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成瀬弘氏とレクサスLFAの事故原因とは

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事故とシートベルトの状況

4点式シートベルトが外れていた説

地元新聞では、両車ともシートベルト装着と報道されており、4点式シートベルトが外れていたという記述が正しいのか確認出来ていません。行動にも関わらず、ヘルメットを装着する運転を想定しているのですから、シートベルトを着用していたと推測するのが妥当でしょう。

体調不調により、シートベルト未装着の説

体調不調により、4点ベルトを外してドライブ、事故後の死体解剖無しで死因不明という説もありますが、地元新聞では、両車ともシートベルト装着と報道されており、4点式シートベルトが外れていたという報道はありません。

エアバッグ装置をオフにしていた説

LFA側は、テスト走行中の強いショックによるエアバッグの誤作動を防止するためにエアバッグ作動をオフにしていたとの説もあります。実際にビデオ・写真ともに、エアバッグは作動して全開になっており、エアバッグ装置オフ説は、誤りと判断されます。

BMWもLFAもドライバーはヘルメット装着

現地の新聞報道では、BMWの乗車2名、LFAの乗車1名は全てヘルメット装着とのこと。
「ヘルメット装着 = 危険なケースを想定している」と判断できるでしょう。
市販前の試作車(カモフラージュ加工)でも一般公道でテストしますが、スクープ写真上、ドライバーがヘルメットを装着していないケースが、ほとんどでしょう。ニュルブルクリンクの公道テストは、危険なシーンを予め想定したテストが行われていたと言えます。
その後、BMWはヘルメット装着を否定する見解を出しているようですが。

公道でのメーカーテストが実態の説

場所は、ニュルブルクリング周辺の一般公道です。両車ドライバーがヘルメットを被っていた状況から、法定速度を超えるリスクに備えたテスト走行と考えるのが妥当でしょう。結果的に双方とも自業自得という他ありません。
テストドライバーの自発的行為の可能性もありますが、一般公道という場所を考えれば、メーカーの監督責任も問われるところです。

LFAのメカニカルトラブル説

事前に専用テストコースおいて、一通りのテストを終了し、安全性を確保した上で、一般公道テストとなります。公道テストという低速域でメカニカルトラブルが発生したと考えるのは、あまりにも無謀な説です。

よって、スピード超過による単純な運転ミスの事故です。
レーシングドライバーといえども一般公道でのテストは問題外です。

ヘルメット装着が死亡原因説なのか?

  • 死亡原因として「頚椎損傷」とする、他メディア記事が見当たりません
  • エアバッグが開いており、運転席エアバッグ機能オフとする、他メディア記事なし
  • 「ロールゲージ」が入っていない様にも見えます
  • 公道テストでは4点ベルトを緩めていた可能性もあり(推測です)
  • 顔を隠すことが目的なら、サングラスや帽子で良いでしょう。ヘルメットもスモークシールドが必須ですが、鬱陶しくて開けてしまうのでは?
  • ナンバー登録車両ですから、事故を起こせばドライバーの素性は隠せないでしょう。では、誰のために顔を隠す必要があるのでしょうか?
  • ヘルメット装着は、覆面用というよりも安全面と思われます。(顔を隠すためとする理由に違和感)
  • レーシングドライバーが「HANSデバイス」の有用性を知らず、ニュルブルクリンクの本コース走行用に未装着としていたなら、違和感がある。

LFAは欠陥車だったのでは?

下記の写真では、事故写真で見られるような運転席が完全に潰れてしまうような、激しい損傷度ではありません。運転席は潰れておらず、エアバッグも開いており、乗員が助かっても良さそうな、空間が確保されているようにも見えます。よって、Aピラーが潰れている、エンジンやドライブシャフトが運転席を突き破った、というネット意見は全くの誤りであることが理解できるでしょう。
LFAはカーボンモノコックボディですから強度的にも剛性的にもスーパーカースペックの強度を確保しているでしょう。LFAはミッドシップではなく、BMW同様にフロントエンジンのFR駆動ですからクラッシュゾーンも確保できています。当然、一般想定の衝突テストは実施済と考えられます。
ただ、ヘルメット装着前提での一般公道テストが、法定速度を超える速度であったとすれば、オフセット衝突テストを遥かに超える速度・衝撃だったと思われます。高速道路で粉々になった写真と同一レベルの損傷度と見られ、通常の法定速度でぶつかり、LFA側だけが粉々になったという設計ミスを想定した車両欠陥説は難しいと推察します。現在のオフセット衝突テストを超える速度域において、メーカー側の瑕疵責任は、問えないのではないでしょうか。

BMWのバンパーの高さや衝突位置、正面、オフセットなど、当たり所の悪さも影響しているでしょう。車両重量や重心位置の高さによっても衝撃力は変わってきます。いずれにしても一般公道でのテストによる危険性を甘く見たツケと思います。

LFAが対向車線を越えた

地元警察・ラジオは、ドイツ側の発表であり、BMW向けの忖度が無いとは言い切れません。
また、トヨタ側から、事故詳細に関する発表は一切ありません。

事実として、先方の発表が正しいとした場合、LFA側が対向車線を越えたことが問題です。

  • テストであろうと法制速度を守るのは当たり前
  • テストドライバーだからミスしない

トヨタ擁護観点では、上記想定になります。しかし、この想定が当てはまらなかった結果、この惨事に繋がった考えるのが、妥当でしょうか。
今回の事故が愛知県下山テストコースの設置に繋がったと理解すれば、トヨタ側の意図も理解できるでしょう。

LFA側搭乗者一人、テスト機器が原因か

LFA側は搭乗者無し、BMW側は搭乗者有り、という状況も各メーカーのスクープ写真を見る限り、どちらも普通にある光景と思われます。
また、PCや各種計測機器を助手席側に設置しているケースが多いようです。
今回は、ドライバーのダメージですから、助手席側の各種計測機器の固定が甘かった、としても直接の原因と考えるのは無理があるでしょう。

BMWドライバーは助かり、LFAは命を落としたのか

今回の衝突後写真を見ると、双方の損傷度合いから、高速道路で粉々になった事故車両写真をイメージするほど、激しい事故です。仮にその推測ベースに考えると、一般公道におけるスピード超過、センターラインオーバーの正面衝突ですから、双方とも命を落としても不思議ではありません。単にBMW側ドライバーが助かったのは運だったのかもしれません。

公道走行において、ヘルメットが必要となるシーンはありません。
よって「速度超過を想定した走行を予定し、その危険性に備えたヘルメット装着」と考えるのが妥当でしょう。「市販開始前のテスト走行」として、渦巻模様のステッカーをボディ全体に張ったテスト車は、ヘルメット無しでテスト走行しているケースが多いです。
(ヘルメットを被るシーンは限定されるという事です)
センターラインを完全が車体がはみ出すようなスピードとなれば、コーナーのRにもよりますが、「速度超過によるオーバーラン」「ハンドル操作ミス」のどちらかと考えるのが妥当です。

コメント

  1. 随分前の掲載に、今頃ですみません。ニュル24時間に参加した章男社長が、成瀬さんの命日に走られた後に、成瀬さんの思い出を語られていたのをキッカケに、いろいろ調べているうちに、ここに到着しましたので、時差をお許しください。
    まずは、改めて、成瀬さんのご冥福をお祈りします。

    さて、早速ですが、全体としては大変興味深くよませていただきましたが、ご説の結論は、ちょっと誤解がある気がします。

    「テストドライバーの絶え間ないトライアンドエラーにより、自動車は進化しながら市販車にフィードバックされている」。

    これが本当だとすると、テストドライバーは、みずからの体を張っている職業に見えます。本来であれば、運転の達人のはずですから、“トライとミス”が繰り返されることはないはずで、百歩下がってそうなのだとしたら、自動車メーカーがテストドライバーをモルモットのように使っている、ということになり、そんなことは根本的に許されないはずです。テストコースであれば、多少なりともその傾向はあるのかもしれませんが、事故現場は公道です。

    ズバリ、成瀬さんは、運転者としての最低の義務である“安全”を無視して公道を走っていたことなり、テストドライバーとして失格と言わざるを得ません。

    一方、乗っていたクルマが、数千万円もするハイパーカーだったにも関わらず、衝突に対しての安全レベルが極めて低かった、というのが壊れ方を見ても伺えると思います。

    トヨタから事後報告がないのは、世の中の“常識”からはある種当然の気もしますが、本来なら、自社の安全思想を訴えるためにも、そして「いいクルマ創り」を進めているのなら、反省として徹底的な解明をすべきですが、そうなっていないのは、都合が悪いから以外に考えようがありません。

    また、情報が出ないことに対して、一般マスコミがなにも反応しないことにも不自然さを感じます。いや、広告を止められては困る、という事情からは、しごく自然なのかも、ですけど。

    • 山口さん、ご意見ありがとうございます。
      「トライアンドエラー」という表現は和製英語で、日本における意味としては「試行錯誤」になります。

      渦巻模様のステッカーをボディ全体に張った試作車が公道上でテスト走行しているスクープ写真を見たことがあるかと思います。
      市販開始前に試行錯誤としてのセッティングやチューニングといったケースを想定した「試行錯誤=トライアンドエラー」です。

      テストコースの事前テストをふまえて、一般公道走行可の認可を得ていると思います。
      ですので運転技量に関係なく、素人的な「ミス」も許容する安全性は確保されていると考えます。
      一般公道走行可とは、運転者だけでなく、公道を利用する方の安全も守られなければいけないからです。

      今回は「法定速度を超えていたのか」が争点かと思います。
      ・法定速度を超える速度で、公道をテストする必要があったのか?
       →無い
      ・法定速度を超える速度で、衝突した場合の安全性を確保する義務はあるのか?
       →無い

      公道上でヘルメット被っていた時点で、ドライバーのモラルだけでなく、公道テストを実施させた監督責任を問われても良い案件かもしれません。

  2. 個人的な見解です。
    両車の法定速度超えやLFAのセンターラインオーバーの可能性との記述が多いですが、はっきり言ってこの事故はBMWのセンターラインオーバーを成瀬氏がとっさの判断で反対側(つまり対向車線)に回避したけれどBMWのハンドリングが復活し同じ車線に戻ってきた結果正面衝突と判断するのが妥当です。
    ドイツで何度も運転している人間からすれば「日本の左車線通行の癖で左に回避」など絶対に考えられません。ドイツで1日運転していればだまっていても体は右側通行に順応します。ましてやマスタードライバーの成瀬氏の様なスーパードライバーはサーキットだろうが公道だろうか確実に最善の回避策を取ります。
    この事故が死亡事故になった要因は車体の設計にあります。カーボンモノコックのキャビンをスペースフレーム構造で衝突エネルギー吸収を行う設計は世界的に見ても稀で、もちろんトヨタはLFAまで作ったことがありません。
    いろいろ異論はあるかと思いますが、根本的な死亡事故の要因は車体構造に無理があった(欠陥とまではいいませんが)と私は革新しています。

  3. GRMNヤリスの発表に伴い、いろいろネットサーフィンしていたらたどり着きました。
    HANSデバイスはご存じだと思います。その誕生の経緯を考えると、国沢氏の論調を真っ向から否定するのは強い違和感を覚えます。
    この事故においてHANSをしていれば助かったかどうかはもちろんわかりませんが、4点式シートベルトをしていてHANSなしでヘルメットを被った状態で正面衝突した、ということを考えると、体は固定されたまま(4点式でも若干は伸びますが)ヘルメットの重さが加わった頭が前方に強く引っ張られ、頚椎を損傷したということもひとつの可能性として十分に考えられるのではないでしょうか。

    • とくさん、ご意見ありがとうございます。
      レース車両と異なり、運転席エアバッグが機能すれば、4点式ベルト影響でも頚椎損傷とならない可能性もあります。
      運転席エアバッグ機能オフの現地記事も見当たらず、国沢氏理論は推測の域を出ませんね。
      推測の可能性は否定できませんので、内容を修正しました。