4気筒1.5Lエンジン、ハイブリッドの信頼性は初代よりも圧倒的に向上
初代VEZEL(初代 RU1/2/3/4型:2013年 – 2021年)
- 7速DCT
2代目VEZEL(RV3/4/5/6型:2021年~)
- CVT化で、燃費と信頼性を向上
- メカニズム、機能、装備面で劣っている点は、2代目に見当たらない
- 2代目の不満点は、デザイン一択に集中
2代目は初代ほど売れてない
モデル末期となる2019年もコンスタントに売れていた事がわかります。
2代目が登場したものの、初代モデルの販売台数を超えられていません。
コロナ影響、部品不足の影響はあるものの、初代ほどの人気が得られていないようです。
年 | 販売台数(イベント) |
---|---|
2022 | 50,736台 |
2021 | 52,669台(2代目登場4月22日:5,000台) |
2020 | 32,931台 |
2019 | 55,886台 |
2018 | 59,629台(マイナーチェンジ2月15日:5,000台) |
2017 | 64,332台 |
2016 | 73,889台 |
2015 | 71,021台 |
2014 | 96,029台 |
2013 | 2,207台(初代登場12月19日:目標4,000台) |
新型ヴェゼルはダサイですか?
ネット上、さまざまな意見が見られます。
「EVを意識した先進的なデザイン」なのか
グリルレスのデザインについて、このような表現があります。
このような見方は、正しいのでしょうか。
- EV車のフロントグリルについては、エアー導入不要のため、「ボディ同色パネル」で覆う手法
- 最新レクサスのボディ一体化グリルの「スピンドルボディ」
上記のデザイン手法とは、異なり、素人カスタマイズ車に見られる「ボディ同色で塗っただけの違和感」があります。
ボディ同色グリルに批判集中
近年は、メッキ部分を全てブラックアウトするブラックグリル化が流行っていますので、ブラックボディ仕様で、ヴェゼルのノーマルグリルは、むしろ違和感がないでしょう。
問題は、ブラック以外のボディカラーとのアンマッチ感、ミスマッチ感です。
フィットやフリードの同色グリルが批判されたように、ヴェゼルについても日本では好まれない事が明確なようです。
CX-5やハリアーに似ている説
フロントマスクが、マツダCXの金太郎飴デザインに似ているとの意見は、その完成度が高いことが、デザインだけで持っているマツダ車人気の理由なのでしょう。
CX-5と比べ、パーツの位置やサイズ感が似ているでしょう。その黄金比(細目ライトと大型グリルの関係性)は、似ていると言えるでしょう。
ボディ同色グリルでは、似てない感を打ち出せたものの、オプショングリルでは丸わかりの図です。
テールは、横一直線のLED部分の意匠だけは「ハリアー」が似てなくもないですが、夜間見る限り、見間違えるほど似てません。
オプショングリルが唯一の救い
ヴェゼルのライト形状、グリル形状のバランスも悪くありません。
台無しにしているのは、ボディ同色グリルです。「シンプル」「白物家電」色々な言葉を並べて、新しいデザインの正当性を訴え、それを理解できないヤツのセンスが無いのだとプレゼンでも語られていそうですが、カッコ悪いものは全否定します。
WR-Vの装備内容に幻滅し、ヴェゼルに流れてきた層には、必須装備です。
これは、最近の事例として「スバルレヴォーグ・レイバック」のオプショングリル設定例同様に、オプション設定がノーマルを明らかに超えてしまう典型例です。
今後、登場するマイナーチェンジモデルでも、「同色グリルは成功事例」だと言い張って、そのまま続行しそうな感があります。
テールがハリアーなのか
横一本のテール上部LED、確かにハリアーに似ているようです。
ハリアーは、両サイドの下部のウインカー部分も基本的に直線基調にまとめられています。
フロントからリヤまで基本的に直線基調でまとめた今回のヴェゼルデザインであれば、ハリアーのような直線基調テールが正解だったと言えます。
S660やNSX風のテール風を踏襲したのか
- S660は、下部も角ばっている
- 2代目NSXは、もはや形状や光り方が、全く似てない
S660やNSXテール風なのだとする、デザイナー動画の分析もありましたが、似てないです。
「フロントLED、グリル、ボディサイドのプレス、屋根は、全て直線基調」のデザインでまとまっているにも関わらず、テールLED下部デザインやリヤハッチのプレスが丸みデザインとなっており、完全にミスマッチです。
- 特に、デジタル破線ドット風のLEDが意味不明です。(完全にミスマッチ)
水平基調が正解なのか
第9回…ホンダ『ヴェゼル』には思わず振り返らせる品の良さがある
売れるクルマが良いデザインとされる日本。
そんなことは一切ありません。デザインが良いから売れるのです。
50プリウスは売れたクルマですが、最悪デザインの車もあります。
一般的にシンプルなクルマはあまり売れず、評価もされません。しかし、そんな中、ホンダでとてもシンプルなヴェゼルが開発されたことは意味のあることと考えます。
グリルがボディ同色というだけであり、それ以外のデザインにおいて、ヴェゼルをシンプルデザインとするには無理があるでしょう。リヤテールは複雑なアールを描き、直線基調ではありません。
特にルーフラインやキャビンの形状には、それがより感じられます。実は水平基調で格好良いクルマをつくるには、優れたバランス感覚が必要で難しいんです。
グラスエリアが異様に狭く感じますし、リアドアがリムジンのように長く感じます。
ボディは直線形状でも問題ないですが、ルーフラインは直線とする必要はなく、むしろ先代の方がまとまりはよい、一般的なSUVクーペの王道ラインです。
グラスエリアが狭いという違和感
あえて、デフォルメ画像にしてみましたが、新型ヴェゼルとすれ違った時の違和感は、グリルよりも屋根が潰されたようなデザインの部分です。SUVクーペというスポーティ感とは異なり、屋根が直線的なデザインである(5ドアハッチ風)が微妙です。
車高の低さがクーペSUVの正解ではない
元祖クーペSUVとして、居住性をやや犠牲とし、スタイリング優先のBMW X偶数版がベンチマークとなります。ルーフ後端からならだかに下がるデザインです。
実用性重視のSUVというよりも、ニッチ市場向けとして割り切ったデザインとなります。
デザイナー動画で語られていた最新プジョーSUVに見られるルーフ直線基調のデザインは、その昔「5ドアハッチバック」で検索すると出てくるデザインであり、過去の日本車に留まらず、出ては消えたデザインとして、市場評価として全く高いものではありません。
2ドア風クーペSUVを確立した初代デザイン
ジャパンオリジナルの典型例ともいうべき、クーペSUVの完成系デザインです。これが売れた理由にもなっているでしょう。
- ボディサイドパネルから、リアのドアハンドルに流れるライン
- ドアハンドルのデザイン的な存在意図も明確
- 後席頭上高を確保しつつ、このサイズでクーペ感を両立した先代ヴェゼル
ハリアーのように、クラス上のサイズ感であれば、リヤドアやCピラーのデザイン自由度も大きいのですが、先代ヴェゼルは頑張ったデザインだったと言えます。
クーペSUVデザインを台無しにした2代目
初代の成功例を無視し、何か違う方向に走ってしまった2代目です。ステップワゴンやフィット同様、意味不明なデザインコンセプトの影響でしょうか。
- 車高を低くすることがクーペSUVの正解ではありません
- リヤ後端を斜めにすれば、カッコ良い正解ではありません
- Cピラー傾斜を強めたため、先代よりも頭上クリアランス悪化、誰も望まないデザイン
- 取って付けたリアドアハンドルの意味不明
- むしろ、初代デザインを否定してるのに、リアドアハンドルだけ踏襲する意味無し
- リアドアの高さが低く、まるでリムジンのような、やけに長いリアドアに
- ボディサイドラインが高めであることが強調される直線的なデザインのため、ガラスエリアが異様に狭く映り、屋根が潰された感が強調され、ペッタンコな不自然デザインに
2代目修正図
先代よりも車高を下げず、デザイナー動画が語る屋根が直線基調でなくでも、居住性とクーペデザインを両立させる図です。ガラスエリアがペシャンコになった不自然感をあるべき姿に修正
- 車高を上げて、フロントウインドーを寝かす
- リアウインドーを立て、リア頭上クリアランスを確保
- ボディサイドの直線ラインは崩さす、屋根まで直線ラインにしなくてもクーペ化は可能
- Cピラー傾斜角を緩めにしても、クーペ感やスタイリッシュ感は失われません
- 腰高なウエストラインとガラスエリアのバランスも保たれ、屋根ペッタンコ感が解消
- もはや、リア上部ドアハンドルにする意味はなく、普通のドアハンドルで良いかも
インテリア、装備、走りの評価
エクステリア、外観の不満点を書いてみたので、インテリア、装備、走りの点に触れます。
インテリア
- センターコンソール下の物置が便利だったのですが、今回は普通のタイプになり残念です。
- インテリアの質感は価格相応(やや硬質プラスチック感):△
- 最近のホンダ車風の直線基調デザイン:〇
- 後席足元:〇
- 後席頭上:×
- 後席ヘッドレストの高さ:×
装備
- 車格的にライバル車に比べて全く問題ありません。
- 上級車と比べればキリがないのですが、200万円台スタートの車としてみれば、一定水準以上の装備があります。
- WR-Vの装備に不満がある場合は、ヴェゼルを選ぶ事になるでしょう。
エンジン、走り
- 車格的にライバル車に比べて全く問題ありません:〇
- ハイブリッド車であれば、静かで全く問題なしです:〇
ホンダのヴェゼルはダサイのか、失敗か:まとめ
2023年10月の範囲台数は、7千台を超え、月販目標の5千台を超えており、初代並みの人気となってきました。結果、2代目も市場で見かける機会も多くなっています。
- CX-5やハリアーに似ている、パクリ説
- 同色グリルが、カッコ悪い
- テールランプの破線点線が、カッコ悪い
- 腰高なウエストラインため、視認性が悪い。駐車場のチケットを取るのが不便
- ガラスエリアが狭く、車高が低く見えて、アンバランス
ネット上、ネガティブ意見はあるものの、初代から受け続ぐヴェゼルDNAの出来の良さが、市場に認知されてきているのでしょう。
2代目ヴェゼルは「ダサくない」をまとめとします。
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