6AT採用で時代に逆行するトヨタハイブリッドのまとめ
スペック | 世界の潮流 | トヨタ製デュアル ブーストハイブリット (DBHS) |
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高級車AT | 8AT~10速トルコンAT | 6速トルコンレスAT |
エントリーモデルAT | 6~7速DCT | 6速トルコンレスAT |
ダウンサイジングターボ | 1.5L~2.0Lターボ | 2.4Lターボ |
ハイブリッドシステム | 48Vマイルドハイブリッド ATと直列配置のインテグレーテッド(ISG方式) |
ストロングハイブリッド |
メリット
ハイブリッドとして他メーカーの追従を許さない仕組み・機能がTHS2でした。これは低中速域の燃費最優先システムといえます。
BDHSとなり、ハイパワーと燃費を両立するシステムでは、他メーカーISG方式にも劣ると言えます。もはやトルコンレス6ATにメリットは一切無いと言えます。
デメリット
- いまどき、ダウンサイジングの時代に逆行し、2.4Lへ排気量拡大する愚策。むしろツインモーター構成であれば、エンジンは、より小排気量化し、ターボチューニングで十分だったはずです。
- いまどき、AT段数の少なくカタログスペック上もチープさが目立つ、たった6速の段数で15年前に逆戻り
- エントリーモデル向け、シフトショックの大きいトルコンレスATの採用(日本や北米、中国に好まれない型式。VW/ホンダのトルコンレス=リコール連発だった負のイメージが強い))
これらの採用により、燃費性能にもマイナスに作用してしまい、何のためのハイブリッドなのか、高級車としての品位も達成していないスペックに成り下がっています。
モニター大型化トレンドをやっと把握したトヨタなのに
先代クラウン前期モデル(S220型)で「8インチモニター」を搭載して市場から袋叩きに合い、後期モデルでは12.3インチモニターを搭載して来た流れに似ています。
グローバルな高級車のあるべき市場のニーズとは、クラウンやRXのポジショニングとは、想定ライバルの関係とは、を考えれば既に答えは出ています。
世界戦略車となっているクラウンやRXが、チープなAT性能では、せっかくの「デュアルブーストハイブリット」が完全に台無しなのです。
このような時代錯誤の6速トルコンレスATや排気量拡大ターボにゴーサインを出す前に、ワールドモデルとして、高級車マーケットを考慮した配慮が無さ過ぎます。これでは、欧州車に流れたユーザーをトヨタやレクサスに回帰させることは難しいのです。
このような安易な手法を選択する前に、世界のトレンドを把握しつつ、技術的な課題をクリアできなかったのか、が問われています。