真のブランド力を過大評価しすぎた
ブランド力はレクサス・ボルボ以下の5番手
バブル期の日本市場より、アウディは、VWの上位ブランドとしての位置付けも強く、やや高級な兄弟車のイメージに過ぎませんでした。
メルセデスやBMWには追い付いていないイメージも強いです。当然、上記から乗り換えたユーザーは、FFベースのシャーシや4WDのハンドリングには面白みの無さを感じているようです。車そのものが不人気なのか、メルセデス、BMWから離されつつあるようです。
最近では、カーオブザイヤーで絶好調のボルボや同じグループで共食いするVWアルテオンにも食われているようなブランド力なのです。
昔のYANASEではメルセデス以下の格下扱いだった
昔のヤナセをご存知の方は多いと思いますが、日本における総輸入販売元として、メルセデスとアウディが、ヤナセディーラー(~1992)で売られていました。
当然、信頼性やブランド力、実際の魅力でもベンツが格上、アウディは格下扱いという販売スタンスであり、ドイツ御三家とは程遠い状態でした。
よって、アウディがドイツの高級車御三家というキーワードに違和感を覚える方も多いのでしょう。あくまで、VWベースの兄貴分に過ぎないという価値観、ブランドイメージは、ヤナセの時代に確立したと言えます。
ヤナセ当時、ドイツのオペル車の売れ行き以下だったので、オペルと同レベル扱いされた時期もあったようです。(実際、アウディは売れないので、ヤナセ撤退後のディーラー網もベンツに比べるまでも無く貧弱でした)
ヤナセディーラーのユーザーにとっては、アウディからメルセデスへの乗り換え、ステップアップというのが、自然の流れでした。当然、メルセデスからアウディに乗り換えるという、逆パターンは、一切無かったのです。
アウディ正規ディーラー移行後、風向きが一瞬だけ変わったのが、A4(B8型)であり、当時のシングルフレーム、LEDライトな外観にインパクトがあったという事でしょう。従来、メルセデスやBMWといったユーザーが、アウディショールームを訪れ、絶賛するわけです。販売も上向きとなり、販売戦略が成功したとディーラーもインポーターも勘違いしても不思議ではありません。しかし、その好成績は、次期モデルで脆くも崩れ去りました。
一人勝ちアウディのブランディング戦略
https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1004/23/news005.html
2010年の当時の記事を見ると、当時は経営的成功を収めたと言えます。
この事実だけ見ると、販売戦略の成功体験として語られ、日本におけるアウディの販売戦略の根幹を成しているのでしょう。当時の日本人にとって、アウディA4(B8)が新鮮に映り、一瞬飛びついた(流行に一時的に乗った、浮気してみた)に過ぎなかったのです。この成功体験を正しく評価分析しなかった結果、継続的なアウディ・リピーターに繋がらず、結果的に成功体験が全てマイナス作用したと言えます。
アウディの徹底的なターゲット戦略と、ブランド浸透の社内外の取り組みに学ぶ点は多い。(猪口真)
海外におけるアウディとライバル車の比較広告は、日本人には全く理解できない価値観です。実際の営業現場でもライバル車より優れているという点を強調しているとしたら、ドン引きする話ですね。ドイツ本国が推進するブランド戦略は、日本的価値観とは全く噛み合わず、ブランド戦略として、莫大な広告費を投入しようとも意味が無いでしょう。
過剰な宣伝広告で知名度は上がったが
『日本では、アウディはどうしていまいち人気・知名度が無い…』 BMW のみんなの質問 (yahoo.co.jp)
ドイツ本国でのブランド順位は、アウディー→BMW→メルセデスです。日本では逆ですね。
そもそもドイツ人は合理的で大企業のTOPでも運転手を雇わず自分で運転(A8が多い)します。
アウディはクワトロ(4WD)なので雪国のアウトバーンでは絶大な支持を受けています。
BMWは車好きの操る喜びを感じたい人向けで駆動方式はFRです。
メルセデスはW210からコストダウンが激しくなり、現在ではあまり評価が高くありません。
自分の好みの意見をベストアンサーにしたような回答です。回答も2010年と古く、この記事が検索結果のトップとは意図的な何かを感じます。10年後の今、メルセデスの高評価は不変であり、メルセデス、BMWの順位は変わらず、むしろアウディ不人気で順位を完全に下げている状況なのです。
値段が高い事が売れない理由
「アウディ・値段が高い」で検索する方が多数
「値段が高い」で検索される方が多数いらっしゃいます。ユーザーにとって、ブランド価値に見合わず、「値段が高い」と感じて検索される方が多い結果です。メルセデスやBMWの記事では、一切は見られない現象です。メルセデスやBMWは、高級車と認知されている。値段が高いのは当然であって、ブランド価値に見合うと考えられているのでしょう。
ブランドは広告で得られるものではない
日本人のブランド意識も変化が見られ、高い価値に見合ったブランド力、品質や性能を求めるようになりました。海外でもメルセデスやBMWに対しての比較広告が目につきます。こうした比較広告は日本人に受け入れられない価値観とする意見が多いようです。
ベンツ・BMW並み価格を認めない
A4(B8型)が一時的に売れた結果、後継モデルも高価格を継続したのは、メーカー戦略としては妥当でしょう。しかし、結果的に5代目(2015年~)アウディA4(B9型)は、強気の価格設定がユーザー離れを一層加速しました。
また、先代A4(B8型)に比べてB9型は、全く変わり映えのしないスタイルだったため、買い替えたと言わなければ、一般の方は全くわからなかったのです。それだけ、先代B8が新鮮であり、デザイン効果を「一世代で全て消費し尽してしまった」と言えます。
現状、A4が全く売れず、安いA3/A2/A1を売ろうと必死ですが、下のグレードとなればVWアルテオン、レクサスやメルセデスA/Bクラス、BMW1/2シリーズに加えて、BMWミニが強力にラインナップを強化しており、アウディの食い込む余地は全くありません。
今、勢いのあるボルボは、メルセデス、BMWに対して100~150万安く、日本におけるブランド力に対して、あるべきマーケティング戦略・価格設定で圧倒的な競争力を保っています。とにかく、アウディは同一ライバルに対して価格が高すぎるのです。本国の日本法人に対する認識が間違っているのですが、日本市場の自滅は時間の問題でしょう。
日本市場は、アウディにメルセデス・BMW並みの価値や価格を認めていないのです。