8速トルコンレスATが失敗
メルセデスもBMWもレクサスもエントリーモデルを除き、上級モデルは全て8AT以上(トルクコンバータータイプ)を採用しています。
これは、トルクコンバーターのなめらかな伝達が高級車向きの多段ATとされているためです。
また、北米・アジア市場では、トルコンATやCVTが好まれます。
VW・アウディ・ポルシェグループでは、DCT/DSGが採用されていますが、渋滞の多い市場では湿式多板クラッチの摩耗やショックが大きく多く、トルコンレス部分にリコールも多発しました。
北米やアジア市場では好まれない変速形式です。
特に北米市場を重視するラージとって、トルコンレスATは、NAエンジン同様に有り得ない設定です。すでに市場から駄目出し認定を受けたトルコンレスATにも関わらず、なぜ上位モデルの8ATに採用したのか?、スカイアクティブG/X同様に、とんでも理論の強硬派による愚策なのだとすれば、納得できますね。
世界の潮流202x
- スポーツカー:DCT(変速スピード重視、変速ショック全捨て)
- VWグループ:DSG/Sトロニック/PDK
(最新湿式もトラブル多発も欧州では好まれる型式、渋滞圏では故障多発の形式) - BMW Mモデル:DCTを捨て、8ATへ(7DCTよりトルコン8ATの性能が凌駕)
- ベンツA/B、BMW1/2シリ:エントリーモデルDCT(変速ショック有り、キビキビ感重視)
- ベンツC/E、BMW3/5シリ:ミドル以上は9/8速トルコンAT(高級感・滑らかさ重視)
欧州Cafe規制のためのトルコンレスなら意味無し
トルコンATよりも、やや伝達効率に優れるトルコンレスを採用し、燃費数値を少しでも改善しようとしたのでしょう。スカイアクティブXのように、内燃エンジン本体での燃費が目標値を全く達成できず、マイルドハイブリッドを追加し、燃費を嵩上げして価格アップを招いた本末転倒の施策が蘇ります。Cafe対策として、今回のPHVモデルは効果的ですが、PHVの価格設定を見れば、欧州で売れないことは言うまでも無く、本線のMX-30EVを沢山売って、Cafe規制に貢献すべきでしょう。
先代ホンダフィットが、ライバルのプリウス燃費を意識すぎたあまり、トルコンレスを採用してリコール連発を招いたように、あくまで効率を重視した技術者の暴走が招いた失態は、過去の黒歴史です。マツダ技術者は、シフトフィールの粗雑さや故障比率などトルコンレスの大々的な欠点(黒歴史)を知らなかったのでしょうか。
高級車ラージが、台無しのトルコンレスAT採用
ラージが、高級車路線として直列6気筒とFR駆動形式を採用したのであれば、当然トルコン8ATを採用するべきですが、なぜトルコンレスATを採用したのか疑問です。
ラージが北米やアジア圏の富裕層が対象であれば、トルコンレスATの燃費効率よりも高級車たるフィールを重視すべきであり、トルコンレスATは完全な失策といえるでしょう。VWアウディ車のDSG/Sトロニックで多発している機械式クラッチ(トルコンレス)部分の故障問題が、マツダ車でも発生しないことを祈るばかりです。
ラージの高級クーペを意図したのか
当初、ラージはSUVよりもセダンやクーペモデルの構想が先行していました。
ショーモデルとして見た方も多いでしょう。スポーツクーペはトルコンレスATの採用例も多いのですが、マツダ社がこのようなニッチマーケット専用に造る意味もないでしょう。
多売車種はSUVなのに、本来の目的はクーペ用途だとしたならば、本末転倒・暴走機関車の私物化とも言えるでしょう。
FR駆動形式が意味不明
ラージセダンならFRでも良いでしょう。しかし、CX-60はSUVです。
4WDが当たり前なのに、FR設定がメインのシティSUVとは、なんということでしょう。
4WDモデルは価格アップが避けられません。
都市部ではFR車で十分ですが、突発的な雪や悪路に弱いCX-60(FR)が、スタックしている恥ずかしいシーンがテレビニュースの一コマに登場しそうです。
販売低迷で失敗確定
2022年7月時点の予約状況
グレード | 受注台数 |
---|---|
25S | 約370台 |
XD | 約1110台 |
XD-HYBRID | 約1480台 |
PHEV | 約370台 |
月販目標2000台に対して、予約開始2か月で8000台
新発売の6気筒エンジンなど、話題の多いモデルですが、8千台という数字自体、他社事例と比較して、むしろ少なく、多いとする賛美記事には呆れるレベルです。
発売たった1週間でリコール発表
マツダは9月22日、9月15日に発売を開始した「CX-60」のリコールとなりました。
発売を急ぎ過ぎたのか、発売直後のリコール発表は、自動車業界としても異例の状態でしょう。
2023年の販売実績
月販目標2000台に対して、発売1年経過時点で、あっと言う間の販売低迷。
3300ccの排気量、ファンに行き渡った後の流れは、素人でも予想出来る話。
世界のトレンドを逆行する6気筒崇拝、これが4気筒2000ccターボのガソリンやディーゼルなら話は違ってたと誰もが予想出来る話。
年/モデル | 順位 | 台数 |
---|---|---|
2023/CX-5 | 28 | 25,714 |
2023/CX-60 | 29 | 23,941 |
2024年上期ランキング50位
ランキング50位の圏外前後を彷徨う末期的な失敗状況です。
マツダの屋台骨CX-5という先代モデルが、まだまだ売れ続ける販売状況にセールスの現場からは悲痛な叫びが聞こえてきそうです。