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CX-60は、ダサい、失敗で売れないのか

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CX-60 失敗の理由とは

価格が安いのか、高いのか

299万円スタートのエントリーモデルを買う人はいないでしょうから、価格が安いとするネット記事は、賛美記事の典型例ですね。ドイツ車と比較して安いとする記事は、呆れてしまうレベル感です。
諸費用込400万、500万超えとなるのが中心の価格帯となるでしょう。従来、CX-5のトップグレードやCX-8を購入していた、ユーザーがCX-60に価値を認めて、このモデルを買うのか、難しいところです。

3.3Lディーゼルを売れ線とする設定

日本おける欧州車ディーゼルは、2リッターディーゼルターボが売れ線の中心グレード設定です。
欧州車ディーゼルでは、BMWでいうところの回転フィールのシルキーさを求めるユーザーなどいません。ディーゼル車は、大トルクと多段ATでNAエンジンのように高回転まで回す必要は全くないからです。結果、ディーゼル6気筒は、滑らかさなどのメリットが全く生かせない性格なのです。
すでに欧州車の主役は4気筒モデルに移行し、6気筒は燃費よりもハイパワーなプレミアムモデルの位置付けなのです。その点でマツダは燃費志向の6気筒であり、この点でも本家を理解していないことが良くわかります。

今回、3.3L直6ディーゼルは、割安感のある価格設定となっており、当然このグレードを売れ線とする設定でしょう。
ただし、3.3Lディーゼルの燃費性能やコストパフォーマンスが良くても、今どき、3リッターを超える大排気量に対するマーケットは限られ、3.3Lの販売台数は減少傾向となるでしょう。
本来のユーザーが、一番求めているモデルは、縦置き2.5L直4ガソリンターボと2.2L直4ディーゼルターボという安価でパワーのあるコストパフォーマンスモデルなのです。(今回のモデル設定なし)

マイルドハイブリッド(MHV)は500万スタートは高すぎる

48Vマイルドハイブリッドという、欧州車の上級モデルで標準化した装備となりつつあります。
総称としてMHVは、HVに含まれるため「ハイブリッド」というネーミングは間違っていません。
しかし、プリウスなどのストロングハイブリッドが一般化した今、「ハイブリッド」の表記は、止めた方が良いでしょう。
また、ノーマルエンジン車に対して、MHV車の価格設定は、もはや理解不能の価格帯に達する状況です。CX-60のMHVは、スターターモーターが48V仕様となるだけです。欧州車48Vは、MHVとしての価格アップは僅かであり、補助機能でしかありません。

プラグインハイブリッド(PHV)は539万スタート

プレミアムブランド級となり、レクサスRXや欧州SUVと直接対決となるため、日本では全く売れないでしょう。トヨタや三菱製PHVと比べても価格戦闘力は全く無しです。
欧米における燃費規制対策専用モデルをメインに据えたいのでしょうが戦略ミスです。

ハイブリッドは500万スタート

48Vマイルドハイブリッドなのに、ハイブリッドのネーミングで500万超え。
すでにハイブリッドの知名度が浸透した現在、純粋なハイブリッドを名乗れるのはストロングハイブリッド車のみでしょう。
欧州車における48Vマイルドハイブリッド車は、上級グレードの標準装備であり「ハイブリッド」とは明記しません。もはや欧州車オーナーから笑われてしまうレベルでしょう。
もはやユーザー不在です。誰が買うのでしょうか?

PHV性能は価格的な価値無し

PHVなら三菱アウトランダーは、462~532万の価格帯でCX-60より安いです。
燃費性能比で、PHVの先輩となる、RAV4やアウトランダーが一枚上手と思われます。
誰が買うのでしょうか?

欧州車乗りがCX-60に乗り換えるとか

全くいないとは思いませんし、実際に乗り換えたデータもあるのでしょう。
しかし、欧州車指名買いのユーザーにとって、そもそも国産車など眼中にありません。

高級車価格帯に対する理解不足のマツダユーザー

客寄せ用299万円のエントリーモデルが用意されているものの、メインは4、500万超となります。

  • 超大径タイヤの乗り心地の悪さや6気筒のトルクの細さを知らず、「CX-5の方が良いよね?」
  • 最近のランフラット車の乗り心地や6気筒モデルの特性など、全く知らないユーザー層

このような意見を持つのが、今までのマツダ車購入層(CX-5/3)なのです。
開発陣がマーケティングとして、ピンボケのエンジン設定となっているだけでなく、ユーザー層もまたまだ高級SUVとは何かを理解しておらず、理解には時間がかかりそうです。

エンジン設定が意味不明

直6ガソリンターボが無い

ラージ化で、マーケットメインの北米ユーザーが求めているのは3.0L直列6気筒ガソリンモデル。2.5L直列4気筒NAエンジンや3.3直列6気筒ディーゼルなど誰も求めていません。
特に「2.5NAエンジン」っていつの時代でしょうか。
2.0L/2.5L直4ターボエンジンがあれば、パワフルで燃費にも貢献するのですが、全く意味不明のエンジンラインナップです。

1気筒あたりの排気量が小さくなり、トルクフィールも小さくなる

  • CX-5:2200cc ÷ 横置き4気筒 = 1気筒あたり、550cc
  • CX-60:3300cc ÷ 縦置き6気筒 = 1気筒あたり、550cc

欧州のモジュラーエンジンは、直列3/4/6気筒と気筒数を増やすだけでコストを軽減するコンセプトです。ガソリンもディーゼルも共有部品は少ないものの、排気量はほぼイコールですね。
ラージ化にあたり、1気筒当たり500㏄に統一することも可能だった事でしょう。
従来の横置4気筒の排気量に引っ張られる形の3.3L化は、全くのムダです。
そもそも、2.2Lという中途半端な排気量で直4ディーゼルを作ったことが無駄だったと言えます。
このあたり、ガソリン車よりもディーゼル車の排気量を大きくするディーゼル優先主義が、欧州市場での挫折を味わい、もはや時代遅れ感が漂います。

マイルドハイブリッドで燃費を稼ぐため、ディーゼルのトルク感を味わえず

ディーゼル車は分厚いトルクを低速域で体感させることが、ガソリン車に対しての最大のメリットなのですが、燃費重視に振った手前、トルク感が薄くなるという本末転倒な結果となっています。
さらにマイルドハイブリッドは、低速域をアシストして燃費を稼ぐため、ディーゼルの魅力を半減させる設定となり、本末転倒なエンジンとなっています。

スカイアクティブXの市場ニーズゼロ

そもそも、CX-30やMAZDA3でも全く売れかったスカイアクティブXは、直6にも不要です。
北米市場が求めているのは、メルセデス、BMW同様に直4/直6ターボです。
内燃重視なのに、スカイアクティブGやXという時代遅れの迷走エンジンを世に送り出し、ダウンサイジングターボやトヨタHVを軽視した低評価の施策はマツダの最大の汚点です。
これらを美化することなく、マツダの黒歴史認定とすべきです。
すでに直4ターボが一般化し、市場が求める直6とは、ハイパワー版のみです。中途半端な燃費とパワーの3L超えの直6スカイアクティブXなど、誰も市場が求めていないことを理解し、即刻市販計画を中止すべきです。

大排気量ディーゼルなど誰も求めていない

国内向けディーゼルは、安価でパワーがあり、価格的メリットが大きいので4気筒の方が良いのです。エンジンも回さないディーゼルは、パワフルな4気筒ターボディーゼルで十分なのが欧州車です。輸入車も6気筒ディーゼルモデルは超ニッチマーケット用であり、ユーザー不在なのは明らかです。

欧州2リッターディーゼルターボに比べて、普通の性能です。そもそもディーゼルに6気筒のエンジンフィールって必要でしょうか。そもそも現在の2.2L直4ディーゼルターボに8ATやハイブリッドを搭載すれば、十分です。

2.2Lディーゼルより、3.3ディーゼル燃費が優れる摩訶不思議

数字を見る限り事実のようですが、一般論として排気量が1.5倍大きい方が悪いと考えるのが普通でしょう。また、6気筒ディーゼルに採用した技術を4気筒に採用すれば、燃費で4気筒が良くなるのは、言うまででもありません。(スカイアクティブの数字マジック・プレゼン資料は、お約束ですね)
新型クラウンですら、2.5Lになる時代、3.3Lとは時代に逆行も甚だしいです。

国内専用ディーゼルに未来無し

ディーゼル車は、欧州市場がメインです。しかし、欧州CAFE規制(CO2規制)により、ディーゼル投入予定無しです。戦略の失策であり「ターボ、電動化嫌いのタッグコンビ負の遺産」として予想が外れた結果です。日本専用モデルとなり、3.3L直6ディーゼルという、稀にみる少量生産エンジンは、開発コストの元すら取れず、スカイアクティブXと同様に、マツダの黒歴史に名を残す可能性が高いです。

  • 脱ディーゼルが予想を超えたスピードで加速する世界市場
  • 北米市場は、そもそもディーゼルは蚊帳の外、ユーザーニーズゼロ
  • 残された聖域は日本のみですが、ライバル欧州車ディーゼルに対するアドバンテージ無し

欧州プレミアムの本質を全く理解していない

欧州車のプレミアムモデルも主力は「2.0Lの4気筒ターボ」と「トルコン8AT」で、必要十分なパワーと燃費を両立する流れです。さらに48VマイルドハイブリッドやPHV化について、日本車よりも遥かにラインナップは豊富です。ハイブリッド車で天狗になってる日本車勢は、欧州市場では過去のものとされてしまいました。欧州6気筒ディーゼルは、強大なトルクとハイパワー志向な存在であり、6気筒3.3Lのアンダーパワー燃費志向ディーゼルは、異質な設定となることは言うまでもありません。

CX-5:直列4気筒2.2Lターボディーゼル

  • 最高出力:200ps(147kW)/4000rpm
  • 最大トルク:450Nm/2000rpm
  • 0-100km/h加速:8.4秒

CX-60:直列6気筒3.3Lターボディーゼル

  • 最高出力:254ps(187kW)/3750回転、
  • 最大トルク:550Nm/1500~2400回転
  • 0-100km/h加速:7.3秒(プレミアム、ハイパワーなスペックを期待すると、がっかり)

ガソリン車であれば、回す楽しみやサウンドも3750回転でMAXに達してしまうディーゼルでは「6気筒メリット」は全くないでしょう。直6だからとBMWに絡めたシルキーなどという表現が見られるメディア記事には「がっかり」させられると事でしょう。
排気量は、2.2Lから3.3Lとなり1.5倍なので、300ps/67.5Nmとなっていません。
パワートルク重視でなく、燃費重視に振っている面白味のない性格であり、欧州6気筒ディーゼルのように、0-100km加速5秒台のような俊足モデルでもなく、非常に中途半端なエンジンと言えます。
燃料も1.5倍は、理論上は余計に消費するはずです。(アイドリング状態なら)